FXレポート

連休控え、引き続き円高警戒!

昨日のドル円は、白川日銀総裁が「市場レートは市場によって形成されるのが望ましい」と介入に対して否定的な見方を示したことから、90.514円付近まで下落した。しかしその後は、米長期金利の上昇を背景に買いが優勢となったことや、フィラデルフィア連銀指数が予想を大きく超え好結果となった為、一時91.619円まで値を上げ、91.112円で引けた。

ユーロ円も、白川日銀総裁の発言を受けて円高となる局面もあったが、株式市場を始め、原油先物市場を中心とした商品市況の上昇基調から、リスク資産向け投資が活発化しユーロは堅調な値動きだった。また、英小売売上高の悪化や、ブラウン英首相による「景気回復は自動的には成されない」等のコメントが嫌気され、市場はポンド売りへ向い、ユーロポンドの上昇を足がかりにユーロはもう一段上昇し終値は134.314円だった。


本日のドル円だが、好調な米経済指標の発表を受けて、円高地合いは一服したかにも見受けられる。しかし市場は民主党政権下での為替政策の変化に敏感に反応しており、主要通貨に対するドルの軟調地合いが続けば、円にまず注目が集まることになり、来週の連休を考慮すればいつ急落しても不思議はない状態といえる為、引き続き円高への警戒は必要となろう。

ポンド円は英小売売上高が、前年比+2.1%と市場予想を下回った。前月値の+0.4%も+0.2%に下方改定され、全般的には悪い結果となった。失業に伴う支出引締めが衣料品等の売上げの伸び悩みの主因となった模様。雇用統計も、引続き失業率は上昇し、失業保険申請も高水準で推移していることから、個人セクターの改善はスローペースとなり、ポンド円の地合いは厳しいと思える。引き続き7月8日安値の146.765円は意識しておきたい。

豪ドル円は商品相場上昇が継続すれば、安全通貨のドルと円が売られ、豪ドル等の資源国通貨が買われやすくなる地合いに変わりはなさそうだ。原油先物は在庫急減もあり72ドル台へ、金相場も1000ドル台と実物資産への資金シフトが鮮明になってきているのは間違いないだろう。豪ドル、NZドル、カナダドル、南アランドといった資源国通貨は中心に一段上の水準に切り上げる展開も考えられる。



    
[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   90.20-91.80
 ユーロ・円 133.60-135.20
 ポンド・円 147.80-151.00


【本日の主な経済指標】

14:00  JPY  日銀・金融政策決定会合議事要旨
14:00  JPY  景気一致指数(CI)・改定値
15:00  DEM  生産者物価指数
17:00  EUR  経常収支
17:30  GBP  マネーサプライM4速報値
21:30  CAD  卸売売上高

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月17日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ブル」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル・円は「ブル」
予想よりも強い結果となったフィラデルフィア連銀指数をみて今回も買いが圧倒的に優勢だった。
しかし、大型連休を前に日本勢のリパトリに伴う円買いが出やすい状況でもあり。引き続き神経質
な展開が続くと予想され上昇余地は限定されそうだ。91円台の後半の水準があれば、戻り売りのス
タンスも悪くないだろう。

ユーロ・円は「ブル」
リスク選好の動きが活発化し、ユーロは東京市場から買い優勢となり、参加者もトレンドに乗って
「ブル」。今後のユーロ円については、ドル安地合いの中、ドル、円に対するユーロ買いは引き続
き継続されそうなだけに135円台まで上昇余地を広げてもいいだろう。しかし、今後の新たな手がか
りは見当たらず、週末要因を考慮すればポジションの傾けすぎには注意したい。

ポンド・円は「ブル」
150円を中心に参加者の「押し目買い」と「戻り売り」が拮抗するなか、わずかに買いが優勢。
ポンドはキング英中銀総裁の準備預金金利引き下げ検討の発言がボティブローのように効いていること
から、下落トレンドが継続とみてとれる。ロングポジションで臨む場合は細心の注意が必要だろう。

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