FXレポート

円大幅続伸!更なる円高も

昨日のドル円は、東京、欧州時間では方向感に欠ける動きとなったが、一転、NY時間に入ると円が大幅に買われる展開となった。米週間石油在庫統計の結果は在庫のだぶつきを示唆。これを受けて、WTI原油先物は下げ幅を拡大し、期近物は前日比2.94ドル安の1バレル60.01ドルまで下落した。

ここ数日は原油価格がリスクマネーの動向のバロメーターとなっており、原油価格下落が金融市場全体のリスク回避に繋がる流動性相場の特徴的な動きとなった。また、今年4~6月期の米企業決算に対する弱気見通しなどを背景にドル円は2月17日以来の安値水準となる91.806円まで下落。NY終盤に掛けては、NYダウがプラス圏を回復したことなどを受けて、ドル円は一旦下げ止まる形となったが、戻りも限定的となっており、終値は92.898円で取引を終えた。

また、この動きからクロス円も総崩れとなり、ユーロ円は5月18日以来の安値となる127.009円まで急落したほか、ポンド円も5月22日以来の146.765円まで下押し。資源国通貨も国際商品先物指数の大幅下落から軟調な動きを強いられ、豪ドル円が70.882円、NZドル円が56.907円、加ドル円が78.515円までそれぞれ下値を拡大する場面が見られ、円が対主要通貨で全面高の展開となった。

さて、この流れを受け大きく下げたドル円、ユーロ円に一旦押し目買いが入る展開になるかもしれないが、足元で世界経済が早期に回復するとの期待が後退し、株価や商品相場が引き続き下げる展開が続けば、安全通貨である円に資金が集まり、再度下値をトライする可能性もあるので、慎重な判断が求められそうだ。



[予想レンジ]
ドル・円    91.50~93.20

ユーロ・円 127.20~129.50

ポンド・円 147.00~149.50

【今日の主な経済指標】

10:30     AUD     新規雇用者数

15:00     DEM     消費者物価指数

20:00     GBP      イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表

21:30     USD      新規失業保険申請件数

23:00     USD     卸売在庫


 
 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月8日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ブル
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 急ピッチで下落したため、短期スタンスで売り進めた参加者からショートカバーが入ったほか、
 引けにかけて米国株が持ち直したことも支えとなり、92円台での買いが優勢の結果となった。
 しかし、再度下値トライとなる可能性もあり、大台の90円を目指す展開へと繋がることも
 考えられる。
   
  ユーロ・円は「ブル」
 トリシェ欧州中央銀行総裁を始め、理事メンバーから今後の景気見通しについてネガティブな見解を
 示したことや、WTI原油先物相場が4%を越す下落となったことも売り材料とされ大きく値を下げた。
 しかし、NY時間に入り120円台に突入すると、押し目買いからロング入っているようだ。

 ポンド・円は「ブル」
 商品相場、株価の下落から大きく下落したポンドだが、参加者は売られすぎとの警戒感から
 ロングが入っているようだ。
 本日は21:00にイングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表が控えており金利据え置きとの
 予想が大半だが発表には十分注意したい。

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