FXレポート

ドル買い一服!!FOMCまで様子見か

昨日のマーケットは、材料難の中、ドル買いの過熱感は後退を見せ、米経済の本格的な回復調子を示すより確かな手掛かりを得ようと、慎重姿勢が強まっている。また、長期休暇に入る投資家やシンガポール市場が独立記念日の振替休日で休場し市場参加者は限定的、売買は抑えられた。ドル円は、先週末の米雇用統計の流れを引き継ぎ、97.681円でオープンしたが、やや一服感が広がり東京・ロンドン時間と小動きの展開となった。NY時間に入ると利益確定売りなどから一時97円を割り込み96.900まで売られた。その後は97円を回復し結局97.191円で取引を終えた。

ユーロは、米雇用統計を受け、リスクテイクからユーロ買いが優勢1.42186ドルと高値をつけたが、利益確定目的のユーロ売りが入ると、じりじりと値を下げた。米長期金利が上昇を見せると一層下げ幅を広げユーロに対してもドルを買う動きが優勢となり、欧州市場などで主な経済指標が予定されていないことなども重石となり本日安値1.141042円まで続落、結局1.41382ドルで取引を終えた。

ポンドは、全面的に売られる展開となった。英ロイズ銀行グループ公募増資報道や、英テレグラフ紙が英経済の先行きにネガティブな見方を示したことなどを受け景気後退懸念が再燃しポンド売りが優勢となった。ポンドドルは序盤の高値1.64829ドルから、先週末安値1.66494ドルをブレイクすると、ストップロスを巻込み一時1.64293ドルまで下落、引けは1.64632ドル。ユーロポンドでも、ポンドは売られる展開をみせ、序盤の安値0.84989ポンドからじりじりと売られ高値0.85977ポンド、引け0.85859ポンドで引けた。

本日のマーケットは、予定されている重要指標の動向を探る動きを見せるだろう。米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利・声明発表(11日~12日)や、13日には7月米小売売上高、ユーロ圏の4~6月期域内総生産など、今週は重要な経済指標などを控えていることから、様子見のムードが広がっている。先週末に高騰したドルに対して一服感が広まったが、今後、果たして本格的な上昇トレンドが始まるかどうか見極めたい。

[予想レンジ]
ドル ・円   96.30~97.80
ユーロ・円 135.20~139.20
ポンド・円 156.70~161.70


【今週の主な経済指標】

15:30 JPY 白川:日銀総裁の会見
17:30 GBP  貿易収支
21:15 CAD 住宅着工件数
21:30 USD 第2四半期非農業部門労働生産性・単位労働費用
26:00 USD 3年債入札


 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年8月10日クローズ時点≫
 ドル・円     : ベア
 ユーロ・円   : ベア
 ユーロ・ドル :  ブル
 英ポンド・円 :  ブル
 豪ドル・円   : ブル
 NZドル・円   :  ブル

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル・円は「ベア」
 強い高値警戒を示しドルが一服、多くのポジションは解消している。
 しかし依然として、売り圧力は強い材料にも感応しやすい状況だ。
 当面は景気回復の材料に強く反応することが予想され、底堅い展開を見せてくれそうだ。
     
  ユーロ・円は「ベア」
 利益確定売りと米長期金利上昇などを受け売り先行。
 特別な材料はなかったが、13日にはユーロ圏の4~6月期域内総生産の発表なども控えており、
 引き続き注目したい。

 ポンド・円は「ブル」
 リセッション観測が再燃していることも下げ要因となり、対ユーロでも売られ、全面的にポンド売りとなった。
 下げに対してロングポジションもはいっているが、方向感は定まっていない。
 本日の英貿易収支が方向性を決めるか見極める必要がありそうだ。

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