ギリシャが財政緊縮策に合意、リスクオンの展開に
昨日のドル円は序盤、前日のNY市場の流れを引き継ぎ堅調に推移し、77.25円付近まで強含む展開になりました。欧州市場では、目立った取引材料が見当たらず積極的な取引が控えられたことから高値水準で膠着。NY市場に入ると、ギリシャ首相府から「ギリシャ党首らは緊縮策で合意」との報道が好感されたほか、米長期金利の上昇を受けて日米金利差拡大を意識した円売りも加わり77.720円まで上昇し77.673円(前日比:+0.639)で取引を終えました。
ユーロ円は、東京市場でギリシャのパパデモス首相が「ギリシャ指導者は1つの問題を除き合意」との声明を発表したことで一時売りが先行したものの、ユーロ圏緊急財務相会合で次回融資策が合意に達するとの見方から買い戻す展開になったほか、オバマ米大統領が欧州危機に関して同盟国を支援するとの見解を示したこともユーロの支援材料となり102.75円付近まで反発しました。欧米州市場では、イングランド銀行(BOE)が資産購入枠を拡大したことを背景に102.15円付近まで反落したものの、その後ギリシャ首相府が財政緊縮策に合意したことを受けて、ギリシャへの次回支援策が前進するとの思惑からユーロ買いが先行し103.185円(前日比:+1.041)まで上昇し取引を終えました。
≪2012年2月9日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り32% 買い68%
ユーロ・円 :「ベア」売り61% 買い39%
ユーロ・ドル :「ベア」売り75% 買い25%
英ポンド・円 :「ブル」売り42% 買い58%
豪ドル・円 :「ブル」売り43% 買い57%
NZドル・円 :「ベア」売り58% 買い42%
【今日の主な経済指標】
16:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 1月
16:45 FRF 鉱工業生産指数[前月比] 12月
16:45 FRF 経常収支 12月
17:15 CHF 消費者物価指数(CPI)[前月比] 1月
18:30 GBP 卸売物価指数(食品、エネルギー除くコアPPI)[前年同月比] 1月
22:30 CAD 貿易収支 12月
22:30 USD 貿易収支 12月
23:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・速報値 2月
04:00 USD 月次財政収支 1月
9日ギリシャ政府は財政の緊縮策について合意したことで、トロイカによる次回支援策への期待感もありリスクオン相場になっています。短期的には上方向を試す展開になることが想定されるものの、ギリシャの債務問題が根本的に解決していないことから強気一辺倒にはいかないと考えられそうです。また、本日のNY時間にはミシガン大学消費者態度指数やバーナンキFRB議長の発言などが控えており、リスク許容度の変化に注視しておきたいところです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 76.00-78.00 ユーロ・円 99.50-103.50 ポンド・円 119.50-123.50