FXレポート

FOMC発表直後にドルは急落!

昨日のドル円は、113.140円で取引を開始した後、東京市場においては日経平均株価の160円超安を受けて113.02円近辺まで売りが先行しましたが、売りが一巡すると下値が切り上がる値動きとなりました。国際金融経済分析会合に出席したスティグリッツ米コロンビア大学教授が「現在消費税は間違った方向だろう」「安倍首相に今は消費増税の時期でないと述べた」との見解を示したことが好感され、日経平均株価が10円超安まで下げ幅を縮小すると、黒田東彦日銀総裁が「理論的にはマイナス金利0.5%まで引き下げる余地がある」「金融緩和は為替に低下圧力を及ぼす」「緩和は他の条件一定なら自国通貨安の方向に作用する」と発言したこともドル買いを誘い113.56円近辺まで持ち直しました。欧州市場では、ドル高が進んだ流れに沿って買いが先行し、一時113.78円近辺まで値を上げました。NY市場では、2月米消費者物価指数(CPI)で変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数や2月米住宅着工が強い結果になると、米10年債利回りの上昇とともにドル買いが再開し日通し高値となる113.81円近辺まで上値を伸ばしました。その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えて113.70円を挟んだ値動きとなりました。米連邦準備理事会(FRB)は15-16日に開いたFOMCで、予想通り政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%から0.50%の範囲に据え置くことを決めたと発表しました。経済・金利見通しでは2016年末のFF金利見通し(中央値)が引き下げられたほか、声明文に「世界経済や金融状況がリスクをもたらし続ける」との文言が追加されたことで米10年債利回りの急低下とともに日通し安値となる112.34円近辺まで下落しました。前日比では0.609円安い112.530円で取引を終えました。

≪2016年03月16日クローズ時点≫
ドル・円    :「ブル」 売り24% 買い76%
ユーロ・円  :「ベア」  売り51% 買い49%
英ポンド・円 :「ブル」 売り35%  買い65%
豪ドル・円  :「ブル」 売り22%  買い78%
NZドル・円   :「ブル」 売り 8% 買い92%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り73% 買い27%

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY 貿易統計(通関ベース) 2月
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債) 前週分
08:50 JPY 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式) 前週分
09:30 AUD 新規雇用者数 2月
09:30 AUD 失業率 2月
15:30 JPY 黒田東彦日銀総裁、発言
17:15 CHF 生産者輸入価格[前月比] 2月
17:30 CHF スイス国立銀行3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値
19:00 EUR 消費者物価指数(HICP、改定値)[前年同月比] 2月
21:00 GBP イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:00 GBP 英中銀資産買取プログラム規模
21:00 GBP 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
21:30 CAD 卸売売上高[前月比] 1月
21:30 USD 四半期経常収支 10-12月期
21:30 USD フィラデルフィア連銀製造業景気指数 3月
21:30 USD 新規失業保険申請件数 前週分
23:00 USD 景気先行指標総合指数[前月比] 2月

- 今日のトレードポイント -
昨日のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文や米連邦準備理事会(FRB)の経済見通しを受けてドルは急落しました。声明文では設備投資に関する判断が下方修正されたほか、世界景気や金融市場の動向がリスク要因であると指摘し、前回の声明文から警戒感が強まりました。本日のドル円は113円を挟んだ展開となり上値は重くなりそうです。ただ、米経済指標の結果が好ましくない場合にはさらに下値を模索しかねないため注意したいです。
 
[今日の予想レンジ]
ドル・円        112.00-113.50
ユーロ・円     125.00-127.50
ポンド・円     158.00-164.00

知りたい語句を入力して、検索ボタンを押してください

SNS

line icon

APP

トレイダーズ証券

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第123号 加入協会 日本証券業協会 金融先物取引業協会 第二種金融商品取引業協会 日本投資顧問業協会 トレイダーズ証券は、上場企業トレイダーズホールディングス(スタンダード市場上場8704)の100%子会社です。