FXレポート

ドル円短期、上値模索。ただし、息切れに注意

昨日のドル円は、モルガンスタンレーなど米国の一部企業の決算発表の悪化により、21日につけた直近安値93.293円をブレイクして93.086円まで下落した。その後、好調な住宅価格指数の発表を受けて93.874まで上昇後、93.547で取引を終えた。バーナンキ発言から米国のファンダメンタルズの底打ち期待が強くなっているが、同時に、雇用には懸念材料が残っており、いわゆる「雇用なき景気回復」局面に進む可能性が強くなっている。雇用が拡大しなければ、消費に火がつかず、景気回復局面も息切れが懸念される。こうした状況を反映するように、ドル円は91円台割れを回避したものの、95円を目前に戻りも鈍い状況が続いている。

目先は住宅市況の好転など好材料を折り込むため、マーケットはショートカバーを伴って、上値を模索する可能性が高い。ただし、上述のとおり、雇用情勢は悪く、金利上昇にも繋がらないようであるとドルは再度、売り込まれる可能性も高く、95近辺をターゲットにショートポジションをとる戦略も有意義であろう。

一方でユーロドルは1.43レベルが強いレジスタンスとして機能している状況となっており、このレベルがクリアされるかが注目される。ここにきて、ユーロ圏のファンダメンタルズの悪化は、予想を上回る状況ともいえ、ユーロに金融緩和圧力が強まる状況が近々に巻き起こる可能性は高い。こうなると、少なくとも景況感の改善の兆しが見えてきた米国に対して、ユーロの弱さがクローズアップされることにも繋がり、ユーロドルは1.40割れを視野に入れることも必要となる。

本日は、米国の新規失業保険申請件数、中古住宅販売件数が発表されるが、95円が見えるレベルまでマーケットが上昇していれば、一転、売り圧力に押される可能性に注意が必要となる。

[予想レンジ]

ドル・円    92.70~94.90
ユーロ・円 132.00~134.60
ポンド・円 152.10~157.10


【今日の主な経済指標】

08:50     JPY     貿易統計
17:00     EUR     経常収支    
17:30     GBP     小売売上高指数
21:30     USD     新規失業保険申請件数
23:00     USD     中古住宅販売件数


 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月21日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ベア
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 米国は住宅関連指標が回復の兆しをみせていることなどから「ブル」。
 米大手企業の決算発表が相次いでおり、また本日注目のCITグループの決算発表がある。 
 決算や指標発表が為替に与える影響について注視する必要がありそうだ。

 ユーロ・円は「ブル」
 円が売られる動きを見せたため、ロングポジションが入り引き続き「ブル」。
 しかし上値が限定的で、下落余地が大きいことが見込まれる。
 逆に下抜けた場合には注意が必要だ。
 
 ポンド・円は「ブル」
 金利据え置きが好感されて「ブル」。
 比較的売り材料の少ないポンドだが小売売上高指数などの注目度の高い指標発表が控えていることから、
 内容次第では堅調な市場に冷や水を浴びせかねないリスクも忘れてはならない。

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