FXレポート

今夜午前3時15分!FOMC(連邦公開市場委員会)で政策発表!

昨日のドル円は序盤、米中間選挙やFOMC(連邦公開市場委員会)を控えてショートポジションを決済する動きが散見され、小動きのなか下値も堅く80.50円付近で推移したが、仲値の時間を前後して野田財務相が「先週末から1日朝にかけては一方向に偏った動きがあった、必要なときは断固たる措置を講ずる」と発言し、捉え方によっては前日の急騰について介入を示唆したとも受け止められたため、介入警戒感から次第に円売りが優勢となり80.75円付近まで反発した。しかし、追随する動きは限定され、80.60円付近でもみ合う展開に。欧州勢参加後には一時80.958円まで上昇する場面もあったが、その後はドル安とクロス円の上昇に挟まれて、方向感を見出しにくい状況になった。NY市場に移るとFOMC政策発表を控えて米緩和期待から米長期債利回りに低下圧力がみられたことがドル売り材料となり、引けにかけてやや値を下げ80.628円で取引を終えた。

ユーロは東京市場序盤、米追加金融緩和観測が下支え要因となる中、値頃感から押し目買いが入り、対ドルは1.3915付近へと上昇、対円も112.20円付近へと強含む展開となった。さらに豪準備銀行理事会での予想外の利上げを受けて対豪ドルでドル売り・円売りが優勢になったことが波及したほか、GLOBEXのNYダウ先物が上昇幅を拡大する展開になったこともあり、欧州市場序盤に対ドルは1.3960付近、対円も112.45円付近まで続伸した。その後も独10月PMI製造業(確報値)が56.6と、速報値の56.1から上方修正され、同じくユーロ圏10月PMI製造業(確報値)も54.6と、こちらも速報値の54.1から上方修正された事で対ドルで1.40台乗せに成功。対円も113円台を示現した。NY勢参加参加後もダウが上昇しリスク選好の流れからユーロ買いが継続され一時1.4058ドル、対円は113.476円まで上値を拡大した。買い一巡後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて様子見ムードが強まったため、値動きが細ったものの、1.40310ドル、113.124円とそれぞれ続伸して取引を終えた。

                            本日の展開

本日のドルだが、2日間にわたるFOMC(連邦公開市場委員会)が始まっており、今夜午前3時15分には政策発表が予定されている。注目は追加での資産買い入れをどの程度の規模で実施するかが大きな焦点となっており、一時2兆ドルや4兆ドルとFRBの資産を大幅に超える買い入れの噂が流れたり、WSJが数千億ドル程度に留まると報じるなど情報は錯綜しており、市場は疑心暗鬼となっている。現状のコンセンサスは米国債の買い入れ額を5,000億ドル程度として、期間6カ月のプログラムの実施を発表するとの見方が主流だが、FOMCの発表次第で今後のトレンドを左右するといっても過言ではなく、ドルにとって今夜が正念場となりそうだ。

テクニカル面でドル円は、下値を直近安値の80.239円がサポートと考えられるが、維持できずに割れれば80円のサイコロジカルや史上最安値の79.750が視野に入ってきそうだ。また、ストップを巻き込みながら大きく割り込んだ場合は日足のN波から78.40円付近までは下値を想定しておきたい。一方上値は前日跳ね返された81.00円がポイントとなり、明確に上抜けることができれば一定のストップロスが出る可能性から25日移動平均線のさしかかる81.75円付近まで反発期待ができそうだ。

ユーロは既に1ヵ月以上に渡って手がかりとされてきた米追加緩和観測への関心は高く、今夜発表されるFOMCの買い取り規模によってはユーロ買いが再燃する可能性も否めない。しかし、FRBメンバー内の意見相違や一部米指標で改善が見られることから、比較的小規模な緩和策にとどまった場合には、ドル買い戻しによりユーロが調整色を強めることも考えられよう。一方、対円も欧州の景気回復を背景に、ECBは金融危機対応の緩和策解除に向けた出口戦略を模索しているとみられることから、ユーロ自体の地合いも改善しておりバイアスは強気となろう。しかし、ドル円の下落によるつれ安リスクには注意したい。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   79.75-82.00
ユーロ・円 111.00-114.50
ポンド・円 127.80-132.50

【今日の主な経済指標】

17:15 CHF  実質小売売上高
18:30 GBP  サービス部門購買担当者景気指数(PMI)
20:00 USD  MBA住宅ローン申請指数
20:30 USD  チャレンジャー人員削減数
21:15 USD  ADP雇用統計
23:00 USD  ISM非製造業景況指数
23:00 USD  製造業新規受注
03:15 USD  米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表

≪2010年11月2日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ベア」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
米量的緩和の規模など具体的な内容に注目が集まるFOMC を控えて神経質な地合い
となる中、約7割の参加者が「強気」スタンスを崩していない。前日、海江田経済
財政担当相が「FOMCの決定次第では日銀が政策を独自に考えることもある」と発
言。FOMCの追加金融緩和観測は強いものの、日銀も今週木・金曜日の金融政策決
定会合を前倒しし、何らかの対抗策を打ち出す可能性もあり、ドル売り一辺倒の
展開も予想しづらい。また、史上最安値の79.750円が射程圏内に入っており、い
つ政府・日銀の円売り介入が入ってもおかしくないと考えられ、気の抜けない一
日となりそうだ。

ポンド円は「ブル」
米中間選挙やFOMCでの政策発表を控えて、全般的には様子見ムードが広がったも
のの、豪準備銀行理事会で予想外の豪利上げや欧州株堅調を受けたリスク選好の
流れに「ブル」となった。日米の実質ゼロ金利の長期化観測や追加金融緩和期待
を背景に、目先的にはドルと円が売られやすい地合いとみる。また、英国の景気
指標がこのところ堅調な結果が続いており、ポンド自体の地合いも改善しつつあ
るといえよう。テクニカル的には25日移動平均線に位置する129.80円付近を明確
に上抜けた場合は、上昇トレンド再開の可能性も考えられる。

豪ドル円は「ブル」
注目された豪準備銀行理事会では予想に反して政策金利を0.25%引き上げ4.75%
にすることを決定。これを受けて豪ドル買いが活発化し、対ドルでは再びパリテ
ィ(等価水準)に到達した。市場では引き続き豪中銀の予想外の利上げが材料視
され、スティーブンス総裁は声明で、インフレ加速の可能性を指摘するなど追加
利上げに含みを残している。次回の豪金利発表は12月7日だが、気の早い参加者は
12月の連続利上げを織り込んでおり当分は「ブル」が続きそうな勢いだ。

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