欧州財政問題を背景にリスク回避色が鮮明に!!
金曜日のドル円は序盤、新規取引材料が乏しく動意の薄い展開になったことから、76.70円付近での狭い値幅でのレンジ相場になりました。欧州市場に入ると、スペイン国債の入札が好調だったことを受けて、欧州債務問題の懸念が後退したものの、動意づくには到らず小動きを継続。ただ、NY市場では米格付会社S&Pがユーロ各国の格付けを引き下げたことをきっかけにリスク回避のドル買いから一時76.998円まで上昇しました。引けにかけても、ギリシャの財政問題を背景にドル円は底堅く推移し76.934円(前日比:+0.174)で取引を終えました。
ユーロ円は、東京市場で目立った取引材料もなく手掛かり難から97.40円付近でのさえない展開になりました。欧州市場に入ると、スペイン、イタリア国債の入札期待を背景に98.80円付近まで強含んでいたものの、買いが一巡すると戻りを試す展開となり98.00円付近まで反落。NY市場では、米格付会社S&Pがユーロ各国の格付けを引き下げたほか、ギリシャの債務問題について銀行団との協議が休止発表がなされるなど、リスク回避色が鮮明となりユーロ円は97.182円まで大幅に下落しました。引けにかけて、ポジション調整目的の買いが散発的に入り持ち直したものの、前日比-0.930円となる97.505円で取引を終えました。
≪2012年1月13日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り11% 買い89%
ユーロ・円 :「ブル」売り39% 買い61%
ユーロ・ドル :「ベア」売り63% 買い37%
英ポンド・円 :「ブル」売り8% 買い92%
豪ドル・円 :「ブル」売り30% 買い70%
NZドル・円 :「ブル」売り41% 買い59%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 消費者態度指数・一般世帯 12月
16:00 DEM 卸売物価指数(WPI)[前月比] 12月
17:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 12月
- 今日のトレードポイント-
12日ECBの金融政策決定会合後のドラギ総裁の発言は様子見ムードの強い内容だっただけに、週末のユーロ各国の格下げ報道やギリシャの財政問題は信用不安が高まる結果となりました。また、ギリシャと銀行団との協議は建設的な対応が得られないという理由から一時休止となり暗礁に乗り上げていることからも、引き続きギリシャ問題が意識される展開になることが想定されるため、対ユーロは下値警戒感を強め、対ドルはリスク回避のドル買いから下値は限定的と考えられそうです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 76.00-77.50 ユーロ・円 96.00-98.50 ポンド・円 116.50-119.00