米国指標は堅調に!注目はユーロ圏のソブリンリスクに移行か!?
金曜日のドル円は、前日の海外市場で85円台後半に上昇した流れを引継ぎ85.906円で取引が開始、86円台をキープして推移したが、東京市場は盆休み中ということもあり低調な商いであった。だが欧州勢が参入後は、独DAXや英FTSEが下げ幅を拡大させると、世界景気に対する先行き不透明感が蒸し返され、リスク回避の円買いが優勢となり安値85.568円まで下落した。NY時間に米小売売上高が発表され(予想:0.5% 結果:0.4%)発表直後こそ値を下げたものの、消費者物価指数(CPIコア指数)[前月比]も概ね市場の予想通り(予想:0.1% 結果:0.1%)だったことからすぐに切りかえす展開に。その後、ミシガン大学消費者態度指数が69.6(予想:69.0)と予想を上回ったことで市場に安心感が広がり、高値86.370円まで上昇、86.253円で取引を終えた。
ユーロ円は序盤、市場のセンチメントが回復しつつあるなかジリジリと上昇を続けた。欧州勢参入後も発表された独第2四半期GDPが前期比2.2%と市場予想(1.3%)を約1%近く上回ったことや、仏GDPも好調となったことが好材料となりユーロが買われ、高値111.112円まで上昇した。だが欧州の信用不安に対する懸念は依然根強く、軟調な欧州株や利益確定のユーロ売りの動きが進むと徐々に値を崩し、安値109.541円まで下落、引けは109.993円と方向感に乏しい相場展開となった。
今週の展開
さて今週のドル円だが、先週末は米国やユーロ圏の主要指標が概ね好調となったことでセンチメントはやや回復しているようにも考えられ、歴史的な円高に対し、懐疑的な見方があるものの日本政府や日銀による円高是正の為替介入に警戒感が高まっておりドル買い材料となりそうだ。しかし、米国が事実上の金融緩和を決定したことで、一時約15年ぶりの安値を記録、11日には84.790円まで下落し日経平均株価も一時9,000円に迫る勢いを見せたこともあり、未だに明確な方向性を見出だすにまでには至っていない。週末のミシガン大学消費者態度指数も8月暫定値は前月確報値から小幅改善し、まずまずの数値が並んだものの、引けは86.273円とFOMC直前の水準、また米雇用統計発表直前の水準が86.200円付近であったことも意識され、米景気失速懸念を拭うにはまだ力不足であること否めない。先週に引き続き今週も上値の重い神経質な展開が予想され、再び85円割れを試すことも視野にいれておきたい。
ユーロは、先週末に発表された4-6月期の独仏ユーロ圏の実質GDPが予想を上回ったことが好材料となり成長率の下振れリスクは後退しつつある。しかし、国債に目を向けるとイタリアの国債入札が不調となったこともあり、欧州信用不安が蒸し返されつつあることが相場を圧迫、対ドルでは3週間ぶりの安値1.27493ドルをつけている。ドイツ債とギリシャ債の利回り格差は800ベーシスポイントを越え、6月以来の高水準となっている。またアイルランドの大手銀行であるアングロ・アイリッシュ・バンクがEUから政府による最大100億ユーロ規模の追加支援を承認されたことでドイツ債とアイルランド債の利回り格差が3週間ぶりの高水準に拡大する場面もみられた。市場は再びユーロ圏内の格差に注目され始め、今週はユーロ圏諸国のソブリンリスクや債権市場を睨んだ取り組みとなる可能性も考えられる。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 83.500- 88.500
ユーロ・円 107.500-113.000
ポンド・円 130.500-137.000
【今週の主な経済指標】
16日
08:50 JPY 第三次産業活動指数 前月比
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)年率換算(4-6月期)チャート
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)前期比(4-6月期)
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、改定値) 前年同月比
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:00 USD 対米証券投資(短期債除く)
23:00 USD NAHB住宅市場指数
17日
10:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
17:00 EUR 経常収支
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)前年同月比
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)前月比
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)前年同月比
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)前月比
18:00 EUR ZEW景況感調査
18:00 DEM ZEW景況感調査(期待指数) チャート
21:30 USD 建設許可件数 年率換算件数
21:30 USD 建設許可件数 前月比
21:30 USD 住宅着工件数 年率換算件数
21:30 USD 住宅着工件数 前月比
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)前月比 チャート
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)前月比
21:30 CAD 製造業出荷 前月比
21:30 CAD 対カナダ証券投資額
22:15 USD 設備稼働率 チャート
22:15 USD 鉱工業生産 前月比 チャート
18日
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・改定値
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・改定値
17:30 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
18:00 EUR 建設支出 前年同月比
18:00 EUR 建設支出 前月比
20:00 JPY MBA住宅ローン申請指数 前週比
19日
07:45 NZD 四半期卸売物価指数(PPI) 前期比(4-6期)
13:30 JPY 全産業活動指数 前月比
15:00 DEM 生産者物価指数(PPI) 前月比
15:15 CHF 貿易収支
17:30 GBP 小売売上高指数 前月比
17:30 GBP マネーサプライM4速報値 前年同月比
17:30 GBP マネーサプライM4速報値 前月比
21:30 CAD 卸売売上高 前月比
21:30 CAD 景気先行指数 前月比
21:30 JPY 新規失業保険申請件数
23:00 JPY 景気先行指標総合指数 前月比
23:00 JPY フィラデルフィア連銀製造業景気指数
24:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア) 前年同月比
20日
20:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア) 前月比
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI) 前年同月比
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI) 前月比
≪2010年8月13日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国の経済指標が久々に好転、それを反映するかのように2日連騰となり「ブル」。FOMCで唯一、利上げを
主張し続けているカンザスシティー連銀総裁のホーニグは「デフレが最も深刻な脅威である証拠ない」、
「小幅に成長する今、ゼロ金利は危険な賭け」と述べ、政策金利1%引き上げを促している。まだ米国経済
指標にはまだ明確な強さは見られないものの企業業績は好調で、中長期での期待は高まっている。勢いづ
けば早期利上げの機運も高まりやすく、現在の水準では買い持ちにも妙味がありそうだ。
ユーロ円は「ブル」
ユーロ圏諸国の好調なGDP発表が後押しし、ポジションは「ブル」となっている。独仏ユーロ圏のGDPは第1
四半期と比較し上伸したが、先週半ばあたりから散見されたユーロ売りの理由付けとしてソブリンリスク
の再燃が取りざたされている。先週末の引けは始値付近となるなど上値の重い値動きが確認されており、
安易な下値追いとならないよう局面を見極めたい。
豪ドル円は「ブル」
発表されたNZ第2四半期小売売上高が前期比+1.3%と市場予想(+0.3%)を大きく上回ったことから、オセア
ニア通貨である豪ドルも買われ「ブル」。今週最大のイベントは総選挙となり、直近の世論調査では、与
党の労働党が若干優勢となっており、ギラード首相率いる与党労働党と野党である自由党がしのぎを削っ
ている。選挙絡みのニュースに注意しながら、神経質な相場展開となりそうだ。
ユーロ円は序盤、市場のセンチメントが回復しつつあるなかジリジリと上昇を続けた。欧州勢参入後も発表された独第2四半期GDPが前期比2.2%と市場予想(1.3%)を約1%近く上回ったことや、仏GDPも好調となったことが好材料となりユーロが買われ、高値111.112円まで上昇した。だが欧州の信用不安に対する懸念は依然根強く、軟調な欧州株や利益確定のユーロ売りの動きが進むと徐々に値を崩し、安値109.541円まで下落、引けは109.993円と方向感に乏しい相場展開となった。
今週の展開
さて今週のドル円だが、先週末は米国やユーロ圏の主要指標が概ね好調となったことでセンチメントはやや回復しているようにも考えられ、歴史的な円高に対し、懐疑的な見方があるものの日本政府や日銀による円高是正の為替介入に警戒感が高まっておりドル買い材料となりそうだ。しかし、米国が事実上の金融緩和を決定したことで、一時約15年ぶりの安値を記録、11日には84.790円まで下落し日経平均株価も一時9,000円に迫る勢いを見せたこともあり、未だに明確な方向性を見出だすにまでには至っていない。週末のミシガン大学消費者態度指数も8月暫定値は前月確報値から小幅改善し、まずまずの数値が並んだものの、引けは86.273円とFOMC直前の水準、また米雇用統計発表直前の水準が86.200円付近であったことも意識され、米景気失速懸念を拭うにはまだ力不足であること否めない。先週に引き続き今週も上値の重い神経質な展開が予想され、再び85円割れを試すことも視野にいれておきたい。
ユーロは、先週末に発表された4-6月期の独仏ユーロ圏の実質GDPが予想を上回ったことが好材料となり成長率の下振れリスクは後退しつつある。しかし、国債に目を向けるとイタリアの国債入札が不調となったこともあり、欧州信用不安が蒸し返されつつあることが相場を圧迫、対ドルでは3週間ぶりの安値1.27493ドルをつけている。ドイツ債とギリシャ債の利回り格差は800ベーシスポイントを越え、6月以来の高水準となっている。またアイルランドの大手銀行であるアングロ・アイリッシュ・バンクがEUから政府による最大100億ユーロ規模の追加支援を承認されたことでドイツ債とアイルランド債の利回り格差が3週間ぶりの高水準に拡大する場面もみられた。市場は再びユーロ圏内の格差に注目され始め、今週はユーロ圏諸国のソブリンリスクや債権市場を睨んだ取り組みとなる可能性も考えられる。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 83.500- 88.500
ユーロ・円 107.500-113.000
ポンド・円 130.500-137.000
【今週の主な経済指標】
16日
08:50 JPY 第三次産業活動指数 前月比
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)年率換算(4-6月期)チャート
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)前期比(4-6月期)
18:00 EUR 消費者物価指数(HICP、改定値) 前年同月比
21:30 USD ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:00 USD 対米証券投資(短期債除く)
23:00 USD NAHB住宅市場指数
17日
10:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、金融政策会合議事要旨公表
17:00 EUR 経常収支
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)前年同月比
17:30 GBP 小売物価指数(RPI)前月比
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)前年同月比
17:30 GBP 消費者物価指数(CPI)前月比
18:00 EUR ZEW景況感調査
18:00 DEM ZEW景況感調査(期待指数) チャート
21:30 USD 建設許可件数 年率換算件数
21:30 USD 建設許可件数 前月比
21:30 USD 住宅着工件数 年率換算件数
21:30 USD 住宅着工件数 前月比
21:30 USD 卸売物価指数(PPIコア指数、食品・エネルギー除く)前月比 チャート
21:30 USD 卸売物価指数(PPI)前月比
21:30 CAD 製造業出荷 前月比
21:30 CAD 対カナダ証券投資額
22:15 USD 設備稼働率 チャート
22:15 USD 鉱工業生産 前月比 チャート
18日
14:00 JPY 景気一致指数(CI)・改定値
14:00 JPY 景気先行指数(CI)・改定値
17:30 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
18:00 EUR 建設支出 前年同月比
18:00 EUR 建設支出 前月比
20:00 JPY MBA住宅ローン申請指数 前週比
19日
07:45 NZD 四半期卸売物価指数(PPI) 前期比(4-6期)
13:30 JPY 全産業活動指数 前月比
15:00 DEM 生産者物価指数(PPI) 前月比
15:15 CHF 貿易収支
17:30 GBP 小売売上高指数 前月比
17:30 GBP マネーサプライM4速報値 前年同月比
17:30 GBP マネーサプライM4速報値 前月比
21:30 CAD 卸売売上高 前月比
21:30 CAD 景気先行指数 前月比
21:30 JPY 新規失業保険申請件数
23:00 JPY 景気先行指標総合指数 前月比
23:00 JPY フィラデルフィア連銀製造業景気指数
24:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア) 前年同月比
20日
20:00 CAD 消費者物価指数(CPIコア) 前月比
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI) 前年同月比
20:00 CAD 消費者物価指数(CPI) 前月比
≪2010年8月13日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
米国の経済指標が久々に好転、それを反映するかのように2日連騰となり「ブル」。FOMCで唯一、利上げを
主張し続けているカンザスシティー連銀総裁のホーニグは「デフレが最も深刻な脅威である証拠ない」、
「小幅に成長する今、ゼロ金利は危険な賭け」と述べ、政策金利1%引き上げを促している。まだ米国経済
指標にはまだ明確な強さは見られないものの企業業績は好調で、中長期での期待は高まっている。勢いづ
けば早期利上げの機運も高まりやすく、現在の水準では買い持ちにも妙味がありそうだ。
ユーロ円は「ブル」
ユーロ圏諸国の好調なGDP発表が後押しし、ポジションは「ブル」となっている。独仏ユーロ圏のGDPは第1
四半期と比較し上伸したが、先週半ばあたりから散見されたユーロ売りの理由付けとしてソブリンリスク
の再燃が取りざたされている。先週末の引けは始値付近となるなど上値の重い値動きが確認されており、
安易な下値追いとならないよう局面を見極めたい。
豪ドル円は「ブル」
発表されたNZ第2四半期小売売上高が前期比+1.3%と市場予想(+0.3%)を大きく上回ったことから、オセア
ニア通貨である豪ドルも買われ「ブル」。今週最大のイベントは総選挙となり、直近の世論調査では、与
党の労働党が若干優勢となっており、ギラード首相率いる与党労働党と野党である自由党がしのぎを削っ
ている。選挙絡みのニュースに注意しながら、神経質な相場展開となりそうだ。