トランプ氏発言でドルは全面安!
昨日のドル円は、114.174で取引を開始した後、東京市場において米10年債利回りの低下や日経平均株価の240円超安を嫌気して113.83円近辺までドル売りが先行しました。その後、日経平均株価が50円超安まで反発したほか、仲値に向けたドル買いから日通し高値となる114.28円付近まで持ち直しました。もっとも、トランプ次期米大統領が13日のWSJとのインタビューのなかで「中国が人民元を押し下げているためドルが既に高過ぎる」と述べたことが市場の話題となると、ドルが全面安の展開となりました。日経平均株価の280円超安や米10年債利回りの低下幅拡大も重しとなり、113.36円近辺まで下げ足を速めました。欧州市場では、時間外の米10年債利回りが低下したことを受けてドル売りが先行し、一時112.72円近辺まで値を下げました。もっとも、メイ英首相が「EU単一市場の加盟は提案していない」「代わりに、EUへの可能な限りのアクセスを目指す」「EU関税同盟と新たな協定を結びたい」などと述べると、ハード・ブレグジット(強硬なEU離脱)への懸念が後退したとしてポンド円が急反発したため、つれてドルの買い戻しが優勢になりました。米長期金利が低下幅を縮小したほか、株価の持ち直しなども相場の下支えとなり、ドル円は113.56円付近まで値を上げました。NY市場では、ドルの買い戻しが一巡すると1月NY連銀製造業景気指数が市場予想より弱い結果となったほか、ダドリー米ニューヨーク連銀総裁が「最近のドル高は物価に下向きの圧力」などの見解を示したことで再度ドル売りが優勢となりました。米長期金利が再び低下するなか、日通し安値となる112.63円近辺まで下落し、昨年11月30日以来の安値を更新しました。前日比では1.534円安い112.645円で取引を終えました。
≪2017年01月17日クローズ時点≫
ドル・円 :「ブル」 売り31% 買い69%
ユーロ・円 :「ベア」 売り52% 買い48%
英ポンド・円 :「ブル」 売り48% 買い52%
豪ドル・円 :「ブル」 売り19% 買い81%
NZドル・円 :「ブル」 売り28% 買い72%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り62% 買い38%
【今日の主な経済指標】
16:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 12月
17:00 ZAR 消費者物価指数(CPI)[前月比] 12月
17:00 ZAR 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 12月
18:30 GBP 失業保険申請件数 12月
18:30 GBP 失業率 12月
18:30 GBP 失業率(ILO方式) 11月
19:00 EUR 建設支出[前月比] 11月
19:00 EUR 建設支出[前年同月比] 11月
19:00 EUR 消費者物価指数(HICP、改定値)[前年同月比] 12月
20:00 ZAR 小売売上高[前年同月比] 11月
21:00 USD MBA住宅ローン申請指数[前週比]
22:30 USD 消費者物価指数(CPI)[前月比] 12月
22:30 USD 消費者物価指数(CPIコア指数)[前月比] 12月
22:30 USD 消費者物価指数(CPI)[前年同月比] 12月
23:15 USD 鉱工業生産[前月比] 12月
23:15 USD 設備稼働率 12月
00:00 CAD カナダ銀行 政策金利グラフのマーク
00:00 USD NAHB住宅市場指数 1月
04:00 USD 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
05:00 USD イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
06:00 USD 対米証券投資(短期債除く) 11月
06:45 NZD 住宅建設許可件数[前月比] 11月
- 今日のトレードポイント -
1月5日以降からドルの上昇が一服しており、昨日のドル円は112円台に突入しました。先週末、トランプ氏はドル高/人民元安に強い懸念を表明していることなどを考慮すると、トランプ氏の就任式まではドル売りの展開が継続するのかもしれません。本日のドル円はドル売りの展開を予想し、要人発言に注意をして取引に臨みたいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 112.00-113.80
ユーロ・円 119.00-122.00
ポンド・円 137.00-143.00