FXレポート

欧州債務危機を背景に安全通貨のドル買い優勢の展開!!

昨日のドル円は序盤、格付け会社ムーディーズが「EU首脳会議は域内格付け支援に十分ではない」との見解を示したものの、その後に「ユーロ圏の銀行の資本増強計画は格付けにプラス」との見解を示したことから強弱ミックスで手掛かりとならずドル円は77.60円付近を横ばいで推移しました。欧州市場に入ると、欧州株式やGlobexのNYダウ先物の軟調推移を受けて、投資家のリスク回避姿勢が強まり安全通貨のドル買いから77.90円付近まで上昇。NY市場でも、NYダウが大幅下落となったことや、金や原油などの商品市場も値を崩したことを受けて、資源国通貨に対してドル買い優勢となり一時77.990円の高値を付けました。しかし、心理的な節目である78円付近になると上値の重い展開となり77.902円(前日比:+0.348)まで押し戻され取引を終えました。

ユーロ円は、9日に欧州首脳会議を終えて、材料が出尽くしたこともあり、東京市場では目立った新規取引材料もなかったことから103.70円付近でのもみ合いとなりました。欧州市場に入ると、欧州株式が安寄付きで始まったことに加え、格付け会社ムーディーズが欧州首脳会談について「首脳らの発表には新しい措置はほとんど含まれず、大半はすでに発表されているものと同じ」との認識を示したことで、ユーロ各国の格下げの可能性が高まると、ユーロ円は103.15円付近まで軟化しました。また、その後のNY市場においても、格付け会社フィッチが「欧州首脳会談は欧州債務における格付け引き下げ圧力を緩和していない」との見解を示したことを受けて、一段と格下げ懸念が強まったことから、ユーロ円は102.738円(前日比:-1.042円)まで下落して取引を終えました。


≪2011年12月12日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」売り32% 買い68%
ユーロ・円  :「ブル」売り18% 買い82%
ユーロ・ドル :「ブル」売り18% 買い82%
英ポンド・円 :「ブル」売り35%  買い65%
豪ドル・円  :「ブル」売り20% 買い80%
NZドル・円  :「ブル」売り19% 買い81%

【今日の主な経済指標】
15:30 FRF 消費者物価指数(CPI)[前月比] 11月
18:30 GBP 消費者物価指数(CPI)[前月比] 11月
18:30 GBP 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 11月
18:30 GBP 小売物価指数(RPI)[前月比] 11月
18:30 GBP 小売物価指数(RPI)[前年同月比] 11月
19:00 EUR ZEW景況感調査 12月
19:00 DEM ZEW景況感調査(期待指数) 12月
22:30 USD 小売売上高[前月比] 11月
00:00 USD 企業在庫[前月比] 10月
04:15 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表


                          今日のトレードポイント

欧州各国の格付け引き下げ懸念を背景に、安全通貨のドル買いが選好しています。しかし、ボリンジャーバンドの+2σにあるレジスタンスラインが78.00円付近にあり、この水準に差し掛かると押し戻されていることから、上抜けるには力不足かもしれません。なお、本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の発表を控えており、直近の堅調な米経済指標を背景に強気な内容になるか注目したいでしょう。

[今日の予想レンジ]
ドル・円   77.00-78.50  ユーロ・円 102.00-105.00  ポンド・円 120.00-123.00

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