FXレポート

大型連休に突入!引き続き円高警戒か!?

ドル円は序盤、日経平均がアイフルの事業再生ADR手続き申請などで嫌気し金融株を中心に売りが先行すると91.556円まで上昇。しかし、上海総合が前日比-70ポイントとなったことを受け、リスク許容度の低下から円買いが盛り返し一時91.084円まで戻り91円台前半で一進一退の展開。その後の欧米市場では米経済指標がなく、株価も方向感がでなかったため積極的にリスクを取る動きは少なくなり、商いの薄い展開が続き結局91.402円で取引を終えた。

ユーロ円は、株安連鎖を受けてリスクオフの動きが強まり下落、一時本日安値となる133.698円まで売り込まれた。しかし、独8月の生産者物価指数は前月比+0.5%と11カ月ぶりのプラスとなり上昇、134円台前半で底堅く推移し134.402円で引けた。

一方のポンド円はブラウン首相の発言が東京市場序盤でも意識されたことから軟調な展開となったことに加え、英金融機関のロイズ・バンキング・グループが政府資産保証からの離脱を断念したとの報道を受けポンド売りが加速、ポンド円は148.250円まで下落し、クロス円ではポンド安が一際目立つ一日となった。

さて今週のドル円だが、ここ数日間続いている90.10円~91.70円のレンジ内で一進一退の動きとなっているが、株安連鎖でリスク回避の円買いが強まる可能性も捨てきれないうえ、日本の大型連休に突入し、薄商いのなか投機筋の仕掛けに下値が脆弱となりやすい局面といえる。もし連休中に90円割れとなった場合、政府・日銀が介入に否定的な姿勢を鮮明にしていることから、下落に歯止めがかからなくなる可能性も否定できないため注意したい。

ユーロ円は、株高・コモディティ高を背景としたドル売りが一服し、やや上値の重い値動きの可能性も捨て切れない。先週は、ほぼ一本調子に上昇してきただけにそろそろ手仕舞い売り・利益確定の売りが入っても不思議ではない。また大型連休中にドル円が90円を割り込むリスクがくすぶっており、円急騰に対する警戒を怠らないようにしたい。

ポンド円は英国要人から英経済に関する悲観的な発言が相次いでおり、ポンドは相対的に売られやすい展開が続きそうだ。ロイズ・バンキング・グループが英財務省の資産保証スキーム(APS)からの離脱を断念せざるを得なくなったと報じられたことから、金融システムの脆弱性に再び注目が集まり、いよいよ下落が本格化する可能性が出てきた。

豪ドル円は投資家のリスク選好度の改善から高金利通貨に資金が向かいやすい状況となっているが、日本の連休明けにはFOMCが控えており、ここ半年間上昇した株価に調整圧力がかかり勢いが鈍化することも考えられる。高金利通貨買いは継続する公算は高いものの、株価動向への警戒は怠らずに臨みたい。



 [今週の予想レンジ]

 ドル ・円  88.00- 93.00
 ユーロ・円 130.00-135.00
 ポンド・円 142.00-154.00


【今週の主な経済指標】
9/21
08:00(英)  ライトムーブ住宅価格
18:00(南ア)小売売上高 
21:30(加) 対カナダ証券投資額
23:00(米)  景気先行指標総合指数

9/22
14:45(ス)  スイスSECO消費者信頼感指数
15:15(ス)  貿易収支
18:30(南ア)南アフリカ 消費者物価指数
21:30(加)  小売売上高
23:00(米)  住宅価格指数
23:00(米)  リッチモンド連銀製造業指数

9/23
07:45(ニ)  四半期国内総生産
17:30(英)  英中銀金融政策委員会
18:00(欧)  製造業新規受注
20:00(米)  MBA住宅ローン申請指数
27:15(米)  米連邦公開市場委員会

9/24
08:50(日)   貿易統計
13:30(日)   全産業活動指数
17:00(独)   IFO企業景況感指数
21:30(米)   新規失業保険申請件数
23:00(米)   中古住宅販売件数

9/25
07:45(ニ)   貿易収支
08:50(日)   日銀・金融政策決定会合議事要旨
17:00(欧)   マネーサプライM3
18:30(ス)   KOF景気先行指数
21:30(米)   耐久財受注
23:00(米)   新築住宅販売件数
23:00(米)   ミシガン大学消費者態度指数


さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月18日クローズ時点≫
 ドル・円   : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ベア」
 ユーロ・ドル : 「ブル」
 英ポンド・円 : 「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  : 「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル円は「ブル」
 90.10~91.70円でのレンジ内では先週から強気のスタンスは変わらず圧倒的に「ブル」優勢だった。
 先週は、強い米国経済指標に対する反応も限られ、方向感のでない展開ではあったが、今週は東京市場
 の連休やFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えて仕掛け的な動きも考えられるため、市場のムードを
 見極め柔軟に対応したい。
 
 ユーロ円は「ベア」
 一週間続伸してきたことや、週末、大型連休のポジション調整から18日はショートが優勢の「ベア」。
 ユーロは調整局面からの下落も充分考えられるが、底堅い経済指標が相次いでおり経済成長局面に
 入るとの期待感が下値をサポートしよう。

 ポンド円は「ブル」
 英金融大手ロイズ・バンキング・グループに絡んだ英金融市場への信用不安が悪材料となり再び148円台
 に入り、参加者は150円割れに反応し押し目買いが盛んになりポンドは「ブル」。
 値ごろ感からポンドのロングポジションが目立っているが、英国要人から英経済に関する悲観的な発言が
 相次いでおり、ポンドは相対的に売られやすい展開が続いている
 また、テクニカル的にもポンド円の週足はダブルトップを形成する可能性も高くなっているため、下振れリスク
 が高まっている。今週は東京市場の大型連休やFOMCが控えており、ポジショの傾けすぎずに柔軟に対応したい。

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