FXレポート

ドル安定すれば欧州通貨の上昇も

■今週の為替の動き

  米ドル・円(2009年5月15日―5月22日)
  High 96.737
  Low  93.934

  ユーロ・米ドル(2009年5月15日―5月22日)
  High 1.39229
  Low  1.34215

  15日(金)夕方に発表されたユーロ圏GDP1Qはドイツ・フランスを筆頭に予想以上に低下し、ユーロ圏全体でも発足以来の冷え込みとなった。ユーロ売りの流れは18日(月)まで続き、ユーロ円は127円付近まで下落した。懸念されていた20日(木)の日本GDP1Qは-15.2%という予想の範囲内の悪化で、為替への影響は限定的となった。ところがFOMC議事録公開で、「不良資産の買い入れ拡大が必要」と指摘されたことにより、ドルのリスクが再燃。これを受けて、基軸通貨ドルに逃避していた資金が他の主要通貨に流れ、ドルインデックスは5カ月ぶりの安値に迫った。ドル円は94円台中盤までドルが売られ、特にユーロ・ドルは1月以来の高値まで急騰。ポンドの上昇も目立った。
  
  21日(木)昼にはイギリスの格付けを「安定的」から「ネガティブ」に変更するとS&Pから発表され、ポンドは急落したが、まだ実際に格下げされてはいないためか、その後に値を戻した。夜に発表されたアメリカの景気指標は3つとも事前予想を下回り、株安を伴ってドル円は94円近辺まで下落した。
  
  15(金)USD NY連銀製造業景気指数(5月) 予想(-14.20) 前回(-14.65) 結果(-4.55)
  15(金)USD ミシガン大学消費者信頼感指数(5月) 予想(66.5万人) 前回(65.1万人) 結果(67.9)
  15(金)EUR ユーロ圏GDP(1Q-前期比-速報値)予想(-2.0%)  前回(-1.6%)  結果(-2.5%)
  21(木)USD 新規失業保険申請件数 予想(61.0万件) 前回(60.1万件) 結果(63.1万人)

■来週の注目すべきイベント

  26(火)USD 消費者信頼感指数(5月) 予想(-42.0) 前回(-39.2)
  27(水)USD 中古住宅販売件数(4月) 予想(4.65M) 前回(4.57M)
  28(目)USD 新築住宅販売件数(4月) 予想(+2.0%) 前回(-0.6%)

■来週の注目の通貨ペア

  ユーロ/円 ポンド/円 
  
  来週の注目される経済指標はアメリカの消費及び住宅指標。結果次第でドル円よりもユーロやポンドにより大きく影響する可能性が高い。特に住宅関連指標が事前予想を上回る結果となれば、円買いに向かう理由も乏しく、楽観ムードが株高を伴って、ドルの見直し買いを引き起こすかもしれない。ドルの安定感は欧州通貨の買いを誘発する可能性もあり、ユーロ円、ポンド円がしっかりした展開が想定しやすい。ユーロ円で132円台中盤、ポンド円で150円台まで上昇すれば利益確定売りも想定されるが、そこが押し目買いの見逃せないチャンスになるかもしれない。
 
■ユーロ円予想レンジ  
  129.80~134.00

■ポンド円予想レンジ  
  147.50~152.20 

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