G20開幕!どうなるギリシャ危機!
昨日のドル円は東京市場序盤、日銀が追加金融緩和策の導入を見送るとの一部報道を受け、93円台前半でのやや軟調な推移となった。さらに、日本の3月貿易収支が+9,489億円となり前回から黒字幅を拡大したことや、日経平均がじり安となり前日比-200円超へと下げ幅を拡大したことから円買い優勢の展開となり92.75円付近へと下落。その後も日銀の展望レポートにおいて、2011年度の日本の消費者物価上昇率見通しを上方修正する可能性があるとの一部報道を背景に、日銀が追加緩和策を回避するとの見方が再燃したことから安値圏でのもみ合いが続いた。欧州勢参入後は、欧州株の反発を背景に上昇に転じると93円台前半を回復。NY時間では、米国の3月中古住宅販売件数は535万件と市場の事前予想を上回り、2009年12月以来の好数値を記録すると上値を拡大。NY終盤にかけてダウもプラス圏回復に従い上昇は止まらず、93.547円と高値を更新、最終的には93.464円で引けた。
ユーロ円は序盤、ギリシャ問題の再燃が嫌気されたことに加えて、日経平均の軟調を背景にリスク回避ムードが拡大したことから124円付近で弱含み。欧州勢参加後も下落は止まらず、EU(欧州連合)がユーロ圏諸国の財政状況を公表。その中でギリシャについて「2009年の財政赤字はGDP比13.6%」となったことを明らかにした。これは2月10日時点でのギリシャ政府の見通し(12.7%)、3月22日時点でのギリシャ中銀の見通し(12.9%)よりも悪い内容であり、ギリシャの財政懸念が改めて蒸し返されたことが嫌気された格好となった。また、格付け会社ムーディーズは、ギリシャのソブリン債格付けをA3と従来のA2から引き下げた事で、一時123.310円まで下げ幅を拡大。しかし、引けにかけてEUのリーン委員(経済・通貨担当)が「必要ならば、ギリシャに対する支援メカニズムを迅速に実行する用意がある」と発言したことや、ダウが急速に反発したことを背景にユーロ円も反発、124.226円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、金融規制強化への思惑もくすぶる中、昨夜オバマ米大統領の演説の中で米国の金融規制法案について新たな提案を含む新規材料は聞かれなかったことや、米格付け大手フィッチによって日本国債が債務負担の増大を背景に「ネガティブ」に引き下げられたことなど、ドル買い要因の下支えとなりそう。ゴールドマンサックスの追訴念が後退していることもあり、93.50円付近のレンジをブレイク出来れば、今月2日の高値94.689円まで視野に入ってこよう。しかし、今週末のG20を前にオバマ米大統領に同調し、インドとプラジルの中央銀行総裁が中国に人民元の上昇容認を呼び掛けるなど、根強い人民元引き上げ懸念や、ギリシャ問題などの外部要因には注意が必要と思われる。
ユーロ円は、更なる下押しに注意したい。現在、EU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)によるギリシャ向け最大450億ユーロ規模の支援についての協議が行われており、正式な発表があるまでは、様々な思惑に一喜一憂する展開が続きそうだ。目先は、ギリシャ問題を警戒する動きや、G20で人民元改革が複数の国から求められるとの憶測が飛び交うなど、市場は慎重な姿勢を崩しておらず、リスク回避的な円買い、ユーロ売り主導の値動きがメインシナリオになると思われる。下値のポイントとしては4月19日安値123.149円と考えられるが、大きくなったギリシャ問題に、G20、G7、IMFから一定の擁護発言が出るケースも考えられ、ユーロが買い戻される可能性も捨てきれない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.80-94.70
ユーロ・円 123.10-125.50
ポンド・円 142.50-145.50
【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 四半期輸出物価指数
13:30 JPY 全産業活動指数
15:45 FRF 消費支出
17:00 DEM IFO企業景況感指数
17:30 GBP 四半期国内総生産
18:00 EUR 製造業新規受注
20:00 CAD 消費者物価指数
21:30 CAD 小売売上高
21:30 USD 耐久財受注
23:00 USD 新築住宅販売件数
≪2010年4月22日クローズ時点≫
ドル・円 :「ベア」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
日銀の「2011年の消費者物価指数の上昇率や経済成長率の見通しを上方修正する方向」で
調整に入ったとの報道で、追加金融緩和期待が後退したことから参加者の円買いが先行し
「ベア」。しかし、日銀が景気見通しを上方修正したとしても、当面は現状の金融緩和策
を維持するとみられるほか、日本の政府債務の増加にも焦点が当たることで、円買いにも
限界があると考えられる。短期のトレンドが上向いている事や、米国の出口戦略を睨んで
来週火・水曜日のFOMCに関心が移りつつあり、金利面からもドルがサポートされるかも知
れない。
ポンド円は「ベア」
4連騰のポンド円は月曜の安値から約4.50円ほど上昇しており、参加者からは利益確定の
売りが先行し「ベア」となっている。英景気指標はこのところ堅調となっており、本日の
英第1四半期GDP速報値も上振れの期待が高まってきた。ユーロからポンドへと乗り換える
動きも加速しており、底堅い動きが期待できそうだ。
豪ドル円は「ブル」
来月4日の豪準備銀行理事会での追加利上げ期待も高まっており、下落局面での押し目買
いが散見し、本日も「ブル」。引き続き金利先高感が下値をサポートすると見られるが、
ギリシャ支援問題の不透明感や米GSの提訴などを背景に安全通貨とされる円への資金逃避
も活発化する可能性は捨てきれない。リスク回避的な動きが優勢になる局面も想定しなが
らの対応を心掛けたい。
ユーロ円は序盤、ギリシャ問題の再燃が嫌気されたことに加えて、日経平均の軟調を背景にリスク回避ムードが拡大したことから124円付近で弱含み。欧州勢参加後も下落は止まらず、EU(欧州連合)がユーロ圏諸国の財政状況を公表。その中でギリシャについて「2009年の財政赤字はGDP比13.6%」となったことを明らかにした。これは2月10日時点でのギリシャ政府の見通し(12.7%)、3月22日時点でのギリシャ中銀の見通し(12.9%)よりも悪い内容であり、ギリシャの財政懸念が改めて蒸し返されたことが嫌気された格好となった。また、格付け会社ムーディーズは、ギリシャのソブリン債格付けをA3と従来のA2から引き下げた事で、一時123.310円まで下げ幅を拡大。しかし、引けにかけてEUのリーン委員(経済・通貨担当)が「必要ならば、ギリシャに対する支援メカニズムを迅速に実行する用意がある」と発言したことや、ダウが急速に反発したことを背景にユーロ円も反発、124.226円で取引を終えた。
本日の展開
さて本日のドル円だが、金融規制強化への思惑もくすぶる中、昨夜オバマ米大統領の演説の中で米国の金融規制法案について新たな提案を含む新規材料は聞かれなかったことや、米格付け大手フィッチによって日本国債が債務負担の増大を背景に「ネガティブ」に引き下げられたことなど、ドル買い要因の下支えとなりそう。ゴールドマンサックスの追訴念が後退していることもあり、93.50円付近のレンジをブレイク出来れば、今月2日の高値94.689円まで視野に入ってこよう。しかし、今週末のG20を前にオバマ米大統領に同調し、インドとプラジルの中央銀行総裁が中国に人民元の上昇容認を呼び掛けるなど、根強い人民元引き上げ懸念や、ギリシャ問題などの外部要因には注意が必要と思われる。
ユーロ円は、更なる下押しに注意したい。現在、EU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)によるギリシャ向け最大450億ユーロ規模の支援についての協議が行われており、正式な発表があるまでは、様々な思惑に一喜一憂する展開が続きそうだ。目先は、ギリシャ問題を警戒する動きや、G20で人民元改革が複数の国から求められるとの憶測が飛び交うなど、市場は慎重な姿勢を崩しておらず、リスク回避的な円買い、ユーロ売り主導の値動きがメインシナリオになると思われる。下値のポイントとしては4月19日安値123.149円と考えられるが、大きくなったギリシャ問題に、G20、G7、IMFから一定の擁護発言が出るケースも考えられ、ユーロが買い戻される可能性も捨てきれない。
[今日の予想レンジ]
ドル ・円 92.80-94.70
ユーロ・円 123.10-125.50
ポンド・円 142.50-145.50
【今日の主な経済指標】
10:30 AUD 四半期輸出物価指数
13:30 JPY 全産業活動指数
15:45 FRF 消費支出
17:00 DEM IFO企業景況感指数
17:30 GBP 四半期国内総生産
18:00 EUR 製造業新規受注
20:00 CAD 消費者物価指数
21:30 CAD 小売売上高
21:30 USD 耐久財受注
23:00 USD 新築住宅販売件数
≪2010年4月22日クローズ時点≫
ドル・円 :「ベア」
ユーロ・円 :「ブル」
ユーロ・ドル :「ブル」
英ポンド・円 :「ベア」
豪ドル・円 :「ブル」
NZドル・円 :「ブル」
※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。
ドル円は「ベア」
日銀の「2011年の消費者物価指数の上昇率や経済成長率の見通しを上方修正する方向」で
調整に入ったとの報道で、追加金融緩和期待が後退したことから参加者の円買いが先行し
「ベア」。しかし、日銀が景気見通しを上方修正したとしても、当面は現状の金融緩和策
を維持するとみられるほか、日本の政府債務の増加にも焦点が当たることで、円買いにも
限界があると考えられる。短期のトレンドが上向いている事や、米国の出口戦略を睨んで
来週火・水曜日のFOMCに関心が移りつつあり、金利面からもドルがサポートされるかも知
れない。
ポンド円は「ベア」
4連騰のポンド円は月曜の安値から約4.50円ほど上昇しており、参加者からは利益確定の
売りが先行し「ベア」となっている。英景気指標はこのところ堅調となっており、本日の
英第1四半期GDP速報値も上振れの期待が高まってきた。ユーロからポンドへと乗り換える
動きも加速しており、底堅い動きが期待できそうだ。
豪ドル円は「ブル」
来月4日の豪準備銀行理事会での追加利上げ期待も高まっており、下落局面での押し目買
いが散見し、本日も「ブル」。引き続き金利先高感が下値をサポートすると見られるが、
ギリシャ支援問題の不透明感や米GSの提訴などを背景に安全通貨とされる円への資金逃避
も活発化する可能性は捨てきれない。リスク回避的な動きが優勢になる局面も想定しなが
らの対応を心掛けたい。