FXレポート

バーナンキ発言に嫌気、ドル売り・円買いの展開に

昨日のドル円は、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長による議会証言を控え、様子見ムードが広がり一時は94.382円までつけていたが、同議長が雇用環境悪化や信用不安などが米景気の改善の障壁になることに言及したことに失望が広がり、相場は大きく下げに転じた。その後93.293円で下げ止まり、調整的な動き先行で、結局93.764円にて取引を終えた。

ユーロ円は、米株式市場開始前までは本日高値の134.482をつけるなど堅調に推移していたが、その後は雇用悪化などで個人消費の伸びにブレーキがかかる懸念から、リスク回避目的の円買いが強くなり下落。一時132.372円まで急落し結局133.361円で取引を終えた。

ポンドドルは、特に目立つ売り材料はないが、財政赤字拡大を懸念する指摘もある。週末に英GDP(第2四半期)の発表が予定されているがネガティブな公算を織込み、対ドル相場でも較的軟調な動きを見せ、1.63838ドルをつけて1.64540ドル引け、ポンド円は153.149円をつけて154.320円にて引けた。

米CITグループの株価が資金繰り不安で急落、現在の手元資金は8月17日に期限を迎える社債償還(10億ドル)には不十分との見方を示している。そのため市場では資金繰り悪化で再度、破産法申請の危機がおとずれるのではないかとの懸念が再浮上している。本日は、米CITグループの動向に注視したい。

[予想レンジ]
ドル・円    92.70~95.70
ユーロ・円 131.00~135.00
ポンド・円 152.10~157.10


【今日の主な経済指標】


17:30     GBP     英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨

18:00     EUR     鉱工業生産

20:00     USD     MBA住宅ローン申請指数

21:30     CAD     小売売上高

21:30     CAD     小売売上高(除自動車)

23:00     USD     住宅価格指数


 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月21日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ベア
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 米国の主要企業決算が想定以上に良好であることから、引き続き「ブル」だが、
 リセッションの終了には近づいていないとの見方も以前根強く「2番底」の
 リスクを抱えていることも否定できない。
 直近の安値91.743円が試される展開に注意したい。

 ユーロ・円は「ブル」
 バーナンキ発言を受け一時は急落したものの、押し目買いや金利優位から円の戻り売りを
 見せて「ブル」。しかしながら、6月頃から続くボックス圏相場を抜けるには材料に欠け、
 上値は重いようだ。

 ポンド・円は「ブル」
 比較的ファンダメンタルズ良好なポンドは相対的に値の上下振れも小さく堅調で「ブル」。
 週末に英GDP(第2四半期)の発表が予定されているが、ビーン英中銀副総裁は、
 今週発表予定のGDPも引き続きマイナス成長となるだろうとの見解を示していることなどから
 中長期で反落する展開も想定しておく必要があるかもしれない。

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