FXレポート

ケース&シラーに注目。結果次第でドル円上値模索も

昨日のドル円は、バーナンキFRB議長が「米経済は数年以内に力強い成長を取り戻すだろう。強いドル政策を支持。」と発言したことや、米新築住宅販売件数が予想(35.5万戸)を上回る38.4万戸となったことを受けて一時95.389円まで上昇した。しかし一方で、「失業率は10%を超えるだろう。雇用が即座に回復することはないだろう」とのバーナンキFRB議長の発言を受け、雇用情勢に不安定な内容を残す結果となったことが、ドル円の上値に重くのしかかり、終値は95.20円付近となった。

ユーロ円は、寄り付きの134.822円より134.255円付近まで下落する場面があったものの、アジア株上昇の流れを引き継ぎ、欧州株やダウ先物がプラス圏で推移し、株高連鎖によるリスク許容度の回復が継続。活発な欧州通貨やハイリスク通貨を買う動きに押されて135.081円付近まで上昇する展開となった。

本日も引続き米国の住宅市況の状況を相場に折り込む展開が予想される。昨日の住宅販売件数の上昇は、ある程度値引きによる結果とも見られるため、本日発表されるケース&シラー住宅価格指数に予想(-17.90%)を下回る改善が見られれば、ドル買いに拍車がかかる可能性が高くなる。

また、プロッサー米フィラデルフィア連銀総裁が述べているように失業率の高止まりに対応すべく、政策金利を予想よりも早く引き上げる必要性について、FRBのコンセンサスが広がれば、この点からもドル買いにつながることになる可能性もある。米国債格下げのようなヘビー級のドル売り材料が飛び出さない限り、引続きドルの堅調な展開が想定される1日となる可能性が高い。




[予想レンジ]
ドル・円    94.00~96.10

ユーロ・円 134.90~136.50

ポンド・円 156.20~158.30

【今日の主な経済指標】

07:45  NZD         貿易収支

22:00  USD               ケース・シラー米住宅価格指数

22:00   USD         消費者信頼感指数

23:00   USD         リッチモンド連銀製造業指数


 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月27日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :スクエア
 英ポンド・円 :ベア
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 今週は米国で重要な指標発表が目白押しとなっており、31日(金)に発表予定の米GDPは大幅
 な改善が見込まれている。しかし増加する米財政赤字やバーナンキ議長が懸念を示す米雇用市場
 の状況など、米ドルを取り巻く環境は決し楽観視できない。
 
   
  ユーロ・円は「ブル」
 今週も引き続きリスク許容度改善の期待から参加者のユーロ買いが目立った。
 本日、ドイツ銀行の決算が予想外の悪化となればユーロが大きく売られる可能性もある。
 
 ポンド・円は「ベア」
 安全通貨の円を売り、高金利通貨やハイリスク通貨を買う動きが続いていたが、
 GDPの弱い数値や、センタンスBOE(英中銀)の「見通しによっては、国債購入を停止する可能性がる」
 とのコメントを支援材料の上昇に関しては、その反動も大きくなるとの観測から利食いの売りが
 優勢となりショートポジションが膨らんだ。
 

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