介入への思惑でクロス円底堅い値動きも!
昨日のドル円だが、「日銀が追加金融緩和を検討。財務省、日本単独介入も視野」との報道を背景に円高対応策に対する期待感が漂うなか、東京市場に野田財務
相から「必要なときには適切な対応を講じる。マーケット動向には重大な関心を持っている」との発言が伝わると買い戻しが先行し、84.50円付近へと強含
みとなった。また、東京市場終盤から欧州市場にかけて菅首相が経済団体との懇談会で「円高・株安に対していろいろな対策を打っていきたい」と述べると、
84.60円付近へと上値を拡大した。しかし、NY市場に移ると米耐久財受注が発表され、予想+3.0%のなか結果が+0.3%となり、予想を大きく下回
る結果となったことに加え、その後米商務省が発表した7月の米新築住宅販売件数も予想より弱い内容だったと伝わると、米景気に対する懸念が高まり一時
84.040円まで急落した。しかし、引けにかけ米長期金利が低下幅を縮小したことなども相場を支え84.636円で取引を終えた。
ユー ロ円は、米格付け会社S&Pがアイルランドの格下げを発表したことを受けて、NY市場終盤にユーロ売りが活発化したものの、東京市場では日本の追 加金融緩和や円売り介入に対する警戒感から円を売り戻す動きが優勢となり、106.95円付近へと反発した。その後は、日経平均が下げ幅を拡大したことからリスク回避の動きが強まり、東京市場終盤に106.40円付近へ弱含む場面もあったが、前日比マイナス圏へと転じていたGLOBEXのNYダウ先物が持 ち直したことや、欧州市場序盤に発表された独IFO景気動向指数が106.7と予想の105.7を上回ったことから107.60円付近まで上値を拡大し た。しかし、欧州市場中盤には欧州株が下げに転じた事や、アイルランドの格下げの影響もあり、債務国とドイツとの国債利回り格差が拡大すると106.30 円付近まで下値を拡大する場面が見られた。引けにかけNYダウが1万ドル台へ回復しプラスに転じた事でクロス円がジリジリと水準を切り上げるとユーロ円も しっかりとした値動きとなり107.109円で取引を終えた。
本日の展開
さて 本日のドル円だが、介入観測が急速に現実味を帯びており、政府・日銀の対応にマーケットの関心が集中している。しかし、すでに市場では追加金融緩和や円売 り介入を織り込みつつあり、もし実現したとしても効果は限定される可能性が高く、日銀と米連邦準備制度理事会(FRB)が協調介入に乗り出さない限り、常に下値リスクを警戒しておく必要があるだろう。加えて株安連鎖懸念も依然強く、クロス円も含めてリスク回避型の円独歩高が加速する可能性や、米国の景気悪化懸念と金利先安観も鑑みるとドルが買いづらい状態であることに変わりはないと思われる。また、テクニカル的には前日底堅い値動きをした84.00円付近 のレベルを維持できるかを下値の目安とし、上値は5日移動平均が差し掛かる84.80円付近のレジスタンスを日足ベースで明確に上抜けることが出来るかが焦点となろうか。
一方のユーロ円だが、日銀の追加金融緩和策の具体案は新型オペの拡充など技術的な対応にとどまる可能性が高く、円高を抑制するにはインパクト不足であろうか。次回9月6・7日の日銀金融政策決定会合まで結論を持ち越す可能性も残っており、過大な期待は禁物と考えられる。ま た、円売り介入は米国が難色を示す可能性が高く、日本単独では効果も期待できないことから、口先介入や日銀のレートチェックでお茶を濁すといった可能性も 否定できない。欧州の債券利回り低下や欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の信用不安などを背景にユーロ自体も地合いが悪化しており、下値の警戒は継続したい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.50-85.80
ユーロ・円 105.30-108.00
ポンド・円 128.30-131.90
【今日の主な経済指標】
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査
17:00 EUR マネーサプライM3
18:30 ZAR 卸売物価指数
21:30 USD 新規失業保険申請件数
≪2010年8月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ここ数週間は80%~90%以上が「ブル」であり90円割れの現水準ではバーゲンハント的な買い
が参加者を強気にさせている。本邦当局による介入警戒感が強まっている状況では下値も底堅く、
予想を大きく下回った7月新築住宅販売件数の発表後も値が崩れなかったことで下値に安心感も
芽生えつつある。しかし、本邦当局者の円高対策への評価が定まらないうちは明確な方向感は生
まれ難いか。
ポンド円は「ブル」
前日急ピッチで下落したことを受け、終日参加者の押し目買いが目立ち「ブル」なっている。しか
し、株安連鎖・原油安を背景にリスク回避ムードが強まっている上、英国の景気二番底懸念も浮上
しており、ファンダメンタルズは急速に悪化してきたと言えよう。また、5月以来の上昇トレンド
ラインも完全に崩壊し、テクニカル的にも弱気局面入りの可能性が高いと考えられる。
豪ドル円は「ブル」
ショートカバー、政府・日銀による円高対策、金利差を背景に引続き「ブル」が圧倒している。
日米欧の低金利長期化観測は、高金利通貨にとってアドバンテージとなるものの、市場の関心が
世界景気の先行き不透明感を背景とした株安懸念などのリスク警戒に向かっている局面ではネガ
ティブな材料への反応の方が強くなりやすく、株価や商品相場の値動きに伴うリスク許容度の変
化に注意したい。また、豪州総選挙の結果もまだ確定せず、政局不透明感も留意しておきたい。
ユー ロ円は、米格付け会社S&Pがアイルランドの格下げを発表したことを受けて、NY市場終盤にユーロ売りが活発化したものの、東京市場では日本の追 加金融緩和や円売り介入に対する警戒感から円を売り戻す動きが優勢となり、106.95円付近へと反発した。その後は、日経平均が下げ幅を拡大したことからリスク回避の動きが強まり、東京市場終盤に106.40円付近へ弱含む場面もあったが、前日比マイナス圏へと転じていたGLOBEXのNYダウ先物が持 ち直したことや、欧州市場序盤に発表された独IFO景気動向指数が106.7と予想の105.7を上回ったことから107.60円付近まで上値を拡大し た。しかし、欧州市場中盤には欧州株が下げに転じた事や、アイルランドの格下げの影響もあり、債務国とドイツとの国債利回り格差が拡大すると106.30 円付近まで下値を拡大する場面が見られた。引けにかけNYダウが1万ドル台へ回復しプラスに転じた事でクロス円がジリジリと水準を切り上げるとユーロ円も しっかりとした値動きとなり107.109円で取引を終えた。
本日の展開
さて 本日のドル円だが、介入観測が急速に現実味を帯びており、政府・日銀の対応にマーケットの関心が集中している。しかし、すでに市場では追加金融緩和や円売 り介入を織り込みつつあり、もし実現したとしても効果は限定される可能性が高く、日銀と米連邦準備制度理事会(FRB)が協調介入に乗り出さない限り、常に下値リスクを警戒しておく必要があるだろう。加えて株安連鎖懸念も依然強く、クロス円も含めてリスク回避型の円独歩高が加速する可能性や、米国の景気悪化懸念と金利先安観も鑑みるとドルが買いづらい状態であることに変わりはないと思われる。また、テクニカル的には前日底堅い値動きをした84.00円付近 のレベルを維持できるかを下値の目安とし、上値は5日移動平均が差し掛かる84.80円付近のレジスタンスを日足ベースで明確に上抜けることが出来るかが焦点となろうか。
一方のユーロ円だが、日銀の追加金融緩和策の具体案は新型オペの拡充など技術的な対応にとどまる可能性が高く、円高を抑制するにはインパクト不足であろうか。次回9月6・7日の日銀金融政策決定会合まで結論を持ち越す可能性も残っており、過大な期待は禁物と考えられる。ま た、円売り介入は米国が難色を示す可能性が高く、日本単独では効果も期待できないことから、口先介入や日銀のレートチェックでお茶を濁すといった可能性も 否定できない。欧州の債券利回り低下や欧州PIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)諸国の信用不安などを背景にユーロ自体も地合いが悪化しており、下値の警戒は継続したい。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 83.50-85.80
ユーロ・円 105.30-108.00
ポンド・円 128.30-131.90
【今日の主な経済指標】
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査
17:00 EUR マネーサプライM3
18:30 ZAR 卸売物価指数
21:30 USD 新規失業保険申請件数
≪2010年8月25日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
ここ数週間は80%~90%以上が「ブル」であり90円割れの現水準ではバーゲンハント的な買い
が参加者を強気にさせている。本邦当局による介入警戒感が強まっている状況では下値も底堅く、
予想を大きく下回った7月新築住宅販売件数の発表後も値が崩れなかったことで下値に安心感も
芽生えつつある。しかし、本邦当局者の円高対策への評価が定まらないうちは明確な方向感は生
まれ難いか。
ポンド円は「ブル」
前日急ピッチで下落したことを受け、終日参加者の押し目買いが目立ち「ブル」なっている。しか
し、株安連鎖・原油安を背景にリスク回避ムードが強まっている上、英国の景気二番底懸念も浮上
しており、ファンダメンタルズは急速に悪化してきたと言えよう。また、5月以来の上昇トレンド
ラインも完全に崩壊し、テクニカル的にも弱気局面入りの可能性が高いと考えられる。
豪ドル円は「ブル」
ショートカバー、政府・日銀による円高対策、金利差を背景に引続き「ブル」が圧倒している。
日米欧の低金利長期化観測は、高金利通貨にとってアドバンテージとなるものの、市場の関心が
世界景気の先行き不透明感を背景とした株安懸念などのリスク警戒に向かっている局面ではネガ
ティブな材料への反応の方が強くなりやすく、株価や商品相場の値動きに伴うリスク許容度の変
化に注意したい。また、豪州総選挙の結果もまだ確定せず、政局不透明感も留意しておきたい。