米債務問題!最悪のシナリオも!?
昨日のドル円は、序盤こそ78円台まで強含む場面も見られたものの、米債務上限引き上げ問題に対する懸念などから徐々に上値が重たくなる展開に。さらに東京市場中盤には与謝野財務相が大村愛知県知事の円高是正要請に対し「介入に関しては8月2日が焦点となり、米債務上限引き上げ問題を見極める」との発言を受け今月の介入警戒感が後退したことから77.70円付近まで下落した。欧州時間に移るとユーロ中心にドルが買われたことが支えとなったほか、77.50円に観測されているまとまった規模の買い注文が意識され下げ止まりを見せた。また、NY勢参加後は米新規失業保険申請件数が発表され前週比2万4000件減と好結果に。市場予想よりも良い内容となったことで雇用情勢に対する警戒感が後退し、77.90円付近まで小幅に上昇する場面も見られた。ただ、上昇には勢いがなく、逆に米連邦債務上限の引き上げ交渉に進展が見られずデフォルトへの警戒感がくすぶっていることが重しとなり、引けにかけてはじり安の地合が続き77.753円で取引を終えている。
ユーロ円は終日さえない値動きとなった。東京市場は序盤からジョイブレ独財務相が流通市場(セカンダリーマーケット)におけるEFSFのギリシャ債購入について反対の意思を表明した前日の発言が引き続き嫌気され111.50円付近まで下落した。さらに欧州勢参加後もアジア、英、独株価の下落を背景にリスクポジション解消目的で円買いが入ったほか、イタリアの国債入札が低調だったとの見方から、イタリアとドイツの10年物国債の利回りスプレッド拡大がユーロ売りを誘い一時110.840円まで下値を拡大した。NY市場でもトレモンティ・イタリア財務相が辞任するとの噂がユーロ売りを誘った上、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャは部分的にデフォルトになるとの見方を示したことで上値の重い展開が続いた。ただ、引けにかけてNYダウが持ち直したことで投資家のリスク志向が回復すると111.355円まで買い戻され取引終えている。
今日の展開
市場では米債務問題の期限となる8月2日にかけて神経質な展開が続きそうだ。民主共和両党とも独自案を曲げず進展が見られないため、米政府は債務上限が引き上げられなかった場合の対応策を本日NY市場の終了後に説明を行うとの報道があり、念のため最悪のシナリオも想定しておきたい。また、対円では当局による市場介入への期待が高まっているが、最近の野田財務相の発言を見る限り「引き続き為替市場を注視していきたい」と以前の「断固」とう言葉は見られず、現状の円高がドル安の様相を強めていることもあり、市場介入に踏み切るのは難しいとの見方が一般的だ。チャートを見ても4月8日高値からの下降トレンドラインを下方にブレイクしており、下落に拍車が掛かることも考えられ注意をしておきたい。目先の下値目途としては一昨日の安値77.575円や、ボリンジャーバンド-2σの77.25円付近となるが、明確に下値抜けた場合は一気に史上最安値である76.180円を意識せざるを得ない展開となりそうだ。
ユーロ円も引続き厳しい展開が予測される。米連邦債務上限引き上げ交渉が膠着状態のなか、ギリシャ支援策を巡り、欧州のソブリンリスクが再燃しており、NYダウを始めアジア、欧州と主要株価がそろって続落するなどリスク志向は低下している。また、不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティーインデックス(恐怖指数)は23.74へと跳ね上がり、東日本大震災後の水準へ接近、基準の20も大きく超えており、リスク資産が安全な通貨に向かいやすく、円高を想定しておく必要がありそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 77.00-78.50
ユーロ・円 110.00-113.00
ポンド・円 126.00-129.00
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 ZAR マネーサプライ
15:00 DEM 小売売上高指数
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
17:30 GBP 消費者信用残高
17:30 GBP マネーサプライM4
18:00 EUR 消費者物価指数
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 CAD 月次国内総生産
21:30 CAD 鉱工業製品価格
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 USD 四半期実質国内総生産
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
≪2011年7月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
歴史的な安値圏であることや、最終的には米債務上限引き上げ問題は合意に達するとの見方から参加者の「強気」スタンスに変化はなかった。今日の展開だが、通常ではあれば週末要因から調整目的のショートカバーが期待されるものの、本日が本邦レバレッジ規制の最終日となるため、手仕舞い売りに押される可能性があり上値が重たい展開となろうか。また、78円ミドルから上には、ボリンジャーの中心線も兼ねる25日移動平均線、一目均衡表の基準線までが位置するなど強固なレジスタンスが混在しており、テクニカル面でも上値が重そうだ。
ポンド円「ブル」
一時126円台まで下落したことでバーゲン・ハント的な買いが入り「ブル」となった。ポンドは7月英消費者信頼感指数がマイナス30と冴えない英経済指標に明るい材料がみられないが、米国債務上限引き上げ問題や、イタリア、スペインのCDSスプレッド拡大懸念などを背景にしたドル安、ユーロ安が相場を支えている。しかし、対円ではリスク回避の地合であることに加えて、テクニカル面で25日移動平均線128.30円付近がレジスタンスとして機能しており、上値の重い展開が続くかも知れない。
豪ドル円「ブル」
米債務上限引き上げ問題の停滞や、欧州ソブリンリスクの再燃によりドルやユーロを保有するリスクが意識されており、ファンダメンタルが良好な豪ドルが選好する地合いが継続され「ブル」は堅持されている。再燃した豪利上げ観測や、金をはじめとするコモディティ価格の上昇などを背景に上昇期待が高まっており、上昇余地は高そうだ。しかし、欧米先行きに対する懸念を背景にNYダウなど世界の株式市場が軟調に推移していることから、投資家心理の悪化を受けたポジション調整による下振れリスクには注意したい。
ユーロ円は終日さえない値動きとなった。東京市場は序盤からジョイブレ独財務相が流通市場(セカンダリーマーケット)におけるEFSFのギリシャ債購入について反対の意思を表明した前日の発言が引き続き嫌気され111.50円付近まで下落した。さらに欧州勢参加後もアジア、英、独株価の下落を背景にリスクポジション解消目的で円買いが入ったほか、イタリアの国債入札が低調だったとの見方から、イタリアとドイツの10年物国債の利回りスプレッド拡大がユーロ売りを誘い一時110.840円まで下値を拡大した。NY市場でもトレモンティ・イタリア財務相が辞任するとの噂がユーロ売りを誘った上、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャは部分的にデフォルトになるとの見方を示したことで上値の重い展開が続いた。ただ、引けにかけてNYダウが持ち直したことで投資家のリスク志向が回復すると111.355円まで買い戻され取引終えている。
今日の展開
市場では米債務問題の期限となる8月2日にかけて神経質な展開が続きそうだ。民主共和両党とも独自案を曲げず進展が見られないため、米政府は債務上限が引き上げられなかった場合の対応策を本日NY市場の終了後に説明を行うとの報道があり、念のため最悪のシナリオも想定しておきたい。また、対円では当局による市場介入への期待が高まっているが、最近の野田財務相の発言を見る限り「引き続き為替市場を注視していきたい」と以前の「断固」とう言葉は見られず、現状の円高がドル安の様相を強めていることもあり、市場介入に踏み切るのは難しいとの見方が一般的だ。チャートを見ても4月8日高値からの下降トレンドラインを下方にブレイクしており、下落に拍車が掛かることも考えられ注意をしておきたい。目先の下値目途としては一昨日の安値77.575円や、ボリンジャーバンド-2σの77.25円付近となるが、明確に下値抜けた場合は一気に史上最安値である76.180円を意識せざるを得ない展開となりそうだ。
ユーロ円も引続き厳しい展開が予測される。米連邦債務上限引き上げ交渉が膠着状態のなか、ギリシャ支援策を巡り、欧州のソブリンリスクが再燃しており、NYダウを始めアジア、欧州と主要株価がそろって続落するなどリスク志向は低下している。また、不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所のボラティリティーインデックス(恐怖指数)は23.74へと跳ね上がり、東日本大震災後の水準へ接近、基準の20も大きく超えており、リスク資産が安全な通貨に向かいやすく、円高を想定しておく必要がありそうだ。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 77.00-78.50
ユーロ・円 110.00-113.00
ポンド・円 126.00-129.00
【今日の主な経済指標】
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
15:00 ZAR マネーサプライ
15:00 DEM 小売売上高指数
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格
17:30 GBP 消費者信用残高
17:30 GBP マネーサプライM4
18:00 EUR 消費者物価指数
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 CAD 月次国内総生産
21:30 CAD 鉱工業製品価格
21:30 CAD 原料価格指数
21:30 USD 四半期実質国内総生産
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数
≪2011年7月28日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
歴史的な安値圏であることや、最終的には米債務上限引き上げ問題は合意に達するとの見方から参加者の「強気」スタンスに変化はなかった。今日の展開だが、通常ではあれば週末要因から調整目的のショートカバーが期待されるものの、本日が本邦レバレッジ規制の最終日となるため、手仕舞い売りに押される可能性があり上値が重たい展開となろうか。また、78円ミドルから上には、ボリンジャーの中心線も兼ねる25日移動平均線、一目均衡表の基準線までが位置するなど強固なレジスタンスが混在しており、テクニカル面でも上値が重そうだ。
ポンド円「ブル」
一時126円台まで下落したことでバーゲン・ハント的な買いが入り「ブル」となった。ポンドは7月英消費者信頼感指数がマイナス30と冴えない英経済指標に明るい材料がみられないが、米国債務上限引き上げ問題や、イタリア、スペインのCDSスプレッド拡大懸念などを背景にしたドル安、ユーロ安が相場を支えている。しかし、対円ではリスク回避の地合であることに加えて、テクニカル面で25日移動平均線128.30円付近がレジスタンスとして機能しており、上値の重い展開が続くかも知れない。
豪ドル円「ブル」
米債務上限引き上げ問題の停滞や、欧州ソブリンリスクの再燃によりドルやユーロを保有するリスクが意識されており、ファンダメンタルが良好な豪ドルが選好する地合いが継続され「ブル」は堅持されている。再燃した豪利上げ観測や、金をはじめとするコモディティ価格の上昇などを背景に上昇期待が高まっており、上昇余地は高そうだ。しかし、欧米先行きに対する懸念を背景にNYダウなど世界の株式市場が軟調に推移していることから、投資家心理の悪化を受けたポジション調整による下振れリスクには注意したい。