FXレポート

為替介入後のドル安で警戒感強まる

昨日のドル円は、一昨日に公表されたFOMCの声明文が追加緩和を示唆したことでドル売りが優勢となり弱含みの展開が継続し一時84.80円付近まで下落。東京時間には菅首相が英FT紙とのインタビューで「為替に急激な変化があれば、外為市場への介入は不可避」との考えを示したものの、市場の反応はほとんどなく度重なる口先介入の影響力の弱さが露呈している。午後に入ると新規材料が見当たらなかった上、日経平均株価の下値も限られたことで下げ渋りを見せたが、欧州勢参入後は再度下値を模索する展開となり84.50円割れを窺う場面もあった。その後、米国時間に発表された住宅価格指数が予想を下回り(予想:-0.2%、結果:-0.5%)84.275円まで下落、引けにかけてわずかに値を戻したものの下降トレンドは継続したまま84.519円で取引を終えた。

ユーロ円は、FOMC後のドル売りの流れからユーロドルが一本調子で上昇し、連れる形で112.80円付近を下値のメドに堅調に推移した。また、一昨日のアイルランド・スペイン・ギリシャに続きポルトガル国債入札が無事に終了したことも支援材料となった。ドルの悪材料、ユーロの好材料が重なりユーロドルが8月6日直近高値の1.3333ドルを上抜けると一段高となっており、ユーロ円の上値も軽くなっている。米国時間に113.522円の高値をマークした後は利益確定の売りに押され値を崩す場面も見られたが、徐々に反発し113.206円で取引を終えた。

                         本日の展開

本日のドル円は日本が祝日のため東京時間は動意に欠ける展開が予想されるが、下降トレンドを継続しているため、目先はどこで下げ止まるかがポイントとなりそうだ。米国時間には新規失業保険申請件数、中古住宅販売件数といった注目度の高い指標が控えている。発表を受けて下落した場合の下値目標は9月15日安値82.874円から9月16日高値85.926円までの上昇に対して61.8%押しとなる84.04円近辺となろうか。しかし、83円台に迫っていることで再び円売り介入に対する警戒感が強まる可能性も高いため注意が必要となろう。

ポンド円は昨日公表されたBOE議事録において「最近の経済動向は、英国や他国で民需回復への向かい風がこれまでに考えられていたよりも幾分強まり、経済活動への下方リスクが高まったことを示している」、「さらなる行動が景気刺激のため必要となる可能性」とハト派的な内容となったことでポンド売りが優勢となっている。このまま下向きの流れが継続した場合、9月14日安値127.647円から9月17日高値135.047円までの上昇に対して61.8%押しとなる130.474円近辺までの下落もあるかもしれない。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円   83.50-85.40
ユーロ・円 112.50-114.50
ポンド・円 130.50-133.40

【今日の主な経済指標】
07:45 NZD  四半期国内総生産(GDP)[前期比]
15:45 FRF  企業景況感指数
17:00 EUR  製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
17:00 EUR  サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
18:30 CHF  KOF景気先行指数
21:30 USD  新規失業保険申請件数
23:00 USD  景気先行指標総合指数[前月比]
23:00 USD  中古住宅販売件数[年率換算件数]
23:00 USD  中古住宅販売件数[前月比]

≪2010年9月22日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ベア」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
2日続落となり割安感から「ブル」となった。昨日は日足一目均衡表基準線・転換線
で支えられる形となったが、流れは下向きのため下方向への警戒が必要か。ただし、
急激な変動があった場合は対処するとの要人発言は相次いでいるものの、現状はじり
安の展開で値を崩してることや、継続的な介入は他国からの非難を誘うとの見方もあ
るため、このままじり安の展開が継続する展開も想定しておきたい。

ユーロ円は「ベア」
高値を更新し反落期待が膨らみ「ベア」継続となった。ユーロ買い、ドル売り材料が
出てきた結果上昇しているため、ユーロドルの上昇が一服するまでは値を伸ばす可能
性を秘めている。このまま上昇が継続すれば7月28日高値114.744円も視野に入ってく
るかもしれない。

豪ドル円は「ブル」
9月14日安値からの上昇幅が4円近くに達し上昇一服となったが、押しもわずかなため
「ブル」は継続している。主要国が自国経済の不安定さを背景に通貨安を容認する中、
豪ドルの強さが際立っている格好だ。相対的な高金利という強みは変わらないため、
引き続き地合の強さが継続しそう。

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