朝鮮半島の地政学リスク高まるか!?
昨日のドル円は序盤、北朝鮮国営テレビが金正日氏の死去について報じると、地政学リスクが高まり、有事のドル買いから一時78.153円まで急騰しました。しかし、欧州市場に入ると、ドル買いの流れが一服し短期筋から利益確定の売りが出されると上値の重い展開に。NY市場では、特段目立った材料がなかったほか、海外勢がクリスマス休暇を控えてポジション調整目的の売買に終始したことから膠着相場となり、前日比+0.180円となる78.012円で取引を終えました。
ユーロ円は、東京市場で金正日氏死去との報道が伝わると、アジア諸国で有事への緊張感が高まったことを背景に、対主要通貨に対して円が大幅下落したことから、ユーロ円は一時101.621円まで急騰しました。しかし欧州勢参入後には、欧州債務問題に対する不透明感から上値が限定的になると101.45円付近まで反落し静かな取引になりました。NY市場では、ドラギECB総裁が「経済見通しへの大きな下方リスクが依然として存在している」と発言したほか、コンスタンシオECB副総裁が「3年物の資金需要に著しい需要が見られた」と発言したものの、目新しい内容ではなかったことから手掛かり材料にならず動意に乏しい展開となり101.442円(前日比:+0.002)で取引を終えました。
≪2011年12月19日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り33% 買い67%
ユーロ・円 :「ブル」売り21% 買い79%
ユーロ・ドル :「ブル」売り35% 買い65%
英ポンド・円 :「ブル」売り34% 買い66%
豪ドル・円 :「ブル」売り16% 買い84%
NZドル・円 :「ブル」売り27% 買い73%
【今日の主な経済指標】
13:30 JPY 全産業活動指数[前月比] 10月
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・改定値 10月
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・改定値 10月
16:00 DEM 生産者物価指数(PPI)[前月比] 11月
16:00 CHF 貿易収支 11月
16:00 DEM GFK消費者信頼感調査 1月
17:30 HKD 消費者物価指数(CPI)[前年比] 11月
18:00 DEM IFO企業景況感指数 12月
21:00 CAD 消費者物価指数(CPI)[前月比] 11月
21:00 CAD 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 11月
21:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア)[前月比] 11月
21:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア)[前年同月比] 11月
22:30 USD 住宅着工件数[年率換算件数] 11月
22:30 USD 住宅着工件数[前月比] 11月
22:30 USD 建設許可件数[年率換算件数] 11月
22:30 USD 建設許可件数[前月比] 11月
06:45 NZD 四半期経常収支 7-9月期
- 今日のトレードポイント-
金正日総書記が死去したことを受けて、地政学リスクが高まっているものの、正恩氏が後継者となったことで有事につながる動きがなければ、このまま沈静化するとの見方もあり、現時点では冷静に様子を見たいです。その他では、クリスマス休暇に向けて、海外勢が新規取引を手控えていることから、市場は動意に乏しい展開になることが想定されます。ただし、欧州の債務危機に関する材料が突発的に出るケースを想定して警戒を強めておきたいでしょう。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 77.00-78.50 ユーロ・円 100.50-102.50 ポンド・円 120.00-122.00