新規材料不足からレンジ取引に終始
昨日のドル円は、東京市場が祝日明けとなったものの、目立った取引材料も見当たらないことから持ち高調整に終始し76.80円前後での小動きとなりました。欧州市場では、格付け会社フィッチが「2012年度中のフランス格下げは予想しない」「ドイツのAAA格付けは安定的」などの見解を示しユーロドルでドル売り圧力が強まったものの、ドル円への影響は限定的。NY市場に入ると、欧米株式の上昇を背景にリスク選好ムードが高まったものの、安全通貨同士のドル円は蚊帳の外になり、76.80円付近で膠着し76.841円(前日比:-0.014)で取引を終えました。
ユーロ円は序盤、仲値にかけて外貨不足から98.30円付近まで強含む展開となりましたが、その後に本邦輸出勢の売りが観測され「往って来い」の展開に。欧州市場に入ると、欧州系金融機関による売り推奨の噂から97.970円まで下落したものの、格付け会社フィッチが独仏の格付けが維持されるとの見解を示したことを受けて、ユーロを買い戻す展開となり98.453円まで反発しました。ただNY市場に入り、寄り付き高値で始まったNYダウが次第に上昇幅を縮小する展開になると、ユーロ円は上値の重さから98.171円(前日比:+0.067)まで値を崩し取引を終えました。
≪2012年1月10日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り12% 買い88%
ユーロ・円 :「ブル」売り29% 買い71%
ユーロ・ドル :「ブル」売り48% 買い52%
英ポンド・円 :「ブル」売り19% 買い81%
豪ドル・円 :「ブル」売り30% 買い70%
NZドル・円 :「ブル」売り48% 買い52%
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・速報値 11月
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・速報値 11月
18:30 GBP 貿易収支 11月
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
ドル円は、独自の新規材料も乏しく動意の薄い展開が続いています。欧州債務問題を背景にリスク許容度は変化しているものの、安全通貨のドルと円は同一方向に売買されることから、現在のレンジ相場を抜け出すには力不足になっています。本日は、日本時間28:00に米地区連銀経済報告(ベー
ジュブック)の発表が控えており、6日雇用統計が強い結果だっただけに米景気の見通しについて、明るい内容になるか注目したいところです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 76.00-78.50 ユーロ・円 97.00-99.00 ポンド・円 118.00-120.00