ギリシャ債務減免への楽観論によって上昇継続
昨日のドル円は前日に発表されたADP雇用統計の好結果を受けて膨らんだ米景気回復期待に加え、日本の1月経常収支が単月で過去最大の赤字(予想:-3,200億円、結果:-4,373億円)となった事で上昇に弾みがつきました。ギリシャPSI(民間部門の関与)の債務交換については、高い参加率からギリシャのデフォルト(債務不履行)は回避されるとの楽観的な見方が広がり、上げ幅を拡大し81.729円まで値を伸ばしました。その後、NYタイムに発表された新規失業保険申請件数が(予想:35.1万件、結果:36.2万件)予想以上の悪化となったため81.325円まで値を崩しましたが、ギリシャ債務交換について参加率が84.5%に達したとの噂等から、リスク選好の円売りが強まり反発、値を維持したまま81.594円で取引を終えました。
ユーロ円はリスク選好の円売りが優勢となり、1日を通して上げ幅を大きく拡大しました。ギリシャ政府は、75%の民間債権者が参加しなければ債務減免のための債券交換を実施しない方針でしたが、同政府高官が回答期限を目前に控え、参加率が75%を越えたと明らかにしたことが支援材料となりました。NYタイムに高値となる108.452円をマークした後も値を維持し、108.328円で取引を終えました。
≪2012年3月8日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り33% 買い67%
ユーロ・円 :「ベア」売り59% 買い41%
ユーロ・ドル :「ベア」売り65% 買い35%
英ポンド・円 :「ブル」売り48% 買い52%
豪ドル・円 :「ブル」売り33% 買い67%
NZドル・円 :「ベア」売り51% 買い49%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY マネーストックM2[前年同月比] 2月
09:30 AUD 貿易収支 1月
16:00 DEM 経常収支 1月
16:00 DEM 貿易収支 1月
16:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 2月
16:45 FRF 鉱工業生産指数[前月比] 1月
16:45 FRF 財政収支 1月
18:30 GBP 鉱工業生産指数[前月比] 1月
18:30 GBP 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)[前年同月比] 2月
21:00 CAD 失業率 2月
21:00 CAD 新規雇用者数 2月
22:30 CAD 四半期労働生産性指数[前期比] 10-12月期
22:30 CAD 貿易収支 1月
22:30 USD 非農業部門雇用者数変化[前月比] 2月
22:30 USD 失業率 2月
22:30 USD 貿易収支 1月
00:00 USD 卸売在庫[前月比] 1月
- 今日のトレードポイント-
本日はNYタイムに控えた米雇用統計が最大の注目材料となります。対円通貨は前日に大きく上昇したものの、NYタイム終盤には値動きが落ち着いてきたこともあり、指標発表前までは様子見ムードの高まりから動意に乏しい展開が予想されます。なお、指標の発表結果次第で上下どちらにも大きく値が振れる可能性があるため、ポジションが偏っている場合は注意が必要でしょう。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 80.60-82.50 ユーロ・円 106.60-109.90 ポンド・円 127.60-130.30