FXレポート

米失業率の悪化がどこまで尾を引くか?

昨日、週明け月曜日は、新規材料に乏しいことと、米国とカナダの市場がレーバーデーで休場し市場参加者が限定されたことを踏まえ、様子見気分が強く取引を手控える動意薄い展開となった。

ドル円は、方向感の乏しい狭いレンジ相場が続き、高値は92.792円に留まり値動きは小幅、先週末に発表された、8月の米雇用統計は、今後の方向感を定めるにはいたらなかったようだ。同じく先週末に開催された、G20財務相会合は金融政策継続が確認され、リスク志向から豪ドルなどの高金利通貨が対ドルで上伸したものの、大きく材料視されず、次の材料待ちの市場心理の中、ドル円は安値92.792円をつけ、引けは93.065円と前日比ほぼかわらずとなった。

一方、ユーロ円は軟化を見せた。
序盤は株高を受けたリスク選好から高値133.875円をつけたが、前週末比プラスでの寄り付いた欧州株価が伸び悩んだ事などから、徐々に値を下げる展開となった。発表された独7月製造業受注は前月比+3.5%、前年比-19.8%と市場の予想を上回る結果となったものの、市場の反応は鈍く、安値132.981円をつけ、結局133.427円で取引を終えた。

本日は、米国とカナダが連休明けとなる。週明けのレンジ取引を見る限りでは、適正な為替レートが読みづらい展開であったことから活発な取引に期待したい。指標発表も、英鉱工業生産やカナダ住宅建設許可、米3年債入札も控えていることから、今週の展開を占う上でも値動きには警戒が必要だ。

住宅市況や製造業の景況感等は改善傾向を示唆しているが、失業率は遅行性があることから反映には今しばらく時間が必要だろう。問題は回復がいつになるかだが、景気が回復基調を示しても戻るのには数ヶ月は悪化を示すことも考えられる。市場は依然楽観視できない状況で今後の動向を警戒することが必要だ。


[本日の予想レンジ]

 ドル ・円   91.50- 94.50
 ユーロ・円 131.10-135.10
 ポンド・円 150.10-154.90


【本日の主な経済指標】

08:50 JPY 貿易収支
10:30 AUD NAB企業景況感指数
14:45 CHF 失業率
17:30 GBP 製造業生産高
17:30 GBP 鉱工業生産
19:00 DEM 鉱工業生産
21:30 CAD 住宅建設許可
26:00 USD 3年債入札(380億ドル)
28:00 USD 消費者信用残高


さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年9月7日クローズ時点≫
 ドル・円    : 「ブル」
 ユーロ・円  : 「ブル」
 ユーロ・ドル :  「ベア」
 英ポンド・円 :  「ブル」
 豪ドル・円  : 「ブル」
 NZドル・円  :  「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ブル」
 景気回復に大きく期待できる要素に欠けている状態。
 米国の利上げは、まだまだ先との見方も広がっていることからドル円の上値が抑えられ、
  引き続き円高基調が続きそうだ。本格的な景気回復のタイミングを見極めたい。
 
 ユーロ・円は「ブル」
 割安感から「ブル」。
 今週は材料が薄いことから、様子見の展開が予想される。
 株価などの材料が相場を牽引することも想定の範囲に入れておきたい。

 ポンド・円は「ブル」
 最近ファンダメンタルズの悪化から弱さを見せているポンドだが、本日は鉱工業生産の発表、
 明日にはBOE金利発表が控えていることなどをふまえ市場の動向を注視したい。

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