FXレポート

本日発表の米雇用統計に注目

前日のドル円は、東京時間に日本銀行が本日発表した6月企業短期経済観測調査(短観)は市場予想を
下回る内容だったが、為替相場の反応は限定的であった。
イエレン米サンフランシスコ連銀総裁は講演で、「米経済は危機を脱しつつある可能性がある」、
「米景気後退は年内に終息する見通し」との見解を述べたことを受け、一時96.972円まで上昇し6
月19日以来の97.00円台の回復に迫った。
買い一巡後は、米MBA住宅ローン申請件数指数が、前週比-18.9%の444.8と約4ヵ月ぶりの水準
へ落ち込み、新規購入指数は同-4.5%の280.3、借換え指数に至っては同-30.0%の1482.2と前週か
ら大幅に反落、約7ヵ月ぶりの水準へ沈み全体を押し下げたことにより96.357円まで下落した。
その後は、リプスキーIMF筆頭副専務理事の「ドルは主要な通貨の地位にあるし、留まり続けるであろう」
との発言もあり96.637円で取引を終えた。

ユーロ円は、東京時間に中国製造業PMIの発表をきっかけに、円売りが進み135円後半まで底堅く推移。
さらにロンドン時間に入ると欧州系が年金のリバランスのためにユーロを買っているとの見方やユーロ圏6月
製造業PMI・確報値は42.6となり、市場予想の42.4より強い結果となり6月15日以来の136.00円台
を突破に成功した。
その後、NY時間に入ると弱い米ADP全国雇用者数の発表を受け、リスク回避の動きが優勢となり一時136
.950円と137円台の回復を感じさせられるほどの展開となった。
ただ、137円台を意識し利益確定の売りが上値を抑え136.701円で取引を終えた。
また、最近のユーロ高で輸出が打撃を受けるとの声も出始めており、本日のユーロ圏 失業率の結果や欧
州中央銀行(ECB)政策金利の発表には注目したいところだ。

さて本日のドル円は、重要イベントである雇用統計の発表を控え、週の序盤から本日まで米国株の上昇
などを背景に堅調に円安方向に推移しているが、前日発表のADPの結果が予想を下回る結果を受け
たことや、中国が来週のG8でドルに変わる新通貨についての議論を要求したとの声もあり、雇用統計の
結果次第では再びリスク回避の動きが進みドル売り圧力が一気に強まる展開も考えられるので注意した
い。

[予想レンジ]
ドル・円     95.00~ 98.00
ユーロ・円 134.50~138.00
ポンド・円 155.00~161.50

【今日の主な経済指標】
18:00 EUR)失業率

18:00 EUR)卸売物価指数(PPI)[前月比]

18:00 EUR)卸売物価指数(PPI)[前年同月比]

20:45  DEM) 欧州中央銀行(ECB)政策金利

21:30  USD) 非農業部門雇用者数変化[前月比]

21:30  USD) 失業率

21:30  USD) 新規失業保険申請件数

23:00  USD) 製造業新規受注[前月比]

 さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年7月1日クローズ時点≫
 ドル・円 :  ブル
 ユーロ・円 : ベア
 ユーロ・ドル :ベア
 英ポンド・円 :ブル
 豪ドル・円 : ブル
 NZドル・円 :  ブル
 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル・円は「ブル」
 米経済の危機が脱しつつある可能性があるとの発言から米経済への期待感が広がり参加者はロングポジションを取っているようだ。
 
 ユーロ・円は「ベア」
 6月15日以来の高値を付けたことによる買われ過ぎと見た向きのショートが優勢のようだ。

 英ポンド・円は「ブル」
 英6月製造業PMIは47.0となり、市場予想の46.4より強い結果となり、上値を試す展開を期待しロングポジションを取ったようだ。
 

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