最注目は週末の米雇用統計!しかし、北朝鮮の動向にも要警戒!!
金曜日の東京時間序盤にスティーブンスRBA(豪準備銀)総裁が豪下院の経済委員会で「現在の金融政策は適切で政策金利のさらなる引き上げを急ぐ必要性はない」と認識を示し、豪金利の利上げ期待が後退したため、ドルが対豪ドルで強含み、連れ高となった。更に、韓国・延坪島周辺で砲撃音があったと伝えられたことで北朝鮮情勢の緊迫度が増し、地政学的リスクから円売りが強まったためドル円は83.951円まで上昇した。その後、根強いユーロ圏財政問題を背景に欧州株が下落するとリスク回避志向が強まり、消去法的に円が買われ83.65円付近まで反落。しかし、28日から始まる米韓合同軍事演習で、朝鮮半島の地政学的なリスクが高まることを懸念して予め円を売る動きから再度上値試し84.181円まで上昇した。感謝祭翌日のブラックフライデーのため米株式・債券市場が短縮取引となっていることから米国時間中盤から市場は閑散とし、高値を維持したまま84.048円で取引を終えた。
ユーロは東京時間にFT(フィナンシャル・タイムズ)ドイツ版が「ユーロ圏諸国の過半数とECB(欧州中銀)、EU(欧州連合)に支援を要請するようポルトガルに求める」と報じたことが重しとなりじりじりと値を崩した。アイルランドの債務問題がポルトガル・スペイン等への波及が懸念される中、10年物スペイン国債・アイルランド国債と独国債との利回り格差がユーロ導入後最高を記録したことでユーロ売りに拍車がかかり110.555円まで下落した。その後、昨日の英要人発言を背景とした英経済の先行き不透明感からユーロ/ポンドが上昇すると、連れるかたちで111.47円付近まで値を戻した。米国時間後半は上下に値を振れながらも高値圏を維持し111.317円で取引を終えた。
今週の展開
今週は米経済指標の発表が相次ぐ中で週末3日に発表される米公式雇用統計が最重要視されている。しかし、米国と韓国の合同軍事演習が28日から12月1日まで黄海で実施される予定のため北朝鮮の動向にも警戒が必要となりそうだ。北朝鮮をけん制することが目的と見られるが、再度韓国領土への砲撃が行われ緊張感が高まった場合、地政学的リスクから円が売られ上値を試す展開となろうか。一方で、アイルランドをはじめとした欧州の財政問題を背景としたリスク資産圧縮の動きから安全資産としてドルと円双方が買われる傾向も見られるため、上昇の余地は限定的であると考えられる。また、30日のケース・シラー住宅価格指数を皮切りに注目度の高い米経済指標の発表が相次ぐため、発表毎に値が振れる展開も想定しておきたい。なお、テクニカルでは一目均衡表雲を完全に上抜けたことに加え、転換線も上向いており短期的には地合いが強いことから、好材料が出た場合は9月17日直近高値85.926円が目先の上値目標として意識されそうだ。
ユーロは、アイルランド政府が同国への金融支援についてEU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)と合意し、近日中に発表する見通しとなっているため、支援内容によっては変動要因として意識されるかもしれない。しかし、ユーロ圏で財政不安を抱えている国は数多く、ポルトガルに至っては支援を要請するよう他国から促されているとの報道もある。報道についてはポルトガル・スペイン・ドイツ・欧州委員会が否定しているものの、噂が流れるレベルの危険水域とも考えられるため警戒は怠れないだろう。テクニカルでは110円台半ばに控える一目均衡表日足雲下限、週足基準線に支えられているものの、アイルランド・スペイン・ポルトガル等の国債利回りが一段高となった場合、下値を試す展開も想定しておきたい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-86.00
ユーロ・円 106.00-113.70
ポンド・円 128.00-133.50
【今週の主な経済指標】
29日
06:45 NZD 貿易収支
08:50 JPY 小売業販売額
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
15:00 ZAR マネーサプライM3
18:30 GBP マネーサプライM4確定値
18:30 GBP 消費者信用残高
19:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
22:30 CAD 原料価格指数
22:30 CAD 鉱工業製品価格
22:30 CAD 四半期経常収支
30日
06:45 NZD 住宅建設許可件数
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 有効求人倍率
08:30 JPY 失業率
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
09:01 GBP GFK消費者信頼感調査
09:30 AUD 経常収支
09:30 AUD 住宅建設許可件数
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
16:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
17:55 DEM 失業率
17:55 DEM 失業者数
19:00 EUR 失業率
19:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
21:00 ZAR 貿易収支
22:30 CAD 四半期国内総生産(GDP)
22:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
23:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
1日
00:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
09:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)
17:30 CHF SVME購買部協会景気指数
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD チャレンジャー人員削減数
22:15 USD ADP雇用統計
22:30 USD 四半期非農業部門労働生産性・改定値
2日
00:00 USD 建設支出
00:00 USD ISM製造業景況指数
04:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
08:50 JPY 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
08:50 JPY マネタリーベース
09:30 AUD 貿易収支
09:30 AUD 小売売上高
15:45 CHF 四半期国内総生産(GDP)
17:15 CHF 実質小売売上高
19:00 EUR 卸売物価指数(PPI)
19:00 EUR 四半期域内総生産(GDP、改定値)
21:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 USD 新規失業保険申請件数
3日
00:00 USD 住宅販売保留指数
17:15 CHF 消費者物価指数(CPI)
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
19:00 EUR 小売売上高
21:00 CAD 失業率
21:00 CAD 新規雇用者数
22:30 USD 失業率
22:30 USD 非農業部門雇用者数変化
4日
00:00 USD 製造業新規受注
00:00 USD ISM非製造業景況指数(総合)
≪2010年11月26日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
テクニカル的に上昇基調にあり、上値追いに期待は膨らみ「ブル」継続となっている。
29日は主要な米指標の発表はないものの、引き続き北朝鮮問題をきっかけとしたドル
買いが強まる可能性もあるため、目先は上方向への圧力が強いかもしれない。9月17日
高値85.926円までは目ぼしいレジスタンスが見当たらないため好材料が出た場合は、
一段高となる展開を想定しておきたい。
ポンド円は「ブル」
基調は弱いながらも先週は131円近辺で下げ止まる底堅さを見せており「ブル」となっ
た。しかし、キングBOE総裁をはじめMPC委員複数名が金利・景気先行きに関して悲観
的な発言をしているため、経済指標が発言を裏付ける弱い結果となった場合、新たな
下降トレンドを形成する可能性も否定できないだろう。
豪ドル円は「ブル」
週末の急落によって割安感が強まり「ブル」の比率が増加している。しかし、スティー
ブンス豪準備銀行(RBA)総裁の発言を受けて金利先高観が後退しているため、目先はどこ
まで調整が進むかが注目される。11月12日・23日・26日はいずれも一目均衡表日足基準
線にサポートされているが、欧州問題を背景としたリスク資産圧縮の動きも見られるた
め、中期的には10月29日安値78.182円をターゲットにした下降トレンド入りとなる展開
も想定しておきたい。
ユーロは東京時間にFT(フィナンシャル・タイムズ)ドイツ版が「ユーロ圏諸国の過半数とECB(欧州中銀)、EU(欧州連合)に支援を要請するようポルトガルに求める」と報じたことが重しとなりじりじりと値を崩した。アイルランドの債務問題がポルトガル・スペイン等への波及が懸念される中、10年物スペイン国債・アイルランド国債と独国債との利回り格差がユーロ導入後最高を記録したことでユーロ売りに拍車がかかり110.555円まで下落した。その後、昨日の英要人発言を背景とした英経済の先行き不透明感からユーロ/ポンドが上昇すると、連れるかたちで111.47円付近まで値を戻した。米国時間後半は上下に値を振れながらも高値圏を維持し111.317円で取引を終えた。
今週の展開
今週は米経済指標の発表が相次ぐ中で週末3日に発表される米公式雇用統計が最重要視されている。しかし、米国と韓国の合同軍事演習が28日から12月1日まで黄海で実施される予定のため北朝鮮の動向にも警戒が必要となりそうだ。北朝鮮をけん制することが目的と見られるが、再度韓国領土への砲撃が行われ緊張感が高まった場合、地政学的リスクから円が売られ上値を試す展開となろうか。一方で、アイルランドをはじめとした欧州の財政問題を背景としたリスク資産圧縮の動きから安全資産としてドルと円双方が買われる傾向も見られるため、上昇の余地は限定的であると考えられる。また、30日のケース・シラー住宅価格指数を皮切りに注目度の高い米経済指標の発表が相次ぐため、発表毎に値が振れる展開も想定しておきたい。なお、テクニカルでは一目均衡表雲を完全に上抜けたことに加え、転換線も上向いており短期的には地合いが強いことから、好材料が出た場合は9月17日直近高値85.926円が目先の上値目標として意識されそうだ。
ユーロは、アイルランド政府が同国への金融支援についてEU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)と合意し、近日中に発表する見通しとなっているため、支援内容によっては変動要因として意識されるかもしれない。しかし、ユーロ圏で財政不安を抱えている国は数多く、ポルトガルに至っては支援を要請するよう他国から促されているとの報道もある。報道についてはポルトガル・スペイン・ドイツ・欧州委員会が否定しているものの、噂が流れるレベルの危険水域とも考えられるため警戒は怠れないだろう。テクニカルでは110円台半ばに控える一目均衡表日足雲下限、週足基準線に支えられているものの、アイルランド・スペイン・ポルトガル等の国債利回りが一段高となった場合、下値を試す展開も想定しておきたい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 82.50-86.00
ユーロ・円 106.00-113.70
ポンド・円 128.00-133.50
【今週の主な経済指標】
29日
06:45 NZD 貿易収支
08:50 JPY 小売業販売額
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額
11:00 NZD NBNZ企業信頼感
15:00 ZAR マネーサプライM3
18:30 GBP マネーサプライM4確定値
18:30 GBP 消費者信用残高
19:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
22:30 CAD 原料価格指数
22:30 CAD 鉱工業製品価格
22:30 CAD 四半期経常収支
30日
06:45 NZD 住宅建設許可件数
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出
08:30 JPY 有効求人倍率
08:30 JPY 失業率
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
09:01 GBP GFK消費者信頼感調査
09:30 AUD 経常収支
09:30 AUD 住宅建設許可件数
10:30 JPY 毎月勤労統計調査-現金給与総額
14:00 JPY 新設住宅着工戸数
16:45 FRF 卸売物価指数(PPI)
17:55 DEM 失業率
17:55 DEM 失業者数
19:00 EUR 失業率
19:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)
21:00 ZAR 貿易収支
22:30 CAD 四半期国内総生産(GDP)
22:30 CAD 月次国内総生産(GDP)
23:00 USD ケース・シラー米住宅価格指数
23:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
1日
00:00 USD 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
09:30 AUD 四半期国内総生産(GDP)
17:30 CHF SVME購買部協会景気指数
18:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:30 GBP 製造業購買担当者景気指数(PMI)
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 USD チャレンジャー人員削減数
22:15 USD ADP雇用統計
22:30 USD 四半期非農業部門労働生産性・改定値
2日
00:00 USD 建設支出
00:00 USD ISM製造業景況指数
04:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
08:50 JPY 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
08:50 JPY マネタリーベース
09:30 AUD 貿易収支
09:30 AUD 小売売上高
15:45 CHF 四半期国内総生産(GDP)
17:15 CHF 実質小売売上高
19:00 EUR 卸売物価指数(PPI)
19:00 EUR 四半期域内総生産(GDP、改定値)
21:45 EUR 欧州中央銀行(ECB)政策金利
22:30 USD 新規失業保険申請件数
3日
00:00 USD 住宅販売保留指数
17:15 CHF 消費者物価指数(CPI)
18:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)
18:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
19:00 EUR 小売売上高
21:00 CAD 失業率
21:00 CAD 新規雇用者数
22:30 USD 失業率
22:30 USD 非農業部門雇用者数変化
4日
00:00 USD 製造業新規受注
00:00 USD ISM非製造業景況指数(総合)
≪2010年11月26日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
テクニカル的に上昇基調にあり、上値追いに期待は膨らみ「ブル」継続となっている。
29日は主要な米指標の発表はないものの、引き続き北朝鮮問題をきっかけとしたドル
買いが強まる可能性もあるため、目先は上方向への圧力が強いかもしれない。9月17日
高値85.926円までは目ぼしいレジスタンスが見当たらないため好材料が出た場合は、
一段高となる展開を想定しておきたい。
ポンド円は「ブル」
基調は弱いながらも先週は131円近辺で下げ止まる底堅さを見せており「ブル」となっ
た。しかし、キングBOE総裁をはじめMPC委員複数名が金利・景気先行きに関して悲観
的な発言をしているため、経済指標が発言を裏付ける弱い結果となった場合、新たな
下降トレンドを形成する可能性も否定できないだろう。
豪ドル円は「ブル」
週末の急落によって割安感が強まり「ブル」の比率が増加している。しかし、スティー
ブンス豪準備銀行(RBA)総裁の発言を受けて金利先高観が後退しているため、目先はどこ
まで調整が進むかが注目される。11月12日・23日・26日はいずれも一目均衡表日足基準
線にサポートされているが、欧州問題を背景としたリスク資産圧縮の動きも見られるた
め、中期的には10月29日安値78.182円をターゲットにした下降トレンド入りとなる展開
も想定しておきたい。