FXレポート

揺らぐ基軸通貨!準備通貨制度見直しか

前日のドル円は、急激な円買いの後を受けて、調整局面となり東京時間、一時93.597円まで値を戻す場面もあったが、対欧州通貨でのドル売りにつられた円買い・ドル売りが出たため方向感が出ない展開が続いた。この日発表された米新規失業保険申請件数が予想よりも減少し、ドルが買い戻される場面も見られたものの、上値は重く、戻り売りが出ており、今後不安定な値動きも予想される中、ドル円は92.868円で引けた。
                  
一方、ユーロ円の買い戻しが強まっている。欧州通貨が対ドルで全般的に買い戻されていることで、対円でも買い戻しが強まった。ビーニスマギECB理事の「銀行を取り巻く金融情勢は改善し回復は早まるだろう」と発言したことや、欧州株式市場の上昇を受け、ストップを巻き込んで130.932円まで戻し、結局130.431円で引けた。

ポンド円も急伸。英中銀イングランド銀行(BOE)の金融政策委員会は本日の政策判断で、資産買い入れ枠を250億英ポンド増の1,500億英ポンドに拡大すると予想されていたが、実際は買い入れ枠を据え置いたために、資産買取プログラムが終息に向かっているのではという期待感からポンド円は昨日つけた安値146.765円から一時152.351円まで反発し、終値は151.971円で引けた。


さて今後のドル円だが、9日の主要8カ国(G8)と新興5カ国(G5)の会合で中国は、世界経済における準備通貨制度の改革を呼び掛け、準備通貨制度の多様化や主要通貨間での比較的安定した為替レートを目指すことを明確に求めた。また、サルコジ大統領や、メドベージェフ大統領の基軸通貨に対するコメントとして、「ドルが唯一の基軸通貨であり続けることはできない」と述べており、基軸通貨としての強いドルの信頼は揺らいでいる。欧州通貨が昨日発表された複数の経済指標を無難にこなしたことにくらべて、米経済指標はインパクトに欠け、依然として景気への懸念が強く、ドル円は再度下値トライとなる可能性もあり、注意したいところだ。




[予想レンジ]
ドル・円    91.50~93.60

ユーロ・円 129.20~132.40

ポンド・円 150.00~153.30

【今日の主な経済指標】

08:50     JPY     国内企業物価指数

20:00     CAD     失業率

21:30     USD      貿易収支

21:30     USD     輸入物価指数

21:30     USD      輸出物価指数

23:00     USD     ミシガン大学消費者態度指数


 
 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月9日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :スクエア
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 ドル円は4日ぶりに小反発、一昨日の円高の後を受け、ブルポジションが膨らんだ。
 しかし、円反落も戻りは限定的になり今後は本格化する米企業の四半期決算を睨み
 ポジションを調整していきたい。
  
  ユーロ・円は「ブル」
 中国がラクイラ・サミットで準備通貨の多様化への支持を求めたことや、
  ポンド高につられる 形を受けて参加者の買いも継続した。
 しかし、マーケットでは、ユーロ円の戻りが一巡との見方もあり、週末に
  掛けてリスクに対する調整は必要になりそうだ。

 ポンド・円は「ブル」
 英中銀イングランド銀行は、9日の金融政策会合(MPC)で政策金利を0.5%
  に据え置き、市場で 規模拡大が期待されていた資産買い取り枠も据え置いた。
  この政策判断を受け、英ポンドは大幅に上昇した。
 
 

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