米国の経済成長鈍化の兆し!?米経済指標に注目!!
昨日のドル円は、東京時間に中国人民銀行の当局者が「ポルトガルの救済債を含めたユーロ圏の債券購入を拡大すべき」との発言を受けて、リスク回避姿勢の後退によるドル売りが優勢になるなか、豪四半期民間設備投資が3.4%と市場予測を上回ったことを好感し対豪ドルでのドルの下落にもつられ、ドル円は81.65円付近まで軟化した。欧州勢参入後は、日経平均の上昇や欧州株高を背景に短期筋からショートカバーが散発的に入り一時82円台まで持ち直したものの、買い一巡後は新規取引材料の不足から動意に欠ける展開となり81.80円付近で膠着状態になった。しかし、NY市場に入ると米四半期実質国内総生産(GDP)が1.8%と市場予測の2.2%を下回りドル売りが強まると81.159円まで急落した。引けにかけて、米7年債の入札の結果が公表されたものの、相場への影響は限定的になるなど買い戻しの動きは観測されず81.314円で取引を終えている。
ユーロは序盤、中国人民銀行の当局者によるユーロ支援発言にくわえ、英フィナンシャル・タイムズ紙も中国がユーロ圏の債権を購入する可能性があると報じたことが材料視されユーロ買いが優勢になると116.05円付近まで上昇した。欧州勢参入後は、中国のポルトガル救済債の購入期待を背景に、GLOBEXのNYダウ先物や欧株式が上昇すると116.380円まで上昇し一段高になった。しかしNY市場に入ると、弱い米GDPの発表を受けてNYダウ平均が下げ幅を拡大したほか、国際通貨基金(IMF)のアトキンソン報道官が「保証がなければギリシャに融資できない」と発言をすると、リスク回避の円買いユーロ売りから114.466円まで下落した。引けにかけて、ユンケル・ユーログループ議長が「EUとIMFがギリシャの新たな財政健全化措置について確信を持つことができれば、6月の融資は問題とならないだろう」との発言をうけて、ユーロに買い戻しが入ったものの、下げ幅を解消するまでに至らず前日比-0.501円となる114.978円で取引を終えた。
今日の展開
ドル円は、米商務省が発表した四半期実質国内総生産(GDP)の内訳で個人消費が2.2%と悪化したほか、週間新規失業保険週間申請件数も42万4千件と前週より増加しており、景気減速懸念の高まりからバイアスは弱気になろう。一方、円はギリシャのデフォルト懸念を含む欧州の高債務国による財政問題を背景にリスク回避の円買いが強まっているなか、円を売る材料も見当たらないため、短期的には下げ足を速めるかもしれない。また、今夜の米個人消費支出やミシガン大学消費者態度指数などが仮に市場予測を下回った場合には、米景気の減速懸念が一層高まり再び80円を割れる展開を想定しておきたい。
ユーロは、中国人民銀行のユーロ債の購入期待にサポートされているものの、国際通貨基金(IMF)のアトキンソン報道官は来月のギリシャへの融資に難色を示していることから、引き続き本日もギリシャの債務再編に注目が集まりそうだ。ギリシャはデフォルト回避に向けて、25日追加の財政緊縮策を提示したものの野党から合意を得られなかったことを受け、国民投票の実施を検討している。しかし、ギリシャ国民の80%が反対しているため、国民投票を実施しても合意する可能性が低く極めて難しい状況下にある。このまま債務再編が難航した場合には、債務不履行に陥ることも十分に想定されるため、ギリシャの債務再編に関する要人発言やニュースなどには警戒しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.50-82.50
ユーロ・円 114.00-116.00
ポンド・円 132.00-135.00
【今日の主な経済指標】
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格[前月比] 5月
17:00 EUR マネーサプライM3[前年同月比] 4月
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値) 5月
18:30 CHF KOF景気先行指数 5月
21:30 USD 個人所得[前月比] 4月
21:30 USD 個人消費支出(PCE)[前月比] 4月
21:30 USD 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)[前月比] 4月
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値 5月
23:00 USD 住宅販売保留指数[前月比] 4月
≪2011年5月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国経済の成長鈍化と軟調な指標結果を受けて景気減速懸念の高まりを背景に
リスク回避姿勢が鮮明になっているものの、参加者は値ごろ感から「ブル」を
堅持。しかし、欧州の財政問題の影響も強くリスク回避から米国債の需要が高
まっており、金利面からもドル売り圧力が徐々に高まるかもしれない。ただ、
週末要因によるポジション調整からドルが買われる展開も想定されることから、
下落局面では買い場を探したい。
ポンド円「ブル」
米GDPの悪化を受けてリスク回避型の円買いが活発化したものの、売り一巡後
は対ドルでのポンドの上昇につられ、ポンド円は下げ幅を大きく縮小した。な
お、参加者は押し目買い意欲が強く「ブル」となっている。タッカーBOE副総
裁が「政策メンバーはインフレを非常に懸念している」との発言を受けて、英
利上げ期待によりポンドはサポートされているものの、欧州のソブリンリスク
が解消していないことから慎重スタンスを維持したい。
豪ドル円「ブル」
日米欧と株高が連鎖したことを背景に投資家がリスクをとりやすいとの見方か
ら、資源国通貨の豪ドルが買われており、参加者も「ブル」を維持。しかし、
豪準備銀行理事会議事録では「洪水の影響で四半期国内総生産(GDP)が減少
する可能性が高い」との認識を示しており、来週水曜日に発表される豪GDPに
向けて積極的に買い難いことから、豪ドルの上昇余地も限定的になろうか。
ユーロは序盤、中国人民銀行の当局者によるユーロ支援発言にくわえ、英フィナンシャル・タイムズ紙も中国がユーロ圏の債権を購入する可能性があると報じたことが材料視されユーロ買いが優勢になると116.05円付近まで上昇した。欧州勢参入後は、中国のポルトガル救済債の購入期待を背景に、GLOBEXのNYダウ先物や欧株式が上昇すると116.380円まで上昇し一段高になった。しかしNY市場に入ると、弱い米GDPの発表を受けてNYダウ平均が下げ幅を拡大したほか、国際通貨基金(IMF)のアトキンソン報道官が「保証がなければギリシャに融資できない」と発言をすると、リスク回避の円買いユーロ売りから114.466円まで下落した。引けにかけて、ユンケル・ユーログループ議長が「EUとIMFがギリシャの新たな財政健全化措置について確信を持つことができれば、6月の融資は問題とならないだろう」との発言をうけて、ユーロに買い戻しが入ったものの、下げ幅を解消するまでに至らず前日比-0.501円となる114.978円で取引を終えた。
今日の展開
ドル円は、米商務省が発表した四半期実質国内総生産(GDP)の内訳で個人消費が2.2%と悪化したほか、週間新規失業保険週間申請件数も42万4千件と前週より増加しており、景気減速懸念の高まりからバイアスは弱気になろう。一方、円はギリシャのデフォルト懸念を含む欧州の高債務国による財政問題を背景にリスク回避の円買いが強まっているなか、円を売る材料も見当たらないため、短期的には下げ足を速めるかもしれない。また、今夜の米個人消費支出やミシガン大学消費者態度指数などが仮に市場予測を下回った場合には、米景気の減速懸念が一層高まり再び80円を割れる展開を想定しておきたい。
ユーロは、中国人民銀行のユーロ債の購入期待にサポートされているものの、国際通貨基金(IMF)のアトキンソン報道官は来月のギリシャへの融資に難色を示していることから、引き続き本日もギリシャの債務再編に注目が集まりそうだ。ギリシャはデフォルト回避に向けて、25日追加の財政緊縮策を提示したものの野党から合意を得られなかったことを受け、国民投票の実施を検討している。しかし、ギリシャ国民の80%が反対しているため、国民投票を実施しても合意する可能性が低く極めて難しい状況下にある。このまま債務再編が難航した場合には、債務不履行に陥ることも十分に想定されるため、ギリシャの債務再編に関する要人発言やニュースなどには警戒しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 79.50-82.50
ユーロ・円 114.00-116.00
ポンド・円 132.00-135.00
【今日の主な経済指標】
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格[前月比] 5月
17:00 EUR マネーサプライM3[前年同月比] 4月
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値) 5月
18:30 CHF KOF景気先行指数 5月
21:30 USD 個人所得[前月比] 4月
21:30 USD 個人消費支出(PCE)[前月比] 4月
21:30 USD 個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)[前月比] 4月
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値 5月
23:00 USD 住宅販売保留指数[前月比] 4月
≪2011年5月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ベア」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国経済の成長鈍化と軟調な指標結果を受けて景気減速懸念の高まりを背景に
リスク回避姿勢が鮮明になっているものの、参加者は値ごろ感から「ブル」を
堅持。しかし、欧州の財政問題の影響も強くリスク回避から米国債の需要が高
まっており、金利面からもドル売り圧力が徐々に高まるかもしれない。ただ、
週末要因によるポジション調整からドルが買われる展開も想定されることから、
下落局面では買い場を探したい。
ポンド円「ブル」
米GDPの悪化を受けてリスク回避型の円買いが活発化したものの、売り一巡後
は対ドルでのポンドの上昇につられ、ポンド円は下げ幅を大きく縮小した。な
お、参加者は押し目買い意欲が強く「ブル」となっている。タッカーBOE副総
裁が「政策メンバーはインフレを非常に懸念している」との発言を受けて、英
利上げ期待によりポンドはサポートされているものの、欧州のソブリンリスク
が解消していないことから慎重スタンスを維持したい。
豪ドル円「ブル」
日米欧と株高が連鎖したことを背景に投資家がリスクをとりやすいとの見方か
ら、資源国通貨の豪ドルが買われており、参加者も「ブル」を維持。しかし、
豪準備銀行理事会議事録では「洪水の影響で四半期国内総生産(GDP)が減少
する可能性が高い」との認識を示しており、来週水曜日に発表される豪GDPに
向けて積極的に買い難いことから、豪ドルの上昇余地も限定的になろうか。