米長期金利上昇でドル全面高に!
昨日のドル円は、東京市場では前日の米長期金利上昇を背景としたドル買いから83円台後半まで上昇したものの、その後は目新しい材料が乏しいことから小幅な値幅での推移となった。欧州市場の時間帯に入ると、英・独株式相場の軟調な推移から欧州通貨が売られたことや、商品相場の下落を嫌気した対ドルでの豪ドル売りが進むとドル円は84円台を回復。さらに米国時間に発表された米消費者物価指数やニューヨーク連銀製造業景気指数が景気の改善傾向を示す結果となったことからドル買いに一段の弾みついた。加えて、スペインやベルギーを筆頭としたユーロ圏の信用不安の再燃、米上院が大型減税(ブッシュ減税)の延長や失業保険給付の延長を盛り込んだ法案を賛成多数で可決したことなどもドル買いを支え、84.505円まで上昇した。引けにかけて利益確定の売りに押される場面も見られたものの、84円台は維持し84.241円で取引を終えた。
ユーロ円は、序盤動意の乏しい展開となっていたが米ムーディーズがスペインの格付けを「AA1」に引き下げる方向で見直すと発表したことからユーロ売りが強まり、一時111.43円付近まで下落。ただ、急ピッチな下落に対し買い戻しが入たことで再び111円台後半まで値を戻す展開となった。その後、複数の米経済指標の改善などを受けて全般的にドルが買い戻されたことがユーロ円相場を下支えしたことから一時112.112まで上昇したものの、引けにかけては失速し、欧州の財政不安の再燃が上値を抑えたほか、米国株価が下げに転じたことも重しとなり、111.310円で取引を終えた。
本日の展開
ドル円は、米景気の回復を裏付ける経済指標とブッシュ減税延長案が上院で可決されたことで流れは上向きとなっている。減税による財政赤字の拡大を懸念して格付け機関は米国債格下げを示唆しているが、財政赤字を資本流入で埋め合わせする米経済の構造自体に変化はないため、短期的な影響は限定的と考えられる。むしろ、米金利の上昇がドル買いを促しているため本日は上値を試す展開が予想される。米国時間には新規失業保険申請件数を皮切りに複数の指標発表が予定されており、上昇トレンドを維持できるかが注目される。複数のセクターが回復傾向にあるものの、住宅セクターは依然低水準のため、予想を下回る結果となれば一旦調整局面に入る展開も想定しておきたい。下落した場合、目先の下値目標は昨日安値83.601円、下抜けた場合は83円台前半に控える一目均衡表日足雲上限が意識される水準となるだろう。
ユーロ円は、ムーディーズがスペインの格付けを引き下げ方向で見直す等、欧州信用不安が拡大しているため上値の重い展開が継続している。本日から始まるEUサミットでは、ユーロ圏諸国が財政難に陥った場合に支援する新たな制度「欧州安定メカニズム」について採択される見通しとなっているが、既に織り込み済と考えられるため影響は限定的だろう。アイルランドについてはEU・IMF支援策の承認を受けて利回りが低下しているものの、支援と引き換えに歳出削減・増税を決定している。ギリシャ支援のケースでは増税に対してデモが発生し、歳出削減によって景気の鈍化を招いているため、アイルランド問題の収束は極端なユーロ売りは回避するものの、買い材料としては力に欠けるだろう。依然としてユーロは弱含みの展開となっていることから、欧州時間に発表されるユーロ圏の指標が予想を下回った場合は、下12月10日直近安値110.48円までの下落も想定しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.60-85.40
ユーロ・円 110.20-112.50
ポンド・円 129.60-132.80
【今日の主な経済指標】
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
17:15 CHF 四半期鉱工業生産
17:30 CHF スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
18:30 GBP 小売売上高指数
19:00 EUR 消費者物価指数
22:30 CAD 対カナダ証券投資額
22:30 USD 四半期経常収支
22:30 USD 新規失業保険申請件数
22:30 USD 住宅着工件数
22:30 USD 建設許可件数
00:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数
≪2010年12月16日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米長期金利の上昇に伴うドル買いの地合いが強く「ブル」が優勢。また、14日の小売売
上高に続いて、米消費者物価指数(予想:0.1% 結果:0.1%)も安心できる結果となった
ことで、リスク回避色が払拭されつつある。加えて、前日に84円台前半にある上値抵抗
線を一時的にも上抜けたことから、引き続き堅調な地合いが期待できそうだ。
ポンド円は「ブル」
英雇用指標の結果が弱かったものの参加者は押し目買いのチャンスとみて「ブル」が優
勢。ベルギーやスペインなどにソブリン格下げリスクが飛び火しており、長引く欧州の
信用不安はユーロ同様にポンドも買いづらい状況になっている。本日発表が控えている
英小売売上高(前回:0.5% 予想:0.4%)だが、予想を下回れば129円台に向けて下げ
足を速める可能性が高そうだ。
豪ドル円は「ブル」
商品相場の下落を受けて、資源国通貨の豪ドル買いの流れも一服し82円台を示現した。
しかし、中国の利上げ観測も後退していることや米国の景気回復期待もあり、前日は豪
ドル売りに転じていた参加者も「ブル」に転換した。本日も引き続き商品相場や株式市
場の動向を伺う展開となろう。また、米長期金利が上昇を続けているが、豪金利との利
回り格差は大きく、豪ドル買い意欲は依然として強いものとみられ、安値圏では押し目
買いスタンスとしたい。
ユーロ円は、序盤動意の乏しい展開となっていたが米ムーディーズがスペインの格付けを「AA1」に引き下げる方向で見直すと発表したことからユーロ売りが強まり、一時111.43円付近まで下落。ただ、急ピッチな下落に対し買い戻しが入たことで再び111円台後半まで値を戻す展開となった。その後、複数の米経済指標の改善などを受けて全般的にドルが買い戻されたことがユーロ円相場を下支えしたことから一時112.112まで上昇したものの、引けにかけては失速し、欧州の財政不安の再燃が上値を抑えたほか、米国株価が下げに転じたことも重しとなり、111.310円で取引を終えた。
本日の展開
ドル円は、米景気の回復を裏付ける経済指標とブッシュ減税延長案が上院で可決されたことで流れは上向きとなっている。減税による財政赤字の拡大を懸念して格付け機関は米国債格下げを示唆しているが、財政赤字を資本流入で埋め合わせする米経済の構造自体に変化はないため、短期的な影響は限定的と考えられる。むしろ、米金利の上昇がドル買いを促しているため本日は上値を試す展開が予想される。米国時間には新規失業保険申請件数を皮切りに複数の指標発表が予定されており、上昇トレンドを維持できるかが注目される。複数のセクターが回復傾向にあるものの、住宅セクターは依然低水準のため、予想を下回る結果となれば一旦調整局面に入る展開も想定しておきたい。下落した場合、目先の下値目標は昨日安値83.601円、下抜けた場合は83円台前半に控える一目均衡表日足雲上限が意識される水準となるだろう。
ユーロ円は、ムーディーズがスペインの格付けを引き下げ方向で見直す等、欧州信用不安が拡大しているため上値の重い展開が継続している。本日から始まるEUサミットでは、ユーロ圏諸国が財政難に陥った場合に支援する新たな制度「欧州安定メカニズム」について採択される見通しとなっているが、既に織り込み済と考えられるため影響は限定的だろう。アイルランドについてはEU・IMF支援策の承認を受けて利回りが低下しているものの、支援と引き換えに歳出削減・増税を決定している。ギリシャ支援のケースでは増税に対してデモが発生し、歳出削減によって景気の鈍化を招いているため、アイルランド問題の収束は極端なユーロ売りは回避するものの、買い材料としては力に欠けるだろう。依然としてユーロは弱含みの展開となっていることから、欧州時間に発表されるユーロ圏の指標が予想を下回った場合は、下12月10日直近安値110.48円までの下落も想定しておきたい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.60-85.40
ユーロ・円 110.20-112.50
ポンド・円 129.60-132.80
【今日の主な経済指標】
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
17:15 CHF 四半期鉱工業生産
17:30 CHF スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
18:30 GBP 小売売上高指数
19:00 EUR 消費者物価指数
22:30 CAD 対カナダ証券投資額
22:30 USD 四半期経常収支
22:30 USD 新規失業保険申請件数
22:30 USD 住宅着工件数
22:30 USD 建設許可件数
00:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数
≪2010年12月16日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米長期金利の上昇に伴うドル買いの地合いが強く「ブル」が優勢。また、14日の小売売
上高に続いて、米消費者物価指数(予想:0.1% 結果:0.1%)も安心できる結果となった
ことで、リスク回避色が払拭されつつある。加えて、前日に84円台前半にある上値抵抗
線を一時的にも上抜けたことから、引き続き堅調な地合いが期待できそうだ。
ポンド円は「ブル」
英雇用指標の結果が弱かったものの参加者は押し目買いのチャンスとみて「ブル」が優
勢。ベルギーやスペインなどにソブリン格下げリスクが飛び火しており、長引く欧州の
信用不安はユーロ同様にポンドも買いづらい状況になっている。本日発表が控えている
英小売売上高(前回:0.5% 予想:0.4%)だが、予想を下回れば129円台に向けて下げ
足を速める可能性が高そうだ。
豪ドル円は「ブル」
商品相場の下落を受けて、資源国通貨の豪ドル買いの流れも一服し82円台を示現した。
しかし、中国の利上げ観測も後退していることや米国の景気回復期待もあり、前日は豪
ドル売りに転じていた参加者も「ブル」に転換した。本日も引き続き商品相場や株式市
場の動向を伺う展開となろう。また、米長期金利が上昇を続けているが、豪金利との利
回り格差は大きく、豪ドル買い意欲は依然として強いものとみられ、安値圏では押し目
買いスタンスとしたい。