FXレポート

好結果の続く英経済指標!英年内の利上げ観測も浮上!!

昨日のドル円は序盤、日本航空の会社更生法申請をにらんで、燃料費購入のための為替予約を解消するとの観測が高まったため、円買いが強まり下値を試す動きとなった。2009/11/27安値84.81円から1/8高値93.779円までの上昇に対する38.2%押しとなる90.353円をわずかに下回る水準(90.306円)で下げ止まると、その後発表された欧州経済指標が予想を下回る結果となった事で、対ユーロでのドル買いがドル円にも波及し、徐々に値を戻した。注目されていたシティグループの決算発表は損失が市場予想を上回った事でドルの失望売りが広がり、一旦は値を崩したものの、マクドナルドの格付けが上方修正される等、NY株が堅調な推移を見せた事がサポートとなり、ドル円は高値圏を維持したまま91.108円で取引を終えた。

ポンド円は、「米ゴールドマン・サックスが、英国は来年、他の主要国より強い成長に転じ、今後数年のうちに英景気は予想以上に回復すると予測した」と英テレグラフ紙が報じた事が材料視され、値を伸ばす展開。米クラフトによる英キャドバリー買収の合意が発表された事も支援材料となった事に加え、注目されていた英消費者物価指数が市場予想を上回る伸びを記録、BOEの定めるインフレターゲット(2%±1%)の上限に近い結果となった事で上昇に弾みがつき149.467円まで上昇、149円台を維持したまま149.093円で引けた。


                    本日の展開

本日のドル円だが、モルガン・スタンレー、米住宅指標の発表が焦点となりそうだ。先週のJPモルガンに続き、シティグループの決算も失望売りを招く結果となっているため、本日の発表には注意したい。サブプライム問題で痛手を負った主要金融機関にとって不良債権処理等が市場の予想以上に足を引っ張っており、市場の業績回復期待だけが先行する形となっている。大きな節目である90円台を維持していることや、NY株の上昇などから楽観ムードも漂うが、決算や経済指標が予想を下回った場合、失望感から円買い優位の方向で再度下値を試す可能性も考えられるので注意したい。

ポンド円は、一昨日の英住宅指標に続き、消費者物価指数も好結果となった事を受けて、英中央銀行(BOE)の利上げ時期が早まるとの期待が高まっている。センタンスBOE政策委員が13日に「今年初めの数ヶ月内にターゲットを超える可能性」と述べており、消費者物価指数の上昇率が高くなることは織り込み済みとも考えられるが、同氏は「経済の回復がインフレの兆候を示すようなら今年中に利上げを検討する必要がある」との見解も述べている。目先の上値目標は2009/12/31高値150.749円となりそうだが、三角持合の頂点に近づいてもいるため、上抜けた場合、2009/10/23高値153.244円も視野に入るかもしれない。



[今日の予想レンジ]
ドル ・円  90.00-92.00
ユーロ・円 129.00-131.00
ポンド・円 148.00-153.00

【今日の主な経済指標】
16:00(独) 12月生産者物価指数
18:30(英) 12月失業率
18:30(英) 1月金融政策委員会議事録
18:30(英) 11月国際労働機関失業率統計
18:30(南ア) 11月小売売上高
21:00(加) 12月消費者物価コア指数
21:00(加) 12月消費者物価指数
21:00(米) 週間住宅ローン借換申請指数
21:45(米) 週間チェーンストア売上高
22:30(米) ダドリー米ニューヨーク地区連銀総裁講演
22:30(米) 12月住宅建設許可件数
22:30(米) 12月生産者物価指数
22:30(米) 12月生産者物価コア指数
22:55(米) 週間レッドブック大規模小売店売上高     

≪2010年1月20日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ブル」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル円は「ブル」
 心理的節目である90円を割れずに反発したドル円は底堅い動きを見せており、参加者は「ブル」を
 選択。日本航空の為替ヘッジ解消観測による円買いも一服し、反発の機会をうかがっている。本日
 も米金融機関の決算発表を控えており、サプライズな結果となれば新たな上昇局面入りの展開も考
 えられる。
  
 ユーロ円は「ブル」
 格付け機関ムーディーズは、ギリシャの格付けを現行の「A2」で維持することを決定した。先週ギ
 リシャが欧州委員会に提出した「安定成長計画」がギリシャが直面する問題に適した内容だとして
 格付けを維持。値を崩しているユーロにとってのサポート材料となり、参加者は「ブル」を継続。
 しかし、スウェーデンのボルグ財務相が「ギリシャの経済統計は詐欺まがいだ」と発言する等、ギ
 リシャに対する不信感・不安感は払拭されていないため、引き続き上値の重い展開が続きそうだ。

 ポンド円は「ブル」
 ポンド円にとって明るい材料が出始め、参加者は「ブル」を継続。1/14直近高値150.011円に接近し
 ているため利益確定等の売りには注意したいところだが、指標の好結果に伴う早期の利上げ観測が
 高まりつつある事から、目先は上値試しの可能性もある。また、本日はMPC議事録要旨が発表される。
 会議において利上げ時期について議論されたかどうか焦点となりそうだ。

 

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