FXレポート

ドル独歩安継続!弱い米経済指標が追い打ち!

ドル円は、FOMCとバーナンキFRB議長の記者会見を終え、早急な金融引き締めに対して慎重な見方を示したことを受けてドル売りが強まったNY市場の流れを引き継ぎ、東京市場では81.70円付近まで軟化した。欧州勢参入後も週末に中国が利上げするのではという憶測が飛び交い、リスク選好姿勢が後退し円買いが強まると81.50円付近まで下押しした。NY市場に移っても流れは変わらず、注目された米四半期実質国内総生産が前期比年率で+1.8%となり市場予想の+2.0%を下回ったことや、米新規失業保険申請件数が予想よりも+3.4万件増の42.9万件と悪化したことを受けて米長期金利が低下すると、リスク回避の円買いが優勢になり一時81.399円まで下げ幅を拡大した。引けにかけて、米7年債入札が低調だったとの見方から米長期金利が低下幅を縮小したものの、戻りは弱く81.493円で取引を終えた。

ユーロ円は序盤、FOMC声明文やバーナンキFRB議長の発言を受けたドル売りが先行したNY市場の流れの中、ユーロは対ドルで1.4800ドルにあったバリアオプション突破を狙った仕掛け的な買いが入り、つられる形でユーロ円は121.826円まで上昇した。買い一巡後は利食い売りの動きから徐々に上値を削り、欧州市場にかけて120.80円付近まで下落したものの、この水準ではショートカバーが散発的に入り121.40円前後まで買い戻した。しかし、NY市場に入ると弱い米GDPや失業率を受けてリスク回避色が強まると下値を探る展開となり120.395円まで下落した。引けにかけてNYダウの上昇を背景にリスク選好型のユーロ買いが強まると120.773円まで値を戻し取引を終えた。

                             今日の展開
 
ガイトナー米財務長官の「強いドル」発言など、一方的なドル安に対するけん制の動きもあるが、FOMCが利上げに動くまでには相当な時間がかかるとの見方から、現段階では積極的に買い進むことは困難か。そうしたなか、昨日発表された経済指標でも米新規失業保険申請件数が42.9万件と予想外に増加し、節目と見られている40万件を再び超えてくる内容となったことで、このところ良好だった米雇用が後退してたことは来週の雇用統計に向けて足枷となろう。また、ドルインデックスが2008年7月31日以来の73割れとなり、一時72.878まで低下幅を拡大するなど連日下落がつづいており、リーマンショック以来の史上最安値である70.350も現実味を帯びていることも注視しておきたい。

ドル売り基調継続を軸に考えた場合、テクニカル的に対円は昨日の安値81.399円を狙った動きが考えられるが、このラインを明確に下抜けするようであれば、76.180円→85.518円の半値戻しとなる80.849円が次のターゲットとなろう。一方、上値は日足一目均衡転換線のさしかかる82.20円付近がターゲットとなるものの、仮に突破できたとしても、75日移動平均線が位置する82.50円付近が強固なレジスタンスとして意識されており今の状況では深追いは禁物だろう。

ユーロドルは米連邦公開市場委員会(FOMC)声で、長期に渡り異例の低金利が正当化されるとの見解が示されているほか、FRBが2011年の米経済成長予測を下方修正したこともドル売り圧力に拍車をかけている。一方、ユーロは来週木曜日のECB理事会を控え、追加利上げ期待など「出口戦略」が再び市場の関心を集めていることで欧米の金融スタンス格差が追い風となり、2009年12月以来となる大台の1.50ドルが視野に入ってきたと言えよう。また、対円も日銀の金融政策決定会合で成長率見通しを大幅に下方修正しており、追加金融緩和は避けられず金利面では引き続きユーロにアドバンテージがある上、日本の長短期国債格付け見通し引き下げも円の足枷となるため、バイアスは強気となり、年初来高値である123.315円まで上値余地がありそうだ。ただ、懸念材料としてギリシャ2年債利回りが一時25.948%まで上昇しており、市場ではギリシャの債務再編は不可避の様相を呈しているほか、ポルトガル2年債利回りも9.71%、10年債利回りも11.87%と過去最高を記録するなど欧州債務問題は潜在的なダウンサイドリスクをかかえていることは、留意しておきたい。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円   80.00-82.50
ユーロ・円 120.50-123.30
ポンド・円 135.00-137.50

【今日の主な経済指標】
15:00 ZAR  マネーサプライM3
15:00 DEM  小売売上高指数
15:45 FRF  卸売物価指数(PPI)
17:00 EUR  マネーサプライM3
18:00 EUR  消費者物価指数
18:00 EUR  消費者信頼感
18:00 EUR  失業率
18:30 CHF  KOF景気先行指数
21:00 ZAR  貿易収支
21:30 CAD  月次国内総生産(GDP
21:30 CAD  四半期国内総生産(GDP)
21:30 USD  個人消費支出
21:30 USD  個人所得
22:45 USD  シカゴ購買部協会景気指数
22:55 USD  ミシガン大学消費者態度指数

≪2011年4月28日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ベア」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
82円割れでは円売り介入の警戒感も根強く、参加者の約90%が「強気」スタンスだ。
ただ、日本の通貨当局が円売り介入に踏み切る可能性はあるが、足元の円高は介入を
正当化するほど急速かつ異常なものではないと考えられるため、過度の介入期待はで
きない。また、バーナンキFRB議長は「保有債券の償還や利金を国債に再投資するこ
とは継続する」とコメントしており、これは6月のQE2後も「出口戦略」どころではな
く、FRBは国債の買い取りを今後も続けるといった強いメッセージだと解釈すること
ができるため、市場ではまだ「ドルを売っても大丈夫だろう」との思惑が続きそうだ。
また、本日からのゴールデン・ウィークが始まるが、東京市場が休場となるため、投
機的な仕掛けに価格が大きく変動する可能性には警戒しておきたい。

ポンド円「ブル」
今週水曜に発表された英四半期国内総生産が前期比でプラスとなったことで英中銀の
利上げ期待は高まるなか、前日は持ち高を調整する動きからポンド売りが散見すると
前日比で-0.985円まで下落したため「ブル」優勢となった。英インフレ懸念が引き続
きくすぶっているなか、センタンス英中銀委員は「高いインフレが賃金や価格設定に
影響を与え始めている兆候が見られる」とタカ派の発言を繰り返しており、日英の金
融政策からみて強気タンスを継続してもいいだろう。

豪ドル円「ブル」
良好なファンダメンタルズと高い金利水準を背景に依然として参加者の買い意欲は旺
盛で「強気」スタンスに変化は見られない。前日のシカゴ・オプション市場(CBOE)
でS&P500種株価指数オプションの値動きに基づいて算出される恐怖指数14.54ポイン
トと前日の清算値から0.81ポイント低い水準で推移し、安全圏の目安となる「20以下」
を大きく下回っており、リスクを選好する流れは好感できる。また、NY金先物は史上
最高値を更新し、NY原油先物も年初来高値更新と商品高が追い風となっているほか、
日本の金融緩和長期化観測など、豪ドルは上値を拡大する展開となりそうだ。テクニ
カル的に見ても5日、25日、75日の移動平均はいずれも上向きに傾いている上、チャ
ネルシステムの高値支持帯である88.50円付近を明確に上回っており、再度年初来高
値の90.05円をトライする展開が予測される。

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