FXレポート

久しぶりの連騰!心理的節目82円をブレイクなるか!?



昨日のドル円は、前日の米国時間からの上向いた流れの中で、東京時間序盤に米WSJ(ウォールストリートジャーナル)による「米連邦準備理事会(FRB)、11月に数千億ドル規模の国債買い入れ計画を発表する公算」との報道を受けて一段高となり81.98円まで上昇した。市場では5,000億ドルから2兆ドルといった大規模な介入を想定し、ドル売りポジションを積み上げてきたためドルが買い戻される格好となった。その後は米10年債利回りの上昇が一服したことや、上値の重さが嫌気されて値を削り81.443円まで下落。米国時間に発表された耐久財受注(予想:2.0%、結果:3.3%)、新築住宅販売件数[(前月比)予想:4.2%、結果:6.6%]と予想を上回る結果となったことが支援材料となり底堅く推移し81.756円で取引を終えた。

ユーロ円は、財政再建中のポルトガルにおいて、予算案に関して政府が野党の合意を得られなかったとの報道や、カウエン・アイルランド首相が同国の見通しに関し悲観的な見解を示す等ネガティブな材料が相次ぎ、売りが強まった。ドルの買い戻しと相まってユーロ/米ドルが一本調子で下落したことも重しとなり、112.216円まで下落。その後は短時間で1.5円強のスピード調整となったことから買い戻しが入り、112.557円まで値を戻して取引を終えた。

                     本日の展開

ドル円は、11月初旬に開催されるFOMCでの追加金融緩和策を巡った思惑が交錯しているが、短期的にはショートカバー主導の流れが継続しているため、どこまで値を伸ばすかが注目される。大規模な金融緩和策が見込まれ、米金利が低下していたことが中期的なドル売りの背景となっていたが、ここにきて金利が上昇しているため、ドルの買い戻しが優勢となっている。金融緩和といった方向性は同じでも緩和の度合いによって市場の受け止め方は異なるため、会合までは思惑的な動きが続くことも考えられる。また、大規模な金融緩和を想定しドル売りポジションに傾きすぎているとの見方もあるため、短期的には心理的節目の82円を明確に上抜け出来るかどうかが注目となるだろう。

豪ドル円は昨日発表された第3四半期消費者物価指数が事前予想を下回り(結果:2.8%)インフレ目標の範囲内に収まったことから、11月会合での利上げ期待が後退し値を崩している。先週、スティーブンスRBA総裁のタカ派発言から金利先高感が強まっていただけに短期的には調整局面に入るかもしれない。日足ベースでは一目均衡表基準線、転換線を完全に下抜け、地合いも弱くなっていると思われることから10月20日直近安値78.691円近辺までの調整があるかもしれない。また、同水準を下抜けた場合は週足転換線78.16円を意識した展開も想定しておく必要がありそうだ。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   80.50-82.40
ユーロ・円 111.50-113.50
ポンド・円 127.00-130.20

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 大型小売店(既存店)販売額[前年同月比]
08:50 JPY 小売業販売額[前年同月比]
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)[前週分]
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)[前週分]
15:00 GBP ネーションワイド住宅価格[前月比]
15:45 FRF 卸売物価指数(PPI)[前月比]
16:55 DEM 失業者数[前月比]
16:55 DEM 失業率
18:00 EUR 消費者信頼感(確定値)
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前月比]
18:30 ZAR 卸売物価指数(PPI)[前年同月比]
21:30 USD 新規失業保険申請件数

≪2010年10月28日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
「ブル」継続となっているが、価格の上昇と共に割合は減少している。上昇期待は
あるものの、心理的節目となる82円近辺での頭の重たさがネックとなっているのか
もしれない。また、金融緩和について、結果が出ないことには極端なポジションは
とりづらくなっているように思える。目先はFOMCを前にしたポジション調整によっ
てどの価格水準で落ち着くかが注目となるだろう。

ユーロ円は「ブル」
ファンダメンタルズで悪材料が出てきているが「ブル」は継続している。ドルの買
い戻しによって円買い圧力が弱まっていることから下げ幅は小さいものの、トレン
ドは下向きのため警戒は必要だろう。本日は欧州時間に独失業率の発表も控えてお
り、予想を下回り売り圧力が強まった場合は10月20日直近安値111.556円までの下
落も想定しておく必要があるかもしれない。

ポンド円は「ブル」
前日と値位置は変わらず「ブル」継続となった。昨日は下降トレンドのレジスタン
ス突破を試したものの、頭を抑えられ日足ベースでは短い上髭となった。上抜け失
敗とはいえ、下値は一目均衡表日足転換線で支えらえていることから、再度ブレイ
クを試す展開となるかもしれない。

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