FXレポート

ドル買い続かず!ポジション調整後は売り優勢!?

昨日のドル円は、東京時間は材料難となり動意に乏しい展開。日銀金融政策決定会合においては政策金利据え置きを決定した他、10月5日の会合で決定された基金創設による資産買い入れの詳細が明らかになったが、内容は既に織り込み済みとして反応は限定的となった。また、ETF・REITの買い入れを早期に開始するため次回の会合を11月4・5日に前倒しするとこも発表された。欧州時間に入ると、米長期金利の低下に伴いドル売りが次第に強まるとじりじりと値を崩す展開に。その後、米新規失業保険申請件数(予想:45.5万件、結果:43.4万件)が発表されたが、流れは変わらず80.864円まで下落、その後も81円近辺で揉み合いながら80.998円で取引を終えた。

豪ドル円は、一昨日発表された豪消費者物価指数の弱い結果が引き続き重しとなり、80円手前で上値を抑えられ弱地合が継続した。米国時間に入るとIMF(国際通貨基金)が「豪ドルの過大評価は一時的なものである可能性」「豪ドルは5%~15%過大評価されている模様」との見方を示した。9月にも同様の評価を示しているが、今回は5%~15%と具体的な数値を示したことが圧迫材料となっている模様。前日までのドル買いの流れが一服、対ドル価格が上昇したことが下支え材料となり安値は79.038円と、大きな下落とはなっていないものの反発する兆しは見せないまま79.276円で取引を終えた。

                            本日の展開

本日のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週に控えていることもありポジションを大きく傾けにくい局面にきている。積み上がったドル売りポジションの調整買いも一服し、改めてドル売りが優勢となっていることから地合いの弱さがうかがえるが、10月25日安値80.411円から10月27日高値81.98円までの上昇に対する61.8%押し(81.01円)も完了していることから、心理的には上下どちらにも動きづらい値位置となっているように考えられる。本日は米国時間に第3四半期GDP、シカゴ購買部協会景気指数、ミシガン大学消費者態度指数と複数の注目指標を控えているが、予想と大きく乖離した結果とならない限りは影響は限定的となろうか。ただし、最近の傾向では好材料への反応よりも悪材料への反応が大きいことから下値方向への警戒は必要だろう。

ユーロ円は、下降トレンド内ではあるものの前日安値近辺で下げ止まり底堅い動きを見せている。対ドル価格の上昇によって下値は支えられているが、ポルトガルでの財政赤字削減策をめぐり、政府と主要野党・社会民主党の協議が決裂した。ソクラテス首相は、予算案が承認されなければ辞任する用意があることを示唆。閣僚らは、ポルトガルがギリシャと同様に金融支援の要請に追い込まれると警告していることから、ポルトガルの動向に注意が必要となるだろう。また、ポルトガルをはじめギリシャ・アイルランドの国債利回りが上昇しつつあるため、再度PIIGS諸国のソブリンリスクが再燃した場合、新たな下降トレンドが発生する可能性も否定できないだろう。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   80.40-81.80
ユーロ・円 111.50-113.50
ポンド・円 127.50-130.70

【今日の主な経済指標】
06:45 NZD 住宅建設許可件数[前月比]
06:45 NZD 貿易収支
08:01 GBP GFK消費者信頼感調査
08:30 JPY 全世帯家計調査・消費支出[前年同月比]
08:30 JPY 失業率
08:30 JPY 有効求人倍率
08:30 JPY 東京都区部消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)[前年同月比]
08:30 JPY 全国消費者物価指数(CPI)[前年同月比]
08:30 JPY 全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)[前年同月比]
08:50 JPY 鉱工業生産・速報値[前月比]
14:00 JPY 新設住宅着工戸数[前年同月比]
15:00 ZAR マネーサプライM3[前年同月比]
15:00 DEM 小売売上高指数[前月比]
15:00 DEM 小売売上高指数[前年同月比]
17:30 GBP 消費者信用残高
17:30 GBP マネーサプライM4確定値[前月比]
17:30 GBP マネーサプライM4確定値[前年同月比]
18:00 EUR 失業率
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、速報値)[前年同月比]
18:30 CHF KOF景気先行指数
19:00 JPY 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)
21:00 ZAR 貿易収支
21:30 CAD 鉱工業製品価格[前月比]
21:30 CAD 原料価格指数[前月比]
21:30 CAD 月次国内総生産(GDP)[前月比]
21:30 USD 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)[前期比年率]
22:45 USD シカゴ購買部協会景気指数
22:55 USD ミシガン大学消費者態度指数・確報値  

≪2010年10月28日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
下落によって割安感が強まり「ブル」の比率が高まっている。10月25日直近安値
80.411円に近付いていることから反発期待が高まっているが、ドル売り優勢の流
れとなっているため、下値試しとなった場合は歴史的安値更新となる展開も想定
しておく必要があるだろう。

ユーロ円は「ブル」
日足終値ベースでは30銭程度の上昇だが「ブル」の割合は大きく減少し、スクウ
ェアに近づいている。ドルの下落に辛うじて支えられる格好となっているが、本
日発表される独小売売上高指数、ユーロ圏消費者物価指数の結果が予想を下回っ
た場合、下値を試す展開も想定しておく必要があるだろう。下落した場合は10月
20日直近安値111.556円が意識される水準と考えられる。

ポンド円
買い意欲は根強く「ブル」は継続している。昨日発表された英ネーションワイド
住宅価格が予想を下回り値を崩す場面もあったが、すぐさま反発している。26日
に発表された英GDPが好結果となって以降、地合いは強く、本日発表のマネーサ
プライ、消費者信用残高の結果が注目される。下降トレンドのレジスタンス近辺
で燻っているが、日足ベースで明確に上抜けることが出来れば新たなトレンド発
生となるかもしれない。

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