FXレポート

欧州中央銀行(ECB)金融政策のスタンスに変化あるか?

昨日のドル円は、鳩山首相による「円独歩高は放置できない」との発言を受け、円売りドル買いの展開なり、87.30円付近まで上昇した。ユーロ円も同様に円売りの流れとなり、131.70円付近まで上昇した。その後のロンドン市場でも金先物価格や時間外のダウ先物の上昇により、ドル円は一時87.381円、ユーロ円は131.980円まで上昇した。

しかし、ニューヨーク市場の時間帯に発表された米ADP雇用統計が予想をやや下回ったことを受けて時間外のダウ先物が下げに転じるとリスク回避の流れに。ドル円は86.98円付近、ユーロ円は再び131.20円付近まで押し戻される展開となった。また、ドル円は日本時間早朝4時に米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容が「全般的に米経済は緩やかに改善した」と前回よりも表現が上方修正されたものの、反応は限定的に。しかし、リッチモンド連銀総裁が利上げに積極的な姿勢を示したことでドル買いを誘い、87.490円まで上昇、87.414円で引けた。

一方、ユーロ円はNYダウの軟調な推移やWTI原油先物相場が76ドル台半ばまで下落したことなどを受けて、131.40円付近まで下落し、131.489円で取引を終えた。


さて、本日のドル円相場は明日の雇用統計を見据えての様子見相場となりそうだ。昨日発表されたADP雇用統計は予想を下回ったものの、相場にはそれほど大きなインパクトを与えていない。目下、米国の雇用情勢は、失業率の改善が見えるかどうかが焦点となっているようだ。11月失業率は前月と同値の10.2%と予想されているものの、米失業率のピークである10.4%が一つの基準となりそうだ。

一方、ユーロ円はユーロ圏小売売上高、四半期域内総生産(GDP)が発表される。また、日本時間21:45には欧州中央銀行(ECB)政策金利の発表が予定されている。政策金利は1.0%のまま据え置かれると見られるものの、通貨当局による金融政策のスタンスに変化が見られるかどうか注目されそうだ。先週は一部報道で利下げの可能性も示唆されており、政策金利発表後の発言内容によっては利下げ観測によるユーロ売りとの展開も予想されるため、十分な注意が必要だ。



[本日の予想レンジ]
 ドル ・円   84.50- 87.80
 ユーロ・円 127.50-133.00
 ポンド・円 139.50-146.00 

【本日の主な経済指標】
08:50 (日) 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額[前年同期比]     
08:50 (日) 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)        
08:50 (日) 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)
09:30 (豪) 小売売上高[前月比]     
18:00 (欧) サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)     
18:30 (英) サービス部門購買担当者景気指数(PMI)     
19:00 (欧) 小売売上高[前月比]     
19:00 (欧) 小売売上高[前年同月比]     
19:00 (欧) 四半期域内総生産(GDP、改定値)[前年同期比]     
21:45 (欧) 欧州中央銀行(ECB)政策金利     
22:30 (米) 四半期非農業部門労働生産性・改定値[前期比]     
22:30 (米) 新規失業保険申請件数     
00:00 (米) ISM非製造業景況指数(総合)     


さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年12月2日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ベア」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。


 ドル円は「ブル」
 ADP雇用統計は予想を下回り米国雇用情勢改善に不透明感が強まっている。しかし、市場では
  米国金利引き上げ期待が台頭したことで、ドルの買戻しが強まっている。参加者も「ブル」を
  選択しており、明日の米国雇用統計を見据えた展開となりそうだ。 
 
 ユーロ円は「ブル」
 ドバイ債務危機懸念の後退からユーロを買いやすい地合いとなっており、参加者も昨日に引き
  続き「ブル」を選択している。本日は小売売上高、四半期域内総生産で足元の状況を確かめる
  他、欧州中央銀行(ECB)政策金利の発表が予定されている。特に政策金利決定に際しての
  要人発言等により相場が動く可能性があるため要注意。
 
 ポンド円は「ベア」
 先日の2円以上の上昇に続き、昨日も1円以上の上昇となっている。参加者は一転して高値警戒
  感から「ベア」に転じている。ファンダメンタルズの脆弱性は依然として変わっておらず、急激な上
 昇に対しての反発も十分に考えられる。米雇用統計前であっても十分なリスク管理を徹底したい。

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