欧州各国の格下げを背景にリスク回避姿勢強まる!!
昨日のドル円は、NY時間に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見が強いなか、東京市場では本邦輸出勢から売りが観測され77.85円付近まで小幅に軟化しました。欧州市場に入ると、ロンドンフィキシングに絡んだ売りから77.70円付近まで下振れしたものの、売り一巡後は買い戻し優勢になるなど方向感の定まらない展開になりました。NY市場に入ると、注目されていたFOMCの声明は「世界経済の明らかな減速にもかかわらず、米経済は緩やかに拡大」「労働市場は全般に幾分か改善したが、失業率は依然として高い」などの見解を示したことで、対ユーロでのドル買いが他通貨に波及し、ドル円は前日比+0.095円となる77.997円まで上昇して取引を終えました。
ユーロ円は序盤、前日の欧米市場でのリスク回避の流れが一服すると、リスク回避の反動から巻き戻す展開となり102.70円付近を堅調に推移しました。欧州市場では、フィキシングに絡んだ売りから102.40円付近まで軟化する場面が見られたものの、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が実施した3カ月物証券の入札結果が順調だったことを受けて、ユーロを買い戻す展開に。しかしNY市場に入ると、格付け会社フィッチがブルガリア、チェコ、ラトビア、リトアニアの格付け見通しを「ポジティブ」から「安定的」に引き下げたほか、FOMCで追加金融緩和策が発表されなかったことに嫌気したNYダウが前日比プラスからマイナスに転落したことも重しとなり、ユーロ円は101.636円(前日比:-1.102)まで大幅下落して取引を終えました。
≪2011年12月13日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」売り33% 買い67%
ユーロ・円 :「ブル」売り15% 買い85%
ユーロ・ドル :「ブル」売り28% 買い72%
英ポンド・円 :「ブル」売り23% 買い77%
豪ドル・円 :「ブル」売り18% 買い82%
NZドル・円 :「ブル」売り18% 買い82%
【今日の主な経済指標】
13:30 JPY 鉱工業生産・確報値[前月比] 10月
17:00 ZAR 消費者物価指数(CPI)[前月比] 11月
17:00 ZAR 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 11月
17:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 11月
18:30 GBP 失業保険申請件数 11月
18:30 GBP 失業率 11月
19:00 EUR 鉱工業生産[前月比] 10月
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
22:30 CAD 景気先行指数[前月比] 11月
22:30 CAD 製造業出荷[前月比] 10月
22:30 USD 輸入物価指数[前月比] 11月
22:30 USD 輸出物価指数[前月比] 11月
今日のトレードポイント
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利は市場予想通り据え置きとなったほか、堅調な米経済を背景に労働環境の改善したことなどが示されドル買いが強まりました。ただ、米経済の見通しについては「世界の金融市場における緊張が依然著しい下振れリスクもたらす」との見解を示していることから、中長期的にはやや下値警戒しておきたいです。一方、ユーロは欧州債務危機を背景にバイアスは弱気となっており、本日も格付け会社の発表や欧米株式の値動き動向にともなう、リスク許容度の変化に注意したいでしょう。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 77.00-78.50 ユーロ・円 100.50-103.00 ポンド・円 119.00-122.00