FXレポート

本日は米雇用統計。労働環境改善の兆しも失業率は??

昨日の為替相場は、本邦株式相場の堅調な上昇や、NY金先物相場が史上最高値を更新したこと
などを背景に、リスク選好の流れとなり、対ユーロやオセアニア通貨を中心に円売りが広がった。
ドル円も連れる形で、87.90円台まで上昇した。ロンドン市場では欧州中央銀行(ECB)が政策金利
を大方の予想通り1.00%に据え置くことを決定。しかし、相場には特に影響は見られなかった。

ニューヨーク市場の時間帯に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想より少なく米雇用市
場の改善期待が高まり、ドル買い円売りの流れに弾みがついた。ドル円は一時88.476円まで上昇、
ユーロ円も133.549円まで上昇した。しかし、その後発表された米ISM1月非製造業指数が48.7と
市場予想平均の51.5を下回ると、クロス円に売りが出てドル円の上値が抑えられる展開に。その後
は小幅な値動きに終始し、ドル円は88.290円、ユーロ円は132.879円で取引を終えた。


さて、本日は米国の雇用統計が発表される。先日のADP雇用統計は予想を下回る結果であったも
のの、昨日の新規失業保険申請件数は予想よりも少なく、1年2カ月超ぶりの低水準となっている。
また、申請件数は13週連続減少となっていることから、足元の労働環境に強い改善の兆しが現れて
いるとの見方が強いようだ。本日はもっぱら失業率の動向が焦点となろうが、10.2%を下回る状況と
なればドルの買い戻しとの展開となろう。一方で節目である10.4%に近づく状況となれば再び強いド
ル売りとなり、85円台割れも視野に入りそうだ。

一方ユーロは、欧州中央銀行(ECB)の金融政策については、トリシェ総裁から出口戦略について
の言及があったものの、今後の利上げを示唆するものではないとの言及からやや失望感が出ている。
2010年の成長見通しが上方修正された一方で、利上げ観測の後退から、ユーロ買いを押さえ込
む状況となっているようだ。今後もECBの動向を睨みつつ、方向感の定まらない相場動向が続くか。


[本日の予想レンジ]
 ドル ・円     84.50- 88.80
 ユーロ・円 128.90-135.00
 ポンド・円  141.00-150.00 

【本日の主な経済指標】
17:15 (ス) 消費者物価指数(CPI)[前月比]     
21:00 (加) 失業率     
21:00 (加) 新規雇用者数     
22:30 (米) 非農業部門雇用者数変化[前月比]     
22:30 (米) 失業率     
00:00 (加) Ivey購買部協会指数


さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年12月3日クローズ時点≫
 ドル・円    :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円   :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル円は「ブル」
 新規失業保険申請件数は1年2カ月超ぶりの低水準となり、13週連続の減少。本日の雇用統計
 に強い期待を持っている模様で、参加者は「ブル」を選択している。本日の焦点は失業率の数値
 となろう。
 
 ユーロ円は「ブル」
 昨日も好調なユーロ円上昇を受け、参加者は「ブル」を選択。早期利上げ観測が後退するも、2010
 年の成長見通しが上方修正されたことを素直に評価している模様だ。本日は米国雇用統計の結果
 に連れる状況となろうものの、引き続きECBの金利政策動向を見守りたい。
 
 ポンド円は「ブル」
 ドバイ債務危機懸念の後退からポンド円は3連騰となっている。懸念された反落も見られず、参加
 者は再び「ブル」に転じている。しかし、英国の景気回復の遅れや金融緩和長期化観測等、ファン
 ダメンタルズに改善の兆しは見られていないため、下落リスクに備えた対応が求められそうだ。

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