下値堅めとなるか!?
先週末のドル円は序盤に欧米株高を受けて日経平均株価が高く寄り付き、その後も堅調に推移した事や、欧州不安の後退を受けてドル円は一時91.413円まで上昇した。朝方発表された本邦消費者物価指数は予想を下回る弱い結果となったものの、市場には予想の範囲内と受け止められたため影響は限定的なものとなり、5月27日の朝方につけた安値89.794円から1.60円強におよぶ一本調子の上昇となった。今回の上昇は中国がユーロ圏債券の保有を見直しているとの報道が否定されたことがきっかけだった事もあり、買戻しが一巡すると日足一目雲下限が抵抗線と意識され伸び悩む展開となった。その後、米時間に発表された米シカゴ購買部協会景気指数が市場予想を下回った事や、その構成項目の雇用指数が前回:57.2から49.2へと急減し、来週発表の米雇用統計に対する見通し悪化を受けて90.594円まで下落、引けにかけてわずかに値を戻したものの91.071円で取引を終えた。
ユーロ円は、リスク回避後退の動きを背景とした円売りが優勢となり東京時間は値を伸ばしたが、WSJ紙による「ギリシャは債務再編するしかない」との報道が伝わり、ギリシャに対する懸念が再燃。ユーロ不安の根本的な解決には至っていないとの見方から反落した。その後格付け会社フィッチがスペインの格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたと伝わりユーロ売りが強まると111.353円まで値を崩し111.796円で引けた。
今週の展開
ドル円は、週末発表予定の米雇用統計が最大の注目材料となろう。他にも6月3日発表のADP雇用統計・ISM非製造業景況指数等注目度の高い経済指標も控えており発表後における急変動の可能性には留意したい。また、格付け会社フィッチ・レーティングスが成長鈍化を理由にスペインの格付けを引き下げたが、ユーロ圏諸国の財政再建に伴う歳出削減が景気の足を引っ張り、ユーロ圏全体の成長鈍化となれば、米経済の回復基調に水を差す可能性もあるためユーロ圏の動向によるドル円相場の影響には引き続き注意が必要か。
ユーロ円は、主要国株価との相関性が強まっており、リスク許容度の変化が相場変動の中心となっている。欧州PIIGS諸国のソブリンリスクは解消している訳ではなく、ネガティブな材料が相次いで表面化しているため、先週末の上昇は31日の英・米金融市場が休場で連休を前にしたユーロの売り持ち高を整理する一時的な動きに過ぎないとの見方もある。金融市場の注目の的となっているユーロ圏諸国の要人発言には今後も注意が必要となろう。また、日足ベースでは下降トレンドに変化はないものの、週足は2週連続で長い下ひげとなっているため、下げ渋る展開も予想される。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 90.100- 94.000
ユーロ・円 110.000-118.700
ポンド・円 129.700-139.800
【今週の主な経済指標】
5/31
31日 08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
31日 10:30 JPY 毎月勤労統計調査
31日 10:30 AUD 経常収支
31日 12:00 NZD NBNZ企業信頼感
31日 14:00 JPY 新設住宅着工戸数
31日 15:00 ZAR マネーサプライM3
31日 17:00 EUR マネーサプライM3
31日 18:00 EUR 消費者物価指数
31日 18:00 EUR 消費者信頼感
31日 21:00 ZAR 貿易収支
31日 21:30 CAD 四半期国内総生産
31日 21:30 CAD 月次国内総生産
31日 21:30 CAD 原料価格指数
31日 21:30 CAD 鉱工業製品価格
6/1
1日 10:30 AUD 小売売上高
1日 10:30 AUD 住宅建設許可件数
1日 13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
1日 14:45 CHF 四半期国内総生産
1日 15:45 FRF 非農業部門雇用者・改定値
1日 15:45 FRF 卸売物価指数
1日 16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
1日 16:55 DEM 失業率
1日 16:55 DEM 失業者数
1日 17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数
1日 17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数
1日 18:00 EUR 失業率
1日 22:00 CAD カナダ銀行
1日 23:00 USD 建設支出
1日 23:00 USD ISM製造業景況指数
6/2
2日 08:50 JPY マネタリーベース
2日 10:30 AUD 四半期国内総生産
2日 16:15 CHF 実質小売売上高
2日 17:30 GBP マネーサプライM4確定値
2日 17:30 GBP 消費者信用残高
2日 18:00 EUR 卸売物価指数
2日 20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
2日 20:30 USD チャレンジャー人員削減数
2日 23:00 USD 住宅販売保留指数
6/3
3日 08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
3日 10:30 AUD 貿易収支
3日 17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
3日 17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数
3日 18:00 EUR 小売売上高
3日 21:15 USD ADP雇用統計
3日 21:30 USD 新規失業保険申請件数
3日 23:00 USD ISM非製造業景況指数
3日 23:00 USD 製造業新規受注
6/4
4日 18:00 EUR 四半期域内総生産
4日 20:00 CAD 失業率
4日 20:00 CAD 新規雇用者数
4日 21:30 USD 失業率
4日 21:30 USD 非農業部門雇用者数変化
4日 21:30 CAD 住宅建設許可件数
4日 23:00 CAD Ivey購買部協会指数
≪2010年5月28日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
株安連鎖懸念の後退や、朝鮮半島を巡る地政学的リスクの緩和、ソブリン投資家のユーロ債売却
の否定などによる安堵感から「ブル」となった。テクニカル的にも89-90円台のもみ合い圏をし
っかり抜け出したことで短期的には底入れに向かう可能性も考えられる。しかし、本日は米戦没
者記念日で米市場は休場となるため、ファンド系の仕掛け的な動きに変動幅が大きくなる可能性
も考えられるため留意したい。
ポンド円は「ブル」
投資格付け会社フィッチがスペインの格付けを「AAプラス」に引き下げることを発表。これを受
けて欧州時間の高値から2円以上急落するなど一気に売り込まれると押し目買いが目立ち「ブル」。
ユーロ圏諸国の信用不安や金融規制強化によるユーロ離れは依然燻っているものの、ポンド自体
には大きな悪材料は見当たらず、株安連鎖が止まれば積極的に売り込むべき理由は乏しいだろう。
豪ドル円は「ブル」
リスク回避の動きから商品価格が急落し資源国通貨に売りが強まった事や、ユーロ円を主導とし
た円買いの影響で大きく値を崩していた豪ドル円だったが、リスク志向の回復によって再度注目
される通貨ペアとなるかもしれない。国内経済が依然として好調な事や金利水準が高い事を踏ま
えると、主要国株価が本格的な回復となれば、大きく値を伸ばす可能性もあるだろう。
ユーロ円は、リスク回避後退の動きを背景とした円売りが優勢となり東京時間は値を伸ばしたが、WSJ紙による「ギリシャは債務再編するしかない」との報道が伝わり、ギリシャに対する懸念が再燃。ユーロ不安の根本的な解決には至っていないとの見方から反落した。その後格付け会社フィッチがスペインの格付けを「AAA」から「AA+」に引き下げたと伝わりユーロ売りが強まると111.353円まで値を崩し111.796円で引けた。
今週の展開
ドル円は、週末発表予定の米雇用統計が最大の注目材料となろう。他にも6月3日発表のADP雇用統計・ISM非製造業景況指数等注目度の高い経済指標も控えており発表後における急変動の可能性には留意したい。また、格付け会社フィッチ・レーティングスが成長鈍化を理由にスペインの格付けを引き下げたが、ユーロ圏諸国の財政再建に伴う歳出削減が景気の足を引っ張り、ユーロ圏全体の成長鈍化となれば、米経済の回復基調に水を差す可能性もあるためユーロ圏の動向によるドル円相場の影響には引き続き注意が必要か。
ユーロ円は、主要国株価との相関性が強まっており、リスク許容度の変化が相場変動の中心となっている。欧州PIIGS諸国のソブリンリスクは解消している訳ではなく、ネガティブな材料が相次いで表面化しているため、先週末の上昇は31日の英・米金融市場が休場で連休を前にしたユーロの売り持ち高を整理する一時的な動きに過ぎないとの見方もある。金融市場の注目の的となっているユーロ圏諸国の要人発言には今後も注意が必要となろう。また、日足ベースでは下降トレンドに変化はないものの、週足は2週連続で長い下ひげとなっているため、下げ渋る展開も予想される。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 90.100- 94.000
ユーロ・円 110.000-118.700
ポンド・円 129.700-139.800
【今週の主な経済指標】
5/31
31日 08:50 JPY 鉱工業生産・速報値
31日 10:30 JPY 毎月勤労統計調査
31日 10:30 AUD 経常収支
31日 12:00 NZD NBNZ企業信頼感
31日 14:00 JPY 新設住宅着工戸数
31日 15:00 ZAR マネーサプライM3
31日 17:00 EUR マネーサプライM3
31日 18:00 EUR 消費者物価指数
31日 18:00 EUR 消費者信頼感
31日 21:00 ZAR 貿易収支
31日 21:30 CAD 四半期国内総生産
31日 21:30 CAD 月次国内総生産
31日 21:30 CAD 原料価格指数
31日 21:30 CAD 鉱工業製品価格
6/1
1日 10:30 AUD 小売売上高
1日 10:30 AUD 住宅建設許可件数
1日 13:30 AUD 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表
1日 14:45 CHF 四半期国内総生産
1日 15:45 FRF 非農業部門雇用者・改定値
1日 15:45 FRF 卸売物価指数
1日 16:30 CHF SVME購買部協会景気指数
1日 16:55 DEM 失業率
1日 16:55 DEM 失業者数
1日 17:00 EUR 製造業購買担当者景気指数
1日 17:30 GBP 製造業購買担当者景気指数
1日 18:00 EUR 失業率
1日 22:00 CAD カナダ銀行
1日 23:00 USD 建設支出
1日 23:00 USD ISM製造業景況指数
6/2
2日 08:50 JPY マネタリーベース
2日 10:30 AUD 四半期国内総生産
2日 16:15 CHF 実質小売売上高
2日 17:30 GBP マネーサプライM4確定値
2日 17:30 GBP 消費者信用残高
2日 18:00 EUR 卸売物価指数
2日 20:00 USD MBA住宅ローン申請指数
2日 20:30 USD チャレンジャー人員削減数
2日 23:00 USD 住宅販売保留指数
6/3
3日 08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況
3日 10:30 AUD 貿易収支
3日 17:00 EUR サービス部門購買担当者景気指数
3日 17:30 GBP サービス部門購買担当者景気指数
3日 18:00 EUR 小売売上高
3日 21:15 USD ADP雇用統計
3日 21:30 USD 新規失業保険申請件数
3日 23:00 USD ISM非製造業景況指数
3日 23:00 USD 製造業新規受注
6/4
4日 18:00 EUR 四半期域内総生産
4日 20:00 CAD 失業率
4日 20:00 CAD 新規雇用者数
4日 21:30 USD 失業率
4日 21:30 USD 非農業部門雇用者数変化
4日 21:30 CAD 住宅建設許可件数
4日 23:00 CAD Ivey購買部協会指数
≪2010年5月28日クローズ時点≫
ドル・円 : 「ブル」
ユーロ・円 : 「ブル」
ユーロ・ドル : 「ブル」
英ポンド・円 : 「ブル」
豪ドル・円 : 「ブル」
NZドル・円 : 「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
株安連鎖懸念の後退や、朝鮮半島を巡る地政学的リスクの緩和、ソブリン投資家のユーロ債売却
の否定などによる安堵感から「ブル」となった。テクニカル的にも89-90円台のもみ合い圏をし
っかり抜け出したことで短期的には底入れに向かう可能性も考えられる。しかし、本日は米戦没
者記念日で米市場は休場となるため、ファンド系の仕掛け的な動きに変動幅が大きくなる可能性
も考えられるため留意したい。
ポンド円は「ブル」
投資格付け会社フィッチがスペインの格付けを「AAプラス」に引き下げることを発表。これを受
けて欧州時間の高値から2円以上急落するなど一気に売り込まれると押し目買いが目立ち「ブル」。
ユーロ圏諸国の信用不安や金融規制強化によるユーロ離れは依然燻っているものの、ポンド自体
には大きな悪材料は見当たらず、株安連鎖が止まれば積極的に売り込むべき理由は乏しいだろう。
豪ドル円は「ブル」
リスク回避の動きから商品価格が急落し資源国通貨に売りが強まった事や、ユーロ円を主導とし
た円買いの影響で大きく値を崩していた豪ドル円だったが、リスク志向の回復によって再度注目
される通貨ペアとなるかもしれない。国内経済が依然として好調な事や金利水準が高い事を踏ま
えると、主要国株価が本格的な回復となれば、大きく値を伸ばす可能性もあるだろう。