FXレポート

ドル円は「動」から「静」へ

昨日のドル円は序盤、新規材料が乏しく積極的な取引は手控えられるなか、東京都が「葛飾区にある浄水場から乳児が摂取してよい水準を超える放射性物質が検出された」と発表したことを受け、日経平均株価が220円超下落したことが重しとなり小幅に軟化し80.90円付近でもみ合いとなった。欧州勢参加後も米10年物国債利回りの低下に伴い、日米金利差の縮小を意識した売りが出たほか、80.80円を下抜けて目先のストップロスを巻き込み、一時80.707円まで下押しした。NY時間では米2月新築住宅販売件数が発表され結果が5万件と市場の事前予想(29万件)を大きく下回り過去最低を記録したものの、下値では政府・日銀による円売り介入への警戒感は強く、積極的に売り込む動きは見られず引けにかけても下値は限定された。悪材料の多い一日となったが介入警戒感が下支えし80.829円で取引を終えている。前日比も-0.099円と一方的な下落には繋がらず方向感は確認できなかった。

ユーロ円だが、東京市場序盤はポルトガル議会で23日に緊縮財政策が承認されない可能性が出たことなどを受け、欧州債務不安が改めて高まるなか、アジア株を嫌気した売りが先行し114.45円まで下落した。売り一巡後は欧州中央銀行(ECB)の早期利上げ期待を支えに114.85円まで下げ渋ったが、東京都の放射性物質に関する発表をきっかけに日経平均がもう一段安となったため、戻りは限定され、概ね114.50円付近で弱含みの展開となった。欧州市場ではECBが「欧州高債務国の債券を購入している」との報道伝わり、欧州ソブリンリスクに対する警戒感が緩和したことがユーロ買いを誘い一時115円を回復する場面も見られた。しかし、その後発表されたEUサミット決議で欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の実質融資能力を4400億ユーロに引き上げる計画に関して6月末までに決定するとしたため、今回のEUサミットで詳細が決まる可能性がなくなったことを受け114円の前半まで下落した。引けにかけてもポルトガルの緊縮財政策が否決されたことで113.893円まで続落して取引を終えている。

                            本日の展開

ドル円は引続き政府・日銀による介入警戒感から下値では底堅い値動きが想定される。欧州中央銀行(ECB)のシュタルク専務理事は「一段の円売り介入は日本次第。G7は必要な支援の用意がある」と述べたほか、ユンケル・ルクセンブルク首相(ユーログループ議長)に至っては「G7、特に日本、米国、欧州の三大中銀は、行き過ぎた円の上昇傾向に対して協調して行動を取り続ける用意があるということを認識しなければならない」とかなり踏み込んだ発言をしており、投機的な売りを仕掛けにくい展開と考えられ、下落局面では押し目買いも面白そうだ。しかし、東日本大震災を受けた本邦勢リパトリや、81.50円付近では本邦輸出企業からの売り注文が観測されているほか、18日の協調介入の際にロングを形成した参加者のロングポジションが残っていることもあって、上値も相当重いと想定でき、どちらにも動けないこう着状態が続く可能性も否定できない。80円台後半を中心としたボックス相場が続いた場合はRSIを頼りに逆張りを検討したい。

ポンドは3月の英金融政策委員会(MPC)議事録が公表され政策金利は6対3、資産買い入れ枠も8対1で据え置きが決定されたことが判明した。政策金利の反対に回った3票は、前回と同じメンバーで市場予想では利上げ派が増えるのでは?との思惑が高かっただけに失望感が漂っている。しかし、先日の英消費者物価指数の上昇傾向や、石油価格急騰などを受けて、市場には依然利上げ観測が高まっており、議事録でも「近いうちにインフレ率が5%を超える見通し」と示すなど現状は未だ5月の利上げ期待感が残っていると考えられる。対円はテクニカル面でも5日移動平均線と25日移動平均線がゴールデンクロスを形成しているように地合いは強く、前日下落分-1.275円のリバウンドを狙ってみるのもいいだろう。

[今日の予想レンジ]
ドル ・円   80.00-81.50
ユーロ・円 113.00-114.50
ポンド・円 130.50-134.00

【今日の主な経済指標】
18:00 EUR  製造業購買担当者景気指数
18:00 EUR  サービス部門購買担当者景気指数
18:30 GBP  小売売上高指数
21:30 USD  耐久財受注
21:30 USD  新規失業保険申請件数
22:15 ZAR  南アフリカ準備銀行(中央銀行)政策金利

≪2011年3月23日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
政府・日銀による介入期待や、バーゲンハント的な買いが散発的に入り約85%の
参加者が「ブル」となっている。しかし、与謝野経済財政相は「地震の影響で生
産の停滞が広範囲に長期化するおそれ、留意する必要」と発言し今回の地震によ
る被害額は、停電や原発事故の影響を含まないものだけでも16兆から25兆円と想
定されており阪神大震災時を大きく上回るものと見られ、今後も株安や本邦のリ
パトリから円高が加速する可能性も否めない。このまま協調介入への警戒感が剥
落してくれば、心理的節目である80.00円を試す展開もあろうか。

ユーロ円「ブル」
ポルトガル信用不安のほか、欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の実質融資能
力を4400億ユーロに引き上げる計画に関して、今回のサミットではなく6月末ま
でに決定を行う方針と報道されて下落したものの、下値では来月の利上げ期待か
ら押し目買いが優勢となり「ブル」となった。アイルランドやポルトガルなど欧
州高債務国をめぐる不安はなかなか払拭できない上、3月期末を前に利益確定の
売りや本邦勢のリパトリのフローが入りやすい局面でもあることから一本調子に
は買い進みづらいか。

豪ドル円「ブル」
WTI原油先物など商品価格の上昇が進んだ事や、ドル・ユーロ・円などの主要通
貨が伸び悩んだことで総体的に豪ドルが買われる展開となり「ブル」は継続され
た。リビアでの内戦や多国籍軍による空爆が長期化するとの見方から、原油相場
が一段と騰勢を強める可能性もあり豪ドルを物色する動きは継続されそうだ。テ
クニカル的には日足一目均衡表の雲が控える82.50円付近が強固なレジスタンス
として意識されてはいるが、上抜け出来れば更なる上昇を期待してもよさそうだ。 

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