FXレポート

米国経済指標に注目。ドル買いのトレンド形成も

先週は米主要企業の好決算に加えて、株高、住宅指標が事前予想を上回る内容となったため、リスク選好型のフローに拍車が掛かり、クロス円が全面的に堅調な地合を継続した。ドル円は二週間ぶりに、一時95.294円、ユーロ円は135.651、ポンド円は157.614円まで続伸した。


今週の展開

今週は米企業業績の回復がどこまでマクロ経済に投影されているかに注目が集まる。最近の米国の経済指標は最悪期を脱した景況感を示唆しており、今週発表予定となっている住宅関連指標、消費関連指標、生産関連指標が強い結果となれば、本格的なドル買いにマーケットが傾斜する可能性が高くなる。

中でも注目されるのがケース&シラー住宅価格指数とGDPの発表であり、前者は今回のリセッションの直接的な原因の一つである住宅価格に下げ止まりの兆しが見えるようだと、米国の景況感の改善を担保するものになり重要だ。また、31日のGDPはマイナス幅の大きさが、直接ドル需要の強さになるとも言えるだろう。

こうした経済指標の発表に一喜一憂しながらも、ユーロ、円に比べて相対的に金利上昇圧力が強いドルは、しっかりした展開が想定しやすい。


[予想レンジ]
ドル ・円   93.50~97.10
ユーロ・円 133.50~137.50
ポンド・円 153.60~160.60

【今週の主な経済指標】
7/27
15:10(独)GFK消費者信頼感調査
23:00(米) 新築住宅販売件数 

7/28
07:45(ニ) 貿易収支
22:00(米) ケース・シラー米住宅価格指数
23:00(米) 消費者信頼感指数

7/29
08:50(日) 小売業販売額
08:50(日) 大型小売店
17:00(欧) マネーサプライM3
17:30(英) 消費者信用残高
17:30(英) マネーサプライM4
18:30(南ア)消費者物価指数
20:00(米) MBA住宅ローン申請指数
21:30(米) 耐久財受注

7/30
06:00(ニ) ニュージーランド準備銀行.政策金利
08:50(日) 鉱工業生産
16:55(独) 失業率
18:00(欧) 消費者信頼感
23:00(米) 新規失業保険申請件数

7/31
08:30(日) 全国消費者物価指数
08:30(日) 失業率
14:00(日) 新設住宅着工戸数
18:00(欧) 失業率
21:00(南ア) 貿易収支
21:30(米) 四半期実質国内総生産(GDP)
22:45(米) シカゴ購買部協会景気指数

 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月24日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ベア
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 米企業業績の好決算やリスク選好の動きを背景として、参加者の買いが集っている。しかしながら、
 景気回復の流れが強まるかには不確かな部分もあり、不透明さは残っている。
 また、思惑買いが先行した格好となったことで、伸び悩んだ場合には短期勢の調整売
 りが強まる可能性もあり下落リスクには警戒したい。

 
  ユーロ・円は「ブル」
 ユーロ円は強含み。週末のポジション調整で動きは限定的なものとなったが、7月ユーロ圏製造業、
 サービス業PMIや7月独IPO企業景況感指数が先行予想より強い経済指標を材料にロングポジションが優勢だった。

 ポンド・円は「ブル」
 ポンド円は、株高連鎖によるリスク志向の高まりに一時157.614円まで上昇する展開になった。
 しかし、イングランド銀行のビーン副総裁は24日、金融システムは「依然としてぜい弱」であり、
 信用は「まだ若干損なわれた状態だ」との見方を示し、ファンダメンタルでは不安が残る。


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