FXレポート

米雇用統計の結果でドル失望売り

米雇用統計の結果でドル失望売り

2日のドル円は、東京時間では今週の上昇分を利食いなどから96.374円まで下落。
ただ、中国外務省が「中国がG8での準備通貨について議論することを要請」といった報道について「承知していない」と述べたことによりドルが強含み、96.769円まで上昇する場面も見られた。ただ、欧州中央銀行(ECB)理事会やトリシェECB総裁会見、そして米6月雇用統計といった重要イベントを控えていたこともあり、狭いレンジでの動きに留まった。

注目された米雇用統計の結果は非農業部門雇用者数が前月比46万7000人減と市場予想を下回る結果となった。
これを受けて、ドル売り圧力が強まり、22:00頃にはドル円は95.936円まで下落した。米国株式市場も米雇用統計の結果を受け大幅に下落し、ドル円は95.700円まで下落した。

一方、ユーロ円は、東京時間では1日に上昇した反動もあって利益確定の売りから徐々に下げる動きとなったが、
ロンドン時間に入るとユーロ圏の失業率が9.5%へ悪化し、冴えない生産者物価指数の結果が発表され、更には米格付け機関ムーディーズがアイルランド国債を「Aa1」へ引き下げたことなどからじり安となり135.868円まで下押した。

また、ECBは政策金利を1.00%に据置くことを決定したが、予想通りの結果だったことで市場の反応は限られ、米雇用統計の悪化で円買いが強まると、大きく下げ幅を広げた米国株式市場の状況を受けて、134円割れ目前の一時134.008円まで下げ幅を広げ、その後の戻りも鈍く結局134.251円で取引を終えた。
豪ドル円も売りが強まった。1日に2週間ぶりに78円台を記録した豪ドル円だが5月豪貿易収支の赤字幅が拡大し、更には前回値も下方修正されたため、東京時間では一時77.465円まで下落。その後も上値の重い展開が続き、6月の米雇用統計が悪化したことで原油需要の低迷が長引くとの見方が強まり76.023円まで下落、結局76.158円で取引を終えた。

[予想レンジ]
ドル・円     94.50~ 97.00
ユーロ・円 132.00~136.00
ポンド・円 156.50~160.00

【今日の主な経済指標】
16:15 CHF)消費者物価指数(CPI)[前月比]

17:00 EUR)サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)

18:00 EUR)小売売上高[前月比]

18:00 EUR)小売売上高[前年同月比]

 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月2日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ブル
 ユーロ・ドル :ブル
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 米雇用統計の発表を受けた下落局面で、押し目買いが広がった模様。引続きロングポジションが拡大しつつある。
 ただし、今回の雇用統計をきっかけに、米国のファンダメンタルズに対する不信感が広がる可能性が強くなり、ドルロングには慎重な姿勢が必要だ。
 
 ユーロ・円は「ブル」
 トリシェECB総裁は理事会後の記者会見において、「年内は終盤にかけて景気の下落速度が緩やかなものに」との発言もあり、参加者はユーロ買いを選択している模様。ただし、ドル円に引っ張られる格好で下落のリスクも強くなっているので要注意。
 
 英ポンド・円は「ブル」
 英国の住宅市場は良くなるとの見方もあり、参加者はファンダメンタルズ改善の兆しを評価したポンド買いを選択している模様。 ただし、ドル円、ユーロ円と同様に円高リスクには要注意。

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