FXレポート

日本時間は人民元、米国時間はFOMCに注意!

昨日のドル円だが、一昨日同様中国人民銀行が発表する基準値に注目が集まった。この日は1ドル6.7980元となり、2005年7月の切り上げ以降最高値となったため、中国の購買力増加が世界経済の成長に寄与するとの思惑からリスク選好の動きが優勢となり91.099円まで上昇した。しかし、元高は早くも一服し下落に転じたため、前述の楽観論が後退。日経平均をはじめとしたアジア株の下落に伴い、流れは円買いとなった。その後、米国時間に発表された米中古住宅販売件数が予想:612万件に対し、結果:566万件と市場予想を下回った事やNYダウが前日比150ドル近く下落した事も嫌気され、流れは下向きのまま90.557円で取引を終えた。

ユーロ円は、ドル円につれる形で上昇し東京時間には一時112.471円まで上昇したものの、人民元下落に伴う株価の大幅下落を背景にリスク回避姿勢が強まり下落基調に転じた。また、前日のBNPパリバ格付け引き下げや格付け会社S&Pがスペインの銀行の損失拡大を警告した事も下押し圧力となった。その後、欧州時間に発表された独IFO企業景況感指数が予想:101.2に対し、結果:101.8と予想を上回る高水準を記録したにも関わらず、下向きの流れを変える事はできず、前日比1円強安い111.133円で取引を終えた。


                        本日の展開

人民元相場の弾力化発表後、中国人民銀行の発表する基準値に引き続き注目が集まっている。本日のドル円相場も序盤は元相場の動向を睨んだ展開が予想される。元の変動幅は最大で上下0.5%と数値的には小さいものの、今週は2日とも株価に影響を及ぼしており、株価上昇の場面ではドル買いが強まる可能性が高そうだ。また、米国時間にはFOMC後の政策金利発表や米新規住宅販売件数といった注目材料が控えている。FOMCでは金利据え置きとの見方が大勢を占めているが、改善傾向にある雇用情勢や低金利政策の出口戦略についての声明に変更があるかどうかが注目される。欧州問題、中国の元相場の影響等、不確定要因が多い中でFRBがどのような見方を示すかがポイントとなりそうだ。

英国では昨日、新連立政権が初めて発表した緊急予算案に対し、格付け会社フィッチが「英国の「AAA」格付けに対する信頼を大いに拡大させるだろう」と予算案を支持する内容を発表している。大きな財政赤字を抱える英国においても、南欧諸国のソブリンリスクが飛び火する可能性が囁かれていたため、今回の発表はポンドに対するセンチメント改善に一役買う事になると考えられる。人民元の値動きにも注意を払う必要はあるが、主要国株価が堅調に推移した場合、ポンド円は昨日高値136.019円を試す可能性もありそうだ。


[今日の予想レンジ]
ドル ・円  90.00-91.30
ユーロ・円 110.00-112.20
ポンド・円 133.00-136.00

【今日の主な経済指標】

07:45 NZD 四半期経常収支
15:00 DEM GFK消費者信頼感調査
15:45 FRF 企業景況感指数
17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数(PMI、速報値)
17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数(PMI、速報値)
17:30 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
18:30 ZAR 消費者物価指数
20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
21:30 CAD 小売売上高
23:00 USD 新築住宅販売件数
03:15 USD 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表

≪2010年6月22日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

ドル円は「ブル」
21・22日は人民元の動きにつれて往来相場となった。一時的に値が振れているとはいえ「ブル」
のスタンスに変更はないようだ。しかし、日足ベースでは横ばいに推移しているものの、5月6日
安値と5月20日安値を結んだサポートラインを完全に下抜けているため90円の大台を割り込んだ
場合、値が走る可能性も否定できず注意が必要だ。

ユーロ円は「ブル」
3日続落となっているが、反発期待から「ブル」となった。ユーロ圏の金融機関に対する不安感
が再燃しており、リスク回避の動きが強まった場合には他通貨以上の売り圧力を受ける可能性も
否定できない。日々下値を切り下げ弱含んでおり、6月7日108.066円を目標にした下降トレンド
入りとなる可能性もありそうだ。

ポンド円は「ブル」
多額の財政赤字を抱える英国は大幅な歳出削減が強いられるとの思惑からユーロ同様不安視され
ていたものの、英予算案発表によって状況は一変。ポンド買いが強まったことから「ブル」とな
っている。格付け会社フィッチは英国の予算案を好評価する一方で、同日にスペイン及びフラン
スには財政健全化の必要性を指摘している。評価は完全に分かれた事でポンドは対ユーロで大き
く上昇しており、対円にもポンド買いが波及すれば一段の上値を試す展開も考えられる。

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