FXレポート

ドル円相場は神経質な地合いが継続

昨日のドル円は東京市場序盤、本邦輸入企業のドル買いが先行したほか、野田財務相の「必要な時には介入を含めて断固たる措置を取るとの基本姿勢で臨む」との発言や、海江田経済財政担当相の「円高に果敢に対処していく政府方針に変わりはない」などの発言を受けて、政府・日銀による介入警戒感が高まったこともあり、一時82.347円まで上昇。しかし、根強い円高懸念などから日経平均が下落に転じ、前週末比200円安で終了する展開となったほか、GLOBEXのNYダウ先物も一時前日比70ドル安まで下げ幅を拡大したことからクロス円を中心にリスク回避の円買いが強まり、欧州市場にかけて81.80円付近まで反落した。その後NY市場にかけて方向感の無い展開となったが、安く始まった欧州株が徐々に下げ幅を縮小するとは82.05円付近まで小幅に買い戻された。引けにかけ米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表。「新たな緩和は経済動向次第」「緩和政策は近い将来妥当に」との認識を示し、今後追加の金融緩和に踏み切るとの見方が高まるとドル売りが散見し81.780円まで下落して取引を終えた。

ユーロ円は欧州当局者のユーロ高けん制発言を受けて引き続き警戒感が強まったほか、日経平均やGLOBEXのNYダウ先物が軟調に推移するなど株安連鎖を背景にリスク選好が後退したことから、東京市場終盤にかけて113.05円付近まで下落。その後、売り一巡後は113.45円付近まで一旦持ち直したものの、欧州市場に入ると欧州株が下落して始まったほか、GLOBEXのNYダウ先物も一段安となったことからリスク回避の円買いが再び優勢となり、113.05円付近まで押し戻された。しかし、引けにかけFOMCは議事録を公表し「米景気支援に向けた追加措置が必要」とした事でNYダウが底堅く推移すると、リスク選好の流れから113.823円まで買い戻されて取引を終えた。

                           本日の展開

ドル円は、FOMC議事録(9月開催分)で近い将来金融緩和を実施する用意があるとの認識を示し、一段の景気刺激に向けた措置として、米国債の購入およびインフレ期待を高めることに注力すると公表した。米追加金融緩和が実施される可能性が高まったことで数千億ドルから1兆ドル超の米国債買い入れプログラムが現実味を帯びており、引続きドル売りの流れから81円割れの展開に繋がることも考えられ、注意が必要だろう。ただし、野田財務大臣は「看過できないときは断固たる措置を取る」と述べている事から81円台前半へと急速的に円高進行する展開となれば介入に踏み切る可能性も否定できず、神経質な地合いが継続しそうだ。

ユーロは、FOMC議事録を終えて米景気鈍化懸念を背景としたドル売りに対し、材料が出尽くしたとの見方もできる上、シカゴ筋のポジションもユーロロングがたまってきており、短期的には手仕舞い売りが出てもおかしくないだろう。また、テクニカル面でも対ドルは節目の1.40台をつけたことで達成感が出ており、目先はポジション調整や利益確定の売りが出やすい局面とみる。対円も株安によるリスク回避ムードと、政府・日銀の円売り介入への警戒感剥落により、ダウンサイドリスクが高まってきただろう。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   81.50-83.00
ユーロ・円 112.10-115.00
ポンド・円 127.60-132.50

【今日の主な経済指標】
16:15 CHF 生産者輸入価格
17:30 GBP 失業率
17:30 GBP 失業保険申請件数
18:00 EUR 鉱工業生産
18:30 ZAR 小売売上高
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 新築住宅価格指数
21:30 USD 輸入物価指数
21:30 USD 輸出物価指数

≪2010年10月12日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
米追加金融緩和観測から全般的にドル売りが広がった流れを受けて81.60円付近まで
下落すると割安感から本日も買いが圧倒して「ブル」は継続。財務省・日銀による
為替介入はいつ入ってもおかしくない状況ではあるが、実施されたとしても急激な
下落を一時的に止める程度となろうか。米国に協調介入の協力を取り付ける事は困
難である現状では、引き続きドル円の上値は重たくなりそうだ。

ポンド円は「ブル」
マイルズ英中銀金融政策委員会(MPC)委員が「量的緩和は依然として潜在的に強力
な選択肢であり、BOEは量的緩和を実施する可能性がある」との見方を示したと伝わ
ると急落した。130円割れの展開に参加者は「ブル」となっているが、英国は景気見
通しが弱く、さらなる量的緩和拡大や緊縮財政の先送り観測も浮上しており、現段
階で積極的に買い進むには注意が必要となるだろう。

豪ドル円は「ブル」
中国の預金準備率引き上げや、株安連鎖を受けたリスク回避ムードを背景に軟調と
なり一時80.005円まで弱含んだものの、参加者は絶好の押し目買いのチャンスとみ
て「強気」スタンスに変化はない。日米欧の低金利長期化観測や、FRBの米追加金融
緩和は豪ドルにとって大きなアドバンテージではあるが、先日ギラード豪首相が
「豪ドルの上昇は豪輸出業者の重荷となる」などとけん制発言をしたことや、金や
原油相場も反落しており、豪ドルも一旦は利益確定の売りが入りやすい地合いと考
えられる。強弱入り混じった材料がでてきているだけに、慎重に対応したい。

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