欧州債務問題にユーロ値崩れを起こす可能性も!?
昨日のドル円は、NY原油先物やNYダウ先物が軟調推移するなか、米格付け会社ムーディーズが「ギリシャの債務不履行は同国銀行や周辺国にも影響する 」「英金融機関14社を格下げ方向で見直す」との発表を受けて、リスク回避の円買いが強まり、東京市場では81.60円付近まで下落した。欧州勢参入後には、独IFO景気動向指数の上振れを背景に欧州株高を受けてリスク選好の円売りが散見したほか、NY市場に発表された米新築住宅販売件数が32.3万件と市場予想の30.0万件を上回ったことで82.207円まで反発した。ただ、米財務省が発表した米2年債入札が好調な結果を受けて米長期利回りが低下すると日米金利差を意識した売りが観測され81.80円付近まで反落し81.920円で取引を終えた。
ユーロ円は、欧州高債務国の財政問題が意識されリスク回避の円買いが優勢になるなか、米格付け会社ムーディーズがギリシャのデフォルト懸念や英金融機関の格下げ検討などの発表を受けて、東京市場では114.70円付近まで軟化した。欧州市場に移ると、独IFO景気動向指数の強い結果となったほか、NY勢が参入すると欧州株や原油先物の上昇を手掛かりにリスク選好の動きが活発化し116.170円まで上値を伸ばした。しかしその後は、一本調子で上昇する展開にはならず、NYダウが前日比でマイナス圏へ反落していることを受けて押し戻されたほか、利益確定の売りも散発的に入り115.506円まで上昇分を削り取引を終えた。
今日の展開
ドル円は、与謝野経済財政担当相が今年度の国内総生産(GDP)伸び率が0.6%-0.7%近くまで低下するとの見通しを示し、月例経済報告も設備投資、住宅建設、企業収益の判断を下方修正するなど、日本経済の下振れ懸念が高まるなか、円は買いづらい局面と考えられる。しかし、根強い欧州債務問題懸念の信用不安を背景に安全資産の米国債が買われやすく、米長期金利の低下によるドル売りも予測でき、ドル円は82.00円を中心とした狭いレンジ内での一進一退の動きが続く可能性は否めない。テクニカル面でも未だ一目均衡表雲の中でのこう着状態が続いており、本日も雲上限の差し掛かる82.30円付近を突破できるかが本日も焦点となろう。ただ、日足を見る限りでは、チャネルシステムの高値支持帯である81.75円付近を明確に下回らないかぎりは上昇トレンドと考える事ができ、ドル高圧力が徐々に強まっている感じも見受けられる。
ユーロは本日もネガティブインパクトの影響が上値を抑える展開となろうか。まず、ギリシャ問題だが、同国政府は債務削減に向けて追加措置を打ち出す方針を明らかにしているものの、クレジット・デフォルト・スワップ市場ではギリシャ国債を保証するコストが上昇し過去最高を記録するなど、、市場関係者の間ではデフォルトは避けられないとの懸念が高まっている。 また、格付け会社大手によるイタリア・ベルギーの格下げ問題、スペイン・ポルトガルは政権交代から緊縮財政政策に対する不透明感、さらにアイスランドの火山噴火で、複数の航空会社が欠航を決めていることから欧州経済活動への影響も懸念されている。複数の爆弾を抱えたユーロが値崩れを起こす可能性は高く、戻り売りが有効となろうか。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.50-82.50
ユーロ・円 115.00-117.50
ポンド・円 131.00-134.00
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース) 4月
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査 6月
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前年同期比] 1-3月期
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 USD 耐久財受注[前月比] 4月
21:30 USD 耐久財受注・輸送用機器除く[前月比] 4月
23:00 USD 住宅価格指数[前月比] 3月
23:00 USD 四半期住宅価格指数[前期比] 1-3月期
≪2011年5月24日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米10年債利回りの上昇を背景に日米金利差拡大を意識したドル買いが観測された
ほか、強い米住宅関連指標を受けて参加者も「ブル」を維持。米景気の回復期待
が後退しているなか、米新築住宅販売件数は事前の予想では悪化するとの見方が
あったものの、一転して好結果だったことは好感できる。本日もMBA住宅ローン
申請指数や、四半期住宅価格指数など米住宅関連指標が控えており、注視したい。
ポンド円「ブル」
独経済指標の強い結果を背景に欧株高となり、リスク志向の高まりから高金利通
貨のポンドが選好され参加者も「ブル」となっている。だが、米格付け会社ムー
ディーズが「英金融機関14社を格下げ方向で見直す」との見解を示したほか、欧
州の高債務国への懸念も高まってきていることからバイアスはやや弱気となろう
か。本日は、日本時間17:30に英四半期国内総生産(GDP)の発表を控えており、
市場予測よりも弱い結果になった場合、英景気の鈍化懸念から英利上げ期待も後
退しポンド売りが強まる展開が想定されることから、下値への警戒を十分にした
い。
豪ドル円「ブル」
ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなど複数の米系金融機関が、今後は
景気減速懸念が後退し堅調な原油需要が見込まれるとの見方を示したことで、NY
原油の上昇を背景に資源国通貨の豪ドル買いが優勢になり「ブル」。しかし、中
国の金融引き締め観測も徐々に高まっているほか、ギリシャの債務再編も不透明
感が強まっていることからポジションの傾け過ぎには注意が必要か。
ユーロ円は、欧州高債務国の財政問題が意識されリスク回避の円買いが優勢になるなか、米格付け会社ムーディーズがギリシャのデフォルト懸念や英金融機関の格下げ検討などの発表を受けて、東京市場では114.70円付近まで軟化した。欧州市場に移ると、独IFO景気動向指数の強い結果となったほか、NY勢が参入すると欧州株や原油先物の上昇を手掛かりにリスク選好の動きが活発化し116.170円まで上値を伸ばした。しかしその後は、一本調子で上昇する展開にはならず、NYダウが前日比でマイナス圏へ反落していることを受けて押し戻されたほか、利益確定の売りも散発的に入り115.506円まで上昇分を削り取引を終えた。
今日の展開
ドル円は、与謝野経済財政担当相が今年度の国内総生産(GDP)伸び率が0.6%-0.7%近くまで低下するとの見通しを示し、月例経済報告も設備投資、住宅建設、企業収益の判断を下方修正するなど、日本経済の下振れ懸念が高まるなか、円は買いづらい局面と考えられる。しかし、根強い欧州債務問題懸念の信用不安を背景に安全資産の米国債が買われやすく、米長期金利の低下によるドル売りも予測でき、ドル円は82.00円を中心とした狭いレンジ内での一進一退の動きが続く可能性は否めない。テクニカル面でも未だ一目均衡表雲の中でのこう着状態が続いており、本日も雲上限の差し掛かる82.30円付近を突破できるかが本日も焦点となろう。ただ、日足を見る限りでは、チャネルシステムの高値支持帯である81.75円付近を明確に下回らないかぎりは上昇トレンドと考える事ができ、ドル高圧力が徐々に強まっている感じも見受けられる。
ユーロは本日もネガティブインパクトの影響が上値を抑える展開となろうか。まず、ギリシャ問題だが、同国政府は債務削減に向けて追加措置を打ち出す方針を明らかにしているものの、クレジット・デフォルト・スワップ市場ではギリシャ国債を保証するコストが上昇し過去最高を記録するなど、、市場関係者の間ではデフォルトは避けられないとの懸念が高まっている。 また、格付け会社大手によるイタリア・ベルギーの格下げ問題、スペイン・ポルトガルは政権交代から緊縮財政政策に対する不透明感、さらにアイスランドの火山噴火で、複数の航空会社が欠航を決めていることから欧州経済活動への影響も懸念されている。複数の爆弾を抱えたユーロが値崩れを起こす可能性は高く、戻り売りが有効となろうか。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 81.50-82.50
ユーロ・円 115.00-117.50
ポンド・円 131.00-134.00
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース) 4月
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査 6月
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前期比] 1-3月期
17:30 GBP 四半期国内総生産(GDP、改定値)[前年同期比] 1-3月期
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
21:30 USD 耐久財受注[前月比] 4月
21:30 USD 耐久財受注・輸送用機器除く[前月比] 4月
23:00 USD 住宅価格指数[前月比] 3月
23:00 USD 四半期住宅価格指数[前期比] 1-3月期
≪2011年5月24日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米10年債利回りの上昇を背景に日米金利差拡大を意識したドル買いが観測された
ほか、強い米住宅関連指標を受けて参加者も「ブル」を維持。米景気の回復期待
が後退しているなか、米新築住宅販売件数は事前の予想では悪化するとの見方が
あったものの、一転して好結果だったことは好感できる。本日もMBA住宅ローン
申請指数や、四半期住宅価格指数など米住宅関連指標が控えており、注視したい。
ポンド円「ブル」
独経済指標の強い結果を背景に欧株高となり、リスク志向の高まりから高金利通
貨のポンドが選好され参加者も「ブル」となっている。だが、米格付け会社ムー
ディーズが「英金融機関14社を格下げ方向で見直す」との見解を示したほか、欧
州の高債務国への懸念も高まってきていることからバイアスはやや弱気となろう
か。本日は、日本時間17:30に英四半期国内総生産(GDP)の発表を控えており、
市場予測よりも弱い結果になった場合、英景気の鈍化懸念から英利上げ期待も後
退しポンド売りが強まる展開が想定されることから、下値への警戒を十分にした
い。
豪ドル円「ブル」
ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーなど複数の米系金融機関が、今後は
景気減速懸念が後退し堅調な原油需要が見込まれるとの見方を示したことで、NY
原油の上昇を背景に資源国通貨の豪ドル買いが優勢になり「ブル」。しかし、中
国の金融引き締め観測も徐々に高まっているほか、ギリシャの債務再編も不透明
感が強まっていることからポジションの傾け過ぎには注意が必要か。