リスク回避一服!?リスク許容度の変化に注目か!
金曜日のドル円は序盤、ユーロ圏の信用不安や米経済指標の悪化を背景に米株式市場が前日大幅安になったことから、リスク回避目的の円買いが優勢の展開となり一時89.013円まで下落した。しかし、売り一巡後に豪準備銀行のレートチェックの噂が広がったほか、菅副総理兼財務相が「行き過ぎた円高にならないよう注視する」と市場に対しての牽制発言もありドル円は90円台を回復。その後も日経平均が安値圏から下げ幅を縮小したこともサポート材料となり高値90.481円まで上昇。欧州勢参入後は、週末のポジション調整の動きから週初めから売られていた対ドルでのユーロに買戻しが入ったことでドル売りの流れとなり、ドル円は急速に89.90円前後まで押し戻された。その後、89.218円まで下値を試したが、NY株式が前日比でプラス圏を推移するとポジション調整の動きが強まり90.411円まで上昇。引けにかけて、小幅に反落し89.963円で取引を終えた。
ユーロ円は、序盤、欧米市場のリスク回避の流れを引き継ぎ、安値となる110.959円まで下落したものの、市場に豪準備銀行がレートチェックを行ったとの噂が流れるとユーロ買いとなり114.405円まで上昇。前述の菅副総理兼財務相の発言もサポート材料となった。しかし、買い一巡後はユーロ各国の信用不安の広がりから、下値を探る展開となり再び111.623円まで下落した。その後、NY株式が前日比でプラス圏を推移すると、ユーロ売り持ち高解消の動きが優勢となり一時113.50円まで上昇したが、引けにかけ値を崩し112.969円で取引を終えた。
今週の展開
ドル円は先週、日米欧の株式市場の株価動向に左右された往来相場で、好調であった米経済指標が悪化したことに加え、ドイツの金融規制策も嫌気されたことで株価や商品相場を押し下げる要因となり、リスク回避色の濃い一週間であった。今週も引き続きユーロ各国の信用不安が株式市場の大幅調整圧力として波及していると思われ、株売り・リスク回避から円買いの動きが強まると考えられる。しかし、円高局面においては各国ともに警戒感が高まっており、円高進行が今後も継続するようであれば、新たな金融支援策が発表されるとの見方もある。いずれにせよ、株価や商品相場の値動きを主体としたリスク許容度の変化に左右される展開が予想され、慎重な対応が求められそうだ。
渦中のユーロ圏では先週、ドイツがユーロ各国の了承無く単独で金融規制強化に動いたことでユーロの財政問題解消に向けて一枚岩ではないことが示唆された。ユーロ圏での信用不安が広がったことで株安や商品安を招く結果となり、ユーロ売り優勢の展開となっている。また、EUのファンロンパイ大統領も「市場に大きな影響を与える事柄については加盟国が緊密に連携することが大切で、連携を強化する必要がある」とユーロ各国に向けて牽制している。しかし、ドイツは財政破綻の未然防止策に備えたセーフティーネットの構築を目的としており、今後もユーロ各国で金融規制強化策は打ち出されるとの見方が多い。依然として、ユーロにとって厳しい相場展開が続いており下値に対する警戒は常に頭に入れておきたい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 88.300- 91.900
ユーロ・円 109.500-116.100
ポンド・円 127.600-134.600
【今週の主な経済指標】
5月24日
13:30(日) 全産業活動指数[前月比]
23:00(米) 4月中古住宅販売件数
5月25日
17:30(英) 第1四半期GDP(改定値)
18:00(ユーロ)3月製造業受注
18:30(南ア)第1四半期GDP
22:00(米) 3月S&Pケース・シラー住宅価格指数
23:00(米) 5月消費者信頼感指数
5月26日
15:00(独) 6月GFK消費者信頼感指数
15:45(仏) 5月総合業況指数
15:45(仏) 4月消費支出
18:30(南ア)4月消費者物価指数
20:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:30(米) 4月耐久財受注
23:00(米) 4月新築住宅販売件数
5月27日
7:45 (NZ) 4月貿易収支
8:50 (日) 4月貿易統計
15:45(仏) 5月消費者信頼感指数
18:30(南ア)4月生産者物価指数
19:00(英) 5月CBI小売売上高
21:30(米) 第1四半期GDP(改定値)
21:30(米) 第1四半期個人消費支出価格指数(改定値)
21:30(米) 第1四半期個人消費支出価格コア指数(改定値)
21:30(米) 週間新規失業保険申請件数
5月28日
7:45 (NZ) 4月住宅建設許可
8:30 (日) 4月全国消費者物価コア指数
8:30 (日) 5月東京都消費者物価コア指数
8:30 (日) 4月有効求人倍率
8:30 (日) 4月失業率
8:50 (日) 4月商業販売統計
15:00(独) 4月輸入物価指数
21:30(米) 4月個人消費支出価格コア指数
21:30(米) 4月個人消費支出価格指数
21:30(米) 4月個人所得
21:30(加) 第1四半期経常収支
22:45(米) 5月シカゴ購買部協会景気指数
22:55(米) 5月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)
≪2010年5月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
続落していた米株式がプラス圏で取引を終えたことに好感し「ブル」。しかし、米長期金利が
低下する等、金融市場の混乱を懸念しFRBが出口戦略を延期するとの見方も強まっており、金
利面からドル買い意欲は低下しそう。また、ユーロ各国の財政問題を背景にリスク回避の流れ
も引き続きありそう。
ユーロ円は「ブル」
ポジションは「ブル」。先週初めからユーロ売りが継続し約8年ぶりとなる109円台をマークし
たことから、週末のポジション調整から買戻しが入った。しかし、ユーロ下落トレンドは継続
していると思われることから、110円割れの下値を試す展開も考えられる。
豪ドル円は「ブル」
ポジションは「ブル」。株安連鎖・商品安を受けて高金利通貨の豪ドルが売られたが、安値圏
では押し目買いが散見された。また、金曜日の早朝に豪準備銀行のレートチェックしたとの噂
もあり、豪当局も警戒しているようだ。なお、ユーロ圏の信用不安や金融規制強化による流動
性低下もあり、根本的な不安要因が払拭されていないことから、上昇も限定的にとどまりそう
だ。
ユーロ円は、序盤、欧米市場のリスク回避の流れを引き継ぎ、安値となる110.959円まで下落したものの、市場に豪準備銀行がレートチェックを行ったとの噂が流れるとユーロ買いとなり114.405円まで上昇。前述の菅副総理兼財務相の発言もサポート材料となった。しかし、買い一巡後はユーロ各国の信用不安の広がりから、下値を探る展開となり再び111.623円まで下落した。その後、NY株式が前日比でプラス圏を推移すると、ユーロ売り持ち高解消の動きが優勢となり一時113.50円まで上昇したが、引けにかけ値を崩し112.969円で取引を終えた。
今週の展開
ドル円は先週、日米欧の株式市場の株価動向に左右された往来相場で、好調であった米経済指標が悪化したことに加え、ドイツの金融規制策も嫌気されたことで株価や商品相場を押し下げる要因となり、リスク回避色の濃い一週間であった。今週も引き続きユーロ各国の信用不安が株式市場の大幅調整圧力として波及していると思われ、株売り・リスク回避から円買いの動きが強まると考えられる。しかし、円高局面においては各国ともに警戒感が高まっており、円高進行が今後も継続するようであれば、新たな金融支援策が発表されるとの見方もある。いずれにせよ、株価や商品相場の値動きを主体としたリスク許容度の変化に左右される展開が予想され、慎重な対応が求められそうだ。
渦中のユーロ圏では先週、ドイツがユーロ各国の了承無く単独で金融規制強化に動いたことでユーロの財政問題解消に向けて一枚岩ではないことが示唆された。ユーロ圏での信用不安が広がったことで株安や商品安を招く結果となり、ユーロ売り優勢の展開となっている。また、EUのファンロンパイ大統領も「市場に大きな影響を与える事柄については加盟国が緊密に連携することが大切で、連携を強化する必要がある」とユーロ各国に向けて牽制している。しかし、ドイツは財政破綻の未然防止策に備えたセーフティーネットの構築を目的としており、今後もユーロ各国で金融規制強化策は打ち出されるとの見方が多い。依然として、ユーロにとって厳しい相場展開が続いており下値に対する警戒は常に頭に入れておきたい。
[今週の予想レンジ]
ドル ・円 88.300- 91.900
ユーロ・円 109.500-116.100
ポンド・円 127.600-134.600
【今週の主な経済指標】
5月24日
13:30(日) 全産業活動指数[前月比]
23:00(米) 4月中古住宅販売件数
5月25日
17:30(英) 第1四半期GDP(改定値)
18:00(ユーロ)3月製造業受注
18:30(南ア)第1四半期GDP
22:00(米) 3月S&Pケース・シラー住宅価格指数
23:00(米) 5月消費者信頼感指数
5月26日
15:00(独) 6月GFK消費者信頼感指数
15:45(仏) 5月総合業況指数
15:45(仏) 4月消費支出
18:30(南ア)4月消費者物価指数
20:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:30(米) 4月耐久財受注
23:00(米) 4月新築住宅販売件数
5月27日
7:45 (NZ) 4月貿易収支
8:50 (日) 4月貿易統計
15:45(仏) 5月消費者信頼感指数
18:30(南ア)4月生産者物価指数
19:00(英) 5月CBI小売売上高
21:30(米) 第1四半期GDP(改定値)
21:30(米) 第1四半期個人消費支出価格指数(改定値)
21:30(米) 第1四半期個人消費支出価格コア指数(改定値)
21:30(米) 週間新規失業保険申請件数
5月28日
7:45 (NZ) 4月住宅建設許可
8:30 (日) 4月全国消費者物価コア指数
8:30 (日) 5月東京都消費者物価コア指数
8:30 (日) 4月有効求人倍率
8:30 (日) 4月失業率
8:50 (日) 4月商業販売統計
15:00(独) 4月輸入物価指数
21:30(米) 4月個人消費支出価格コア指数
21:30(米) 4月個人消費支出価格指数
21:30(米) 4月個人所得
21:30(加) 第1四半期経常収支
22:45(米) 5月シカゴ購買部協会景気指数
22:55(米) 5月ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)
≪2010年5月21日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ブル」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ブル」
続落していた米株式がプラス圏で取引を終えたことに好感し「ブル」。しかし、米長期金利が
低下する等、金融市場の混乱を懸念しFRBが出口戦略を延期するとの見方も強まっており、金
利面からドル買い意欲は低下しそう。また、ユーロ各国の財政問題を背景にリスク回避の流れ
も引き続きありそう。
ユーロ円は「ブル」
ポジションは「ブル」。先週初めからユーロ売りが継続し約8年ぶりとなる109円台をマークし
たことから、週末のポジション調整から買戻しが入った。しかし、ユーロ下落トレンドは継続
していると思われることから、110円割れの下値を試す展開も考えられる。
豪ドル円は「ブル」
ポジションは「ブル」。株安連鎖・商品安を受けて高金利通貨の豪ドルが売られたが、安値圏
では押し目買いが散見された。また、金曜日の早朝に豪準備銀行のレートチェックしたとの噂
もあり、豪当局も警戒しているようだ。なお、ユーロ圏の信用不安や金融規制強化による流動
性低下もあり、根本的な不安要因が払拭されていないことから、上昇も限定的にとどまりそう
だ。