FXレポート

ドラギECB総裁の発言を受けユーロを中心に乱高下!

昨日のドル円は、113.367円で取引を開始した後、東京市場の午前においては、前日に上昇した原油相場・欧米株価の流れを引き継いだほか、5・10日(ゴトー日)であることから仲値に向けた円売りが観測され、113.68円近辺まで上昇しました。午後に入ると、日経平均株価が一時240円超高となったことで、ドル円は高値を切り上げ、113.80円近辺まで上昇しました。また、黒田東彦日銀総裁は「物価2%の達成時期は2017年度前半ごろと見通している」「(物価目標達成時期について)いろいろな前提を置いており、原油は40ドル台後半に上昇する前提」などの見解を示しましたが、相場への影響は限定的でした。欧州市場の終盤では、欧州中央銀行(ECB)による政策発表があり、政策金利や中銀預金金利、限界貸出金利を全て引き下げたほか、資産買入れ額を月間600億ユーロから800億ユーロに拡大し、非金融機関発行の投資適格級債券も買い入れ対象とすることなどを明らかにしたことでユーロが急落しました。それに伴いドル円も急速に上値を伸ばし、NY市場で発表があった米新規失業保険申請件数前週分の結果も強含んだことも支えとなり、一時日通し高値となる114.44円近辺まで上昇しました。しかし、その後の記者会見でドラギECB総裁は、「追加利下げの可能性は想定していない」との見解を示したことで一転してユーロ買いの流れとなりました。その後も流れは変わらず、ナイト・セッションの日経平均先物も大きく下落したことから、日通し安値である112.60円近辺まで下落しました。引けにかけては徐々に下値を切り上げ、前日比では0.188円安い113.152円で取引を終えました。

≪2016年03月10日クローズ時点≫
ドル・円      :「ブル」 売り23% 買い77%
ユーロ・円  :「ベア」  売り54% 買い46%
英ポンド・円 :「ブル」 売り40%  買い60%
豪ドル・円  :「ブル」 売り25%  買い75%
NZドル・円   :「ブル」 売り11% 買い89%
ユーロ・ドル :「ベア」 売り70% 買い30%

【今日の主な経済指標】
08:50 JPY  四半期法人企業景気予測調査・大企業業況判断指数(BSI) 1-3月期
16:00 DEM 卸売物価指数(WPI)[前月比] 2月
16:00 DEM 消費者物価指数(CPI、改定値)[前月比] 2月
18:30 GBP 貿易収支 1月
22:30 CAD 失業率 2月
22:30 CAD 新規雇用者数 2月
22:30 USD 輸出物価指数[前月比] 2月
22:30 USD 輸入物価指数[前月比] 2月

- 今日のトレードポイント -
昨日は、欧州中央銀行(ECB)定例理事会があり、ドラギECB総裁は記者会見で「ECBの量的緩和は2017年3月まで続ける予定であり、必要なら延長する」「金利は長期間に渡り現在の水準かさらに引き下げる」と追加緩和を示唆しましたが、「現在の見通しに基づき一段の利下げを想定しない」と述べたことで強弱入り混じる結果となりユーロを中心に為替市場が乱高下しました。これを受け、来週に開催される、日銀金融政策決定会合・米連邦公開市場委員会(FOMC)での発表に、より期待を向けられる形となっています。本日は週末であることや来週に控えているイベントの様子見ムードが強くなると考えられますので、ポジション管理には注意しつつ短期的な逆張りスタンスで取引に臨みたいところです。
 
[今日の予想レンジ]
ドル・円         112.50-114.00
ユーロ・円     125.00-128.00
ポンド・円       159.00-163.00

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