ギリシャ債務不安再燃によリスク回避優勢
昨日のドル円はNY市場の上向きの流れを引き継ぎ、オープン直後に高値となる81.579円をマークしましたが、上値を追う材料には乏しく伸び悩みました。東京市場は方向感に乏しかったものの、ロンドン市場に入るとギリシャ債務削減をめぐる不透明感からリスク回避の円買いが強まったため急落、一時的に値を戻す場面もありましたが、下向きの流れは変わらず、80.877円で取引を終えました。
ユーロ円はギリシャ債務不安を背景にリスク回避姿勢が強まり急落しました。ギリシャ債務削減に関し、民間銀行による債券交換期限が8日から14日に延期されるとの噂がリスク回避の引き金となり、売りが売りを呼ぶ展開に。その後、ギリシャ財務省当局者が、PSI債務交換期限の延長の噂を否定、更に一部通信社が、ギリシャPSIにおける債務交換の参加率が75-80%に達する見込みと報じたが好感され、一旦値を戻す場面も見られましたが、流れを変化させる程の材料とは受け止められず、再度下値を試す展開となりました。NYタイムには前日比2円超安い105.640円まで値を崩した後はわずかに値を戻し、106.068円で取引を終えました。
≪2012年3月6日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り25% 買い75%
ユーロ・円 :「ブル」売り44% 買い56%
ユーロ・ドル :「ベア」売り53% 買い47%
英ポンド・円 :「ブル」売り38% 買い62%
豪ドル・円 :「ブル」売り26% 買い74%
NZドル・円 :「ブル」売り37% 買い67%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 外貨準備高 2月
09:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)[前期比] 10-12月期
09:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)[前年同期比] 10-12月期
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・速報値 1月
15:45 CHF 失業率 2月
20:00 DEM 製造業新規受注[前月比] 1月
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
22:15 USD ADP雇用統計[前月比] 2月
22:30 CAD 住宅建設許可件数[前月比] 1月
22:30 USD 四半期非農業部門労働生産性・改定値[前期比] 10-12月期
05:00 USD 消費者信用残高[前月比] 1月
05:00 NZD ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利
06:45 NZD 四半期製造業売上高[前期比] 10-12月期
- 今日のトレードポイント-
米国時間にに週末の米雇用統計の前哨戦となるADP雇用統計の発表を控えているため、発表前は様子見ムードが強まりそうです。ただし、ギリシャ債務削減をめぐり、民間銀行による債券交換期限を前に市場が神経質になっていることから、ドル円・ユーロ円共に下方向への警戒は必要でしょう。なお、ユーロ円は1/16安値から2/27高値までの上昇に対して38.2%と押しとなる105円ちょうど近辺が目先の下値目標として意識される水準となりそうです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 80.00-81.80 ユーロ・円 105.00-107.90 ポンド・円 126.50-128.50