介入を巡る思惑に神経質な地合いか!?
金曜日のドル円は、不調な結果となった米30年債の入札などを受けた米国債利回りの上昇を背景に、ドルのショートカバーが優勢となったNY市場の流れを引き継ぎ、東京市場序盤には81.60円付近へと上昇した。しかし、本邦輸出筋のドル売りから81.40円付近へと反落すると、欧州勢参入後には対ドルでの人民元相場が切り上げ後の最高値を更新する展開となり、81.15円付近までじり安となった。NY時間ではバーナンキFRB議長が「FOMCは必要になれば行動することができる」「最大限の雇用と物価安定へ向けた措置をとる決意」などと発言したことから、追加金融緩和観測がより一層先行する展開となり一時80.875円まで下値を拡大。その後は、米小売売上高や消費者物価、NY連銀製造業景気指数など複数の経済指標が強い結果となった事で切り返す動きとなり、81.50円付近まで上昇した。引けにかけては週末のポジション調整以外に目立った値動きはなく81.452円で取引を終えた。
ユーロ円は利益確定の売りが強まったNY市場の流れが東京市場にも引き継がれる中、仲値以降に本邦実需筋の売りが持ち込まれたこともあり、東京市場には114.15円付近まで下値を探る展開になった。しかし、欧州市場には中国共産党全体会議で議論する予定となっている5ヵ年計画において、内需拡大の方針が示されるとの期待から上海総合が大幅高となるとユーロ円の下落は一服して114.50円付近まで持ち直した。しかし、NY市場ではダウ平均の失速を受けリスクポジション解消目的の円買い・ユーロ売りが入ったほか、対ドルやポンドでユーロ売りが強まった影響から114円台を割れて113.545円まで下落。113.840円で引けた。
今週の展開
ドル円は15年ぶりの安値を連日更新しているにも関わらず政府・日銀の円売り介入は実施されず、今週の22-23日に韓国で開催されるG20で日本が明確に円高阻止の姿勢を示す事が出来なければ、日本は市場介入に踏み切れないとの思惑から史上最安値となる79.750円を試す展開も予測されよう。また、先週好結果となった米インターネット検索大手グーグルの決算に続き、今週も18日シティ・グループ、19日バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、20日モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴ、22日アメリカン・エキスプレス等が7-9月期の決算発表が予定されている。堅調なNY株価値動きに伴う米国債利回り動向や、リスク許容度の変化にも注視したい。
ユーロは今週19日にユーロ圏の10月ZEW景況指数、22日に独IFO企業景況感指数が発表され、指標結果次第では動きがあると思われるが「出口戦略」へと向かう欧州と「追加金融緩和」に踏み切る米国ではファンダメンタルに温度差があり、ユーロの堅調地合いは継続するのではないかと思われる。テクニカル的にはフィボナッチで1.5145ドル→1.1876ドルの76.4%戻しの1.4374ドルが直近の上値のターゲットと考えられる。対円も日欧の金利面からユーロは買われやすい地合いの上、NYダウが追加金融緩和観測や好調な米企業決算発表を背景に高値を更新すれば、リスク選好の流れから底堅い展開が予想される。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 79.00-85.00
ユーロ・円 108.00-115.00
ポンド・円 127.00-139.00
【今日の主な経済指標】
18日 06:45 NZD 四半期消費者物価
18日 08:50 JPY 第三次産業活動指数
18日 21:30 CAD 対カナダ証券投資額
18日 22:00 USD 対米証券投資
18日 22:15 USD 設備稼働率
18日 22:15 USD 鉱工業生産
18日 23:00 USD NAHB住宅市場指数
19日 09:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
19日 17:00 EUR 経常収支
19日 18:00 EUR ZEW景況感調査
19日 18:00 EUR 建設支出
19日 18:00 DEM ZEW景況感調査
19日 21:30 USD 建設許可件数
19日 21:30 USD 住宅着工件数
19日 22:00 CAD カナダ銀行 政策金利
20日 14:00 JPY 景気一致指数
20日 14:00 JPY 景気先行指数
20日 15:00 DEM 生産者物価指数
20日 17:30 GBP マネーサプライM4速報値
20日 17:30 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
20日 20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
20日 21:30 CAD 卸売売上高
21日 03:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
21日 08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
21日 13:30 JPY 全産業活動指数
21日 15:15 CHF 貿易収支
21日 15:45 FRF 企業景況感指数
21日 17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
21日 17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数
21日 17:30 GBP 小売売上高指数
21日 17:30 HKD 消費者物価指数
21日 21:30 USD 新規失業保険申請件数
21日 21:30 CAD 景気先行指数
21日 23:00 USD 景気先行指標
21日 23:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21日 23:00 EUR 消費者信頼感
22日 17:00 DEM IFO企業景況感指数
22日 20:00 CAD 消費者物価指数
22日 21:30 CAD 小売売上高
≪2010年10月15日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
安値を日々更新しており、バーゲン・ハント的な買いが継続し「ブル」。ドル安地合いが
続く中、仮に80円割れを試すような急激な円高となった場合、政府・日銀の為替介入が入
る可能性もあることから、今後のドル売りは慎重にならざるを得ないだろう。また、FRB
の米国債買い入れが予想より小規模になるとの見方や、より短い年限となる可能性も浮上
しており、米追加金融緩和観測を背景としたショート・ポジションの巻き戻しも気になる
ところだ。テクニカル面では介入後の下落局面で上値抵抗として機能し続けている5日間
移動平均線が81.70円付近に差し掛かっており、この水準を明確に上値けることが出来る
かが焦点となるだろう。
ポンド円は「ブル」
方向感のでない一日に参加者のポジションも拮抗していたが、引けにかけ5日移動平均の
短期的なサポートライン130.10円付近まで下落した為、押し目買いが散見して「ブル」優
勢となった。オズボーン英財務相は、米国同様、追加緩和策に賛成の意向を示しており、
BOE(英中銀)による量的緩和拡大の思惑が強まる可能性も否定できず、今週20日の英財
務省による財政健全策修正案の内容次第ではポンド売りとなることも考えられる為、注意
しておきたい。
豪ドル円は「ブル」
豪ドル/ドルは一時1.0005ドルまで上昇、1983年12月に変動相場制に移行して以来始めて
等価(パリティ)になるなど豪ドルの堅調な値動きに支持され「ブル」は継続。今週19日
に10月豪準備銀行理事会の議事録が公表される予定で、先週の豪雇用統計が市場予想を大
幅に上回った事で、年内の利上げ期待が再び高まっており、押し目での買い意欲は引続き
強いとみる。ただし、金や原油のオーバーシュートによる揺り戻しには注意が必要となろ
う。
ユーロ円は利益確定の売りが強まったNY市場の流れが東京市場にも引き継がれる中、仲値以降に本邦実需筋の売りが持ち込まれたこともあり、東京市場には114.15円付近まで下値を探る展開になった。しかし、欧州市場には中国共産党全体会議で議論する予定となっている5ヵ年計画において、内需拡大の方針が示されるとの期待から上海総合が大幅高となるとユーロ円の下落は一服して114.50円付近まで持ち直した。しかし、NY市場ではダウ平均の失速を受けリスクポジション解消目的の円買い・ユーロ売りが入ったほか、対ドルやポンドでユーロ売りが強まった影響から114円台を割れて113.545円まで下落。113.840円で引けた。
今週の展開
ドル円は15年ぶりの安値を連日更新しているにも関わらず政府・日銀の円売り介入は実施されず、今週の22-23日に韓国で開催されるG20で日本が明確に円高阻止の姿勢を示す事が出来なければ、日本は市場介入に踏み切れないとの思惑から史上最安値となる79.750円を試す展開も予測されよう。また、先週好結果となった米インターネット検索大手グーグルの決算に続き、今週も18日シティ・グループ、19日バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、20日モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴ、22日アメリカン・エキスプレス等が7-9月期の決算発表が予定されている。堅調なNY株価値動きに伴う米国債利回り動向や、リスク許容度の変化にも注視したい。
ユーロは今週19日にユーロ圏の10月ZEW景況指数、22日に独IFO企業景況感指数が発表され、指標結果次第では動きがあると思われるが「出口戦略」へと向かう欧州と「追加金融緩和」に踏み切る米国ではファンダメンタルに温度差があり、ユーロの堅調地合いは継続するのではないかと思われる。テクニカル的にはフィボナッチで1.5145ドル→1.1876ドルの76.4%戻しの1.4374ドルが直近の上値のターゲットと考えられる。対円も日欧の金利面からユーロは買われやすい地合いの上、NYダウが追加金融緩和観測や好調な米企業決算発表を背景に高値を更新すれば、リスク選好の流れから底堅い展開が予想される。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 79.00-85.00
ユーロ・円 108.00-115.00
ポンド・円 127.00-139.00
【今日の主な経済指標】
18日 06:45 NZD 四半期消費者物価
18日 08:50 JPY 第三次産業活動指数
18日 21:30 CAD 対カナダ証券投資額
18日 22:00 USD 対米証券投資
18日 22:15 USD 設備稼働率
18日 22:15 USD 鉱工業生産
18日 23:00 USD NAHB住宅市場指数
19日 09:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
19日 17:00 EUR 経常収支
19日 18:00 EUR ZEW景況感調査
19日 18:00 EUR 建設支出
19日 18:00 DEM ZEW景況感調査
19日 21:30 USD 建設許可件数
19日 21:30 USD 住宅着工件数
19日 22:00 CAD カナダ銀行 政策金利
20日 14:00 JPY 景気一致指数
20日 14:00 JPY 景気先行指数
20日 15:00 DEM 生産者物価指数
20日 17:30 GBP マネーサプライM4速報値
20日 17:30 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
20日 20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
20日 21:30 CAD 卸売売上高
21日 03:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
21日 08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
21日 13:30 JPY 全産業活動指数
21日 15:15 CHF 貿易収支
21日 15:45 FRF 企業景況感指数
21日 17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
21日 17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数
21日 17:30 GBP 小売売上高指数
21日 17:30 HKD 消費者物価指数
21日 21:30 USD 新規失業保険申請件数
21日 21:30 CAD 景気先行指数
21日 23:00 USD 景気先行指標
21日 23:00 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数
21日 23:00 EUR 消費者信頼感
22日 17:00 DEM IFO企業景況感指数
22日 20:00 CAD 消費者物価指数
22日 21:30 CAD 小売売上高
≪2010年10月15日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
安値を日々更新しており、バーゲン・ハント的な買いが継続し「ブル」。ドル安地合いが
続く中、仮に80円割れを試すような急激な円高となった場合、政府・日銀の為替介入が入
る可能性もあることから、今後のドル売りは慎重にならざるを得ないだろう。また、FRB
の米国債買い入れが予想より小規模になるとの見方や、より短い年限となる可能性も浮上
しており、米追加金融緩和観測を背景としたショート・ポジションの巻き戻しも気になる
ところだ。テクニカル面では介入後の下落局面で上値抵抗として機能し続けている5日間
移動平均線が81.70円付近に差し掛かっており、この水準を明確に上値けることが出来る
かが焦点となるだろう。
ポンド円は「ブル」
方向感のでない一日に参加者のポジションも拮抗していたが、引けにかけ5日移動平均の
短期的なサポートライン130.10円付近まで下落した為、押し目買いが散見して「ブル」優
勢となった。オズボーン英財務相は、米国同様、追加緩和策に賛成の意向を示しており、
BOE(英中銀)による量的緩和拡大の思惑が強まる可能性も否定できず、今週20日の英財
務省による財政健全策修正案の内容次第ではポンド売りとなることも考えられる為、注意
しておきたい。
豪ドル円は「ブル」
豪ドル/ドルは一時1.0005ドルまで上昇、1983年12月に変動相場制に移行して以来始めて
等価(パリティ)になるなど豪ドルの堅調な値動きに支持され「ブル」は継続。今週19日
に10月豪準備銀行理事会の議事録が公表される予定で、先週の豪雇用統計が市場予想を大
幅に上回った事で、年内の利上げ期待が再び高まっており、押し目での買い意欲は引続き
強いとみる。ただし、金や原油のオーバーシュートによる揺り戻しには注意が必要となろ
う。