ドル円はリスク回避のドル売りを受け反落!
先週金曜日のドル円は、106.799円で取引を開始した後、東京市場において日経平均株価が270円超上昇したことを支えに一時106.93円近辺まで上昇しましたが、107.00円に観測されているバリアオプションの防戦売りも出たため、その後は上値を切り下げる展開になりました。麻生太郎副総理兼財務・金融相が「ドル円が1-2日で5円も動くのは異常だと思う」と述べたほか、日経平均株価が失速したことが嫌気されドル円は106.25円付近まで売りに押されました。欧州市場では、106.87円近辺まで上昇する場面も見られましたが、高く始まったナイト・セッションの日経平均先物が130円安まで下落すると、リスク回避のドル売りに押され、日通し安値となる106.03円付近まで下押ししました。その後は、日経平均先物が下げ幅を縮めると106円台半ばを目指す値動きとなりました。NY市場では、原油先物相場の下落を背景に対資源国通貨でドル高が進んだ影響やダウ平均が下値の堅い動きとなりドル買いが進んだほか、11月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)が91.6と市場予想の87.9程度を上回ったことから、ドル円は106.80円付近まで上昇しました。 なお、フィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長が「段階的な緩和解除の論拠はかなり強い」との見解を示すと円売り・ドル買いで反応するも、相場への影響は一時的に終わりました。取引終盤以降も高値圏での推移は継続し、前日比では0.165円安い106.658円で取引を終えました。
≪2016年11月11日クローズ時点≫
ドル・円 :「スクエア」 売り50% 買い50%
ユーロ・円 :「ベア」 売り63% 買い37%
英ポンド・円 :「ベア」 売り53% 買い47%
豪ドル・円 :「ブル」 売り19% 買い81%
NZドル・円 :「ブル」 売り33% 買い67%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り53% 買い47%
【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)[前期比] 7-9月期
08:50 JPY 四半期実質国内総生産(GDP、速報値)[年率換算] 7-9月期
09:01 GBP ライトムーブ住宅価格[前月比] 11月
10:00 JPY 黒田東彦日銀総裁、発言
13:30 JPY 鉱工業生産・確報値[前月比] 9月
17:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 10月
19:00 EUR 鉱工業生産[前月比] 9月
00:00 EUR ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、発言
- 今日のトレードポイント -
先週のドル円は、大統領選に勝利したトランプ氏の掲げる財政拡大政策への思惑が米長期金利の上昇と株高、ドル高を誘発し6円近い値動きとなりました。今週のドル円は、急ピッチに進んだドル高は一端落ち着きを見せると思われますが、トランプ氏の選挙公約に陰りが見えた場合、大幅に下落する可能性があるため、株式市場や債券市場の動向に注意しながらポジション管理を徹底したいです。
[今日の予想レンジ]
ドル・円 105.80-107.50
ユーロ・円 114.00-117.00
ポンド・円 131.50-137.00