FXレポート

注目の米雇用統計!トレンドの転換点となるか!?

昨日のドル円は序盤、発表された日銀短観のうちの大企業製造業業況判断(予想:-4 結果:1)が市場予想を上回ったことを受けて、一時的に円安に振れ88.55円付近まで上昇した。しかし、前日の米株式市場が年初来安値を更新したことを受け日経平均もマイナス圏推移となりリスク回避の流れに。また、中国の6月PMI製造業が市場予想を下回ったことも円買い要因となり88.10円付近まで下落した。その後、日経平均がマイナス幅を縮小するとショートカバーが散見され再び88.50円付近まで反発した。欧州勢参入後も、欧州の信用不安や米経済に対する懸念等からリスク回避の動きとなり、円が買われる軟調な展開となった。NY市場に入ると、米経済指標の新規失業保険申請件数(予想:45.5万件 結果:47.2万件)やISM製造業景況指数(予想:59.0 結果:56.2)の弱い内容を受けドル売りを後押しする展開となり、NY株式市場が100ドル超へ下げ幅を拡大するなか、ドル円は2009年12月3日以来の87円割れを示現し、一時86.963円まで下落した。その後、NY株式市場が反転したことからドル売りが一服し、87.612円まで買い戻しが入り取引を終えた。

ユーロ円は序盤、108.20円前後で揉み合っていたが、中国のPMI製造業の下振れを受けて日経平均が下げ幅を拡大したことから、リスク回避の動きが強まり107.55円付近まで下落。その後は、日経平均やNYダウ先物が下げ幅を縮小する展開となるなか、107円後半まで上昇した。欧州勢参入後に、スウェーデン中銀が政策金利を0.25%引き上げたことでユーロ買いを誘発し、スペインの5年物国債の入札が順調な結果となったこともあり、108.85円付近へと上昇した。NY市場入り後も米経済指標が市場予想を下回ったことを受けてユーロ買いドル売りで反応、NY株式市場が下げ幅を縮小したことから一段高となり109.813円まで上値を伸ばした。引けにかけても、断続的な買いに支えられ堅調な値動きとなり109.753円で取引を終えた。

                                         本日の展開 

ドル円は、NY株式市場が年初来安値を一昨日に続き更新したことで、東京株式市場でも軟調な値動きとなればリスク回避志向の高まりから円買いの動きが強まりそうだ。しかし、前日に円高が急激に進んでいることもあり、今夜の米雇用統計を前にポジション調整からドルの買い戻しが入ることも考えられる。やはり本日注目すべきは米雇用統計となり、市場予想を下回った場合には米景気に対する悲観的なムードが既に漂っていることもあり、ドル売りが強まることも考えられる。さらに、同時刻に発表される米失業率(前回:9.7% 予測:9.8%)の結果次第ではリスク許容度の変化から注意が必要と思われる。

ユーロ円は、欧州PIIGS諸国のソブリンリスクや一部欧州金融機関の資金繰りの懸念が後退したことから、ユーロを買い戻す流れが強まっているようだ。また、米ムーディーズが「スペインの格付けを最大2段階の引き下げ方向で見直す」との報道があったものの、スペインが実施した5年国債入札が好調であったこともユーロ買いの支援材料となっている。ユーロ円は短期的には上値を試す可能性も高いと思われるが、米中の景気減速懸念が高まっており、米雇用統計の結果次第では、リスク回避からユーロ売りの展開も予想されるため、ダウンサイドリスクは常に頭に入れておきたい。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円  86.200- 89.400
ユーロ・円 107.600-110.900
ポンド・円 131.300-134.800

【本日の主な経済指標】

08:50 JPY マネタリーベース[前年同月比]
18:00 EUR 失業率
18:00 EUR 卸売物価指数(PPI)[前年同月比]
18:00 EUR 卸売物価指数(PPI)[前月比]
21:30 USD 失業率
21:30 USD 非農業部門雇用者数変化[前月比]
23:00 USD 製造業新規受注[前月比]

≪2010年7月1日クローズ時点≫
ドル・円   :「ブル」
ユーロ・円  :「ブル」
ユーロ・ドル :「ベア」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円  :「ブル」
NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


ドル・円は「ブル」
NY株式市場では年初来安値を更新するなどリスク回避色の強い地合いとなっている中、世界経済の
先行き不透明感から二番底懸念が強まっている。しかし、米雇用統計を控え改善期待から「ブル」
が優勢。ユーロ圏のソブリンリスクも緩和しつつある中、リスク選好度の回復の兆しも見え、予想
に反し、強い雇用統計となれば、下落基調が和らぐ可能性がありそうだ。

ユーロ・円は「ブル」
欧州中央銀行(ECB)が欧州金融機関の資金繰り不安の解消のため、期間6日の特別オペを実施し
たことが好感され「ブル」が優勢。世界的な株安を背景に為替市場ではリスク回避の円買いは見ら
れるが、ユーロ売りには繋がっておらず、今までと異なる状況になっている。ユーロ上昇トレンド
が継続されるか注目したい。

豪ドル・円は「ブル」
中国の経済成長鈍化や世界的な株安を背景に高金利通貨の豪ドルが売られたが、安値圏では押し目
買いが散見され「ブル」。来週の豪準備銀行理事会で政策金利を据え置く可能性が高く、上値は限
定されそうだが、ユーロ圏の金融問題の懸念が低下しつつあることから短期的には76円台を試す展
開も考えられる。

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