FXレポート

一旦リバウンドしたものの90円台をキープできるか?

ドル円は5営業日ぶりに反発。NY時間序盤は、米中貿易摩擦の行方をにらんだ中国の米国債売りリスクから、一時は90.206円と先週金曜日の安値を下回り7カ月ぶりの円高水準まで下げ幅を広げたが、オバマ大統領の演説で「2年間続いた金融の混乱は収束しつつある」などと述べたことをきっかけにジリジリと反発し90.917円で取引を終えた。

ユーロ円は、原油先物が時間外取引で1ドル超の下落となったことなどから、131.293円まで下落した。ただNY時間終盤は現物の米国株が底堅く推移したことを受けて買いが入り、WTI原油先物相場が一時持ち直すと上昇に弾みが付き、終値は132.962円で引けた。

さて本日のドル円だが、反発後の展開が気になるところだ。前日はかろうじて90円割れを回避したものの、最近の傾向では米株価が上昇すればリスク選好のドル売り、米株価が下がればリスク回避の円買いと、株価がどちらにいっても円買いドル売りの流れになっている。さらには、国連が米ドルに代わる通貨を望むと明確に発言するなど、基軸通貨ドルの立場が揺らいでいることもありドル円の環境は一段と厳しくなっている。

また資源国通貨に関しても、株高一服と原油安を受けた「リスクオフ」の動きから、下落リスクが高まってきたとも考えられ、これまで一本調子で上昇してきた豪ドルやNZドル、カナダドルなどの下落余地は軽視できないだろう。各通貨ともロングがここ数カ月飽和状態となっており、利益も乗っていると思われることから、利益確定の売りが強まる可能性も十分にありえるため注意が必要だ。



[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   89.90-91.50
 ユーロ・円 130.50-132.80
 ポンド・円 148.80-151.00


【本日の主な経済指標】


 10:30 AUD RBA(豪準備銀)議事録
 17:30 GBP 消費者物価指数-8月
 17:30 GBP 消費者物価指数-8月(前年比)
 18:00 EUR ZEW景況感調査
 21:30 USD 小売売上高-8月
 21:30 USD 小売売上高-8月(除自動車)
 21:30 USD NY連銀製造業景気指数-9月



さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月14日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル・円は「ブル」
参加者は今回の円高がファンダメンタルズに支えられているわけではなく、一過性の動きで終わる可能性が
高いと見てか90円台を絶好の買い場とし、圧倒的にロングポジションが膨らんだ。しかし、円高は一旦走り
始めるとオーバーシュートするまで一方的に動く傾向があり、90円割れの展開も視野に入れておきたい。
 
ユーロ・円は「ブル」
ユーロは、欧州圏各国の指標が好調となる中、本日発表の9月独ZEW景況感調査が前回の56.1より改善
の60.0が市場予想となっており、底堅い動きが予想されている。参加者も依然、強気のポジションを
選択している。


ポンド・円は「ブル」
ポンド円は原油相場の続落を受けて軟調な値動き、一時149円台に入る局面に買いが集中し「ブル」が優勢。
本日は消費者物価指数、明日は雇用統計といった重要経済指標が発表され、イギリス経済の回復遅れへの懸念が
依然燻るなか、特に雇用統計が予想を下回る結果になれば、ポンド売りが加速する可能性も高いだろう。

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