FXレポート

米感謝祭休暇を控え、レンジ相場継続か!?

昨日のドル円は、米住宅関連指標の上振れを受けてNYダウが大幅高となったほか、NY金先物が再び史上最高値を更新するなどリスク選好ムードが強まった反面、東京市場では一転して株安・商品相場の上昇により軟調な展開となった。さらに米実質GDPの下方修正を背景にドル売りが強まり、88.351円まで下落。その後、注目のFOMC議事録が公表されたが、低金利長期化観測を改めて強める内容はなく、相場の反応は限定的となり、88.542円で引けた。

ユーロ円は序盤、日経平均を含むアジア株や、NYダウ先物など国内外の株式市場が軟調な値動きとなったほか、金や原油など商品市場も軟調だったことから手仕舞い売りが優勢となり、132.012円まで下落した。その後、注目されていた独11月IFO景況指数が好結果を示すと半値ほど値を戻したが、勢いは続かず、132.466円で取引を終えた。


さて本日のドル円だが、GDPは貿易赤字拡大や個人消費の伸び悩みから下方修正し、FOMC議事録でもサプライズや「出口戦略」を期待させる発言はなかったことでレンジ内の取引は変わらなかった。明日は米感謝祭休暇を控えて見送りムードも強いが、今夜は新規失業保険申請件数を始めとした米経済指標が数多く控えており、これらの材料を消化したうえで88円台を維持できるかが焦点となろうか。

ユーロ円は、株価や商品市況の動向を睨みながらの展開となりそうだが、昨日の独11月IFO景況指数は昨年8月以来の高水準をマークしたことで、底堅い展開になりそうだ。

一方ポンド円は厳しい状況となっている。前日のキング総裁がハト派(資産買入プログラムの拡大をする)的な発言をしたことや、英国経済に関して弱気な見方をしたことを引きずり、上値を重い展開が予想される。本日18:30に英GDPが予定されており、脆弱な英経済に回復の兆しが見えるのか注目したい。

豪ドル円は、日米の低金利長期化観測が強い一方、来週火曜日の豪準備銀行理事会では追加利上げの可能性が依然として高く、上昇余地はあるものの、日経平均が5日続落となり、金や原油など商品相場も一服となったことを受けてリスク資産を圧縮する動きが先行し、リスク許容度は低下気味ともいえる。また、明日の米感謝祭や月末を控えた手仕舞い売りに加えて、リパトリの動きも考えられ、ファンダメンタルズのみでの判断には注意が必要となろう。


  [本日の予想レンジ]
 ドル ・円  88.00-89.20
 ユーロ・円 131.50-134.00
 ポンド・円 145.00-147.00 

【本日の主な経済指標】
18:30(英)  四半期国内総生産
18:30(南ア) 消費者物価指数
21:00(米)  MBA住宅ローン申請指数
22:30(米)  新規失業保険申請件数
22:30(米)  耐久財受注
22:30(米)  個人消費支出
24:00(米)  新築住宅販売件数
24:00(米)  ミシガン大学消費者態度指数

さて、マーケット参加者のポジションは......

 ≪2009年11月24日クローズ時点≫
 ドル・円   :「ブル」
 ユーロ・円  :「ブル」
 ユーロ・ドル :「ベア」
 英ポンド・円 :「ブル」
 豪ドル・円  :「ブル」
 NZドル・円  :「ブル」

 ※ブルは「買い」、ベアは「売り」、スクウェアは「拮抗」になります。

 ドル円は「ブル」
 米国債入札7年債は無難に経過したものの、米GDPは下振れし、88円前半まで売られた局面では買い
 が優勢となり、引き続き「ブル」。一昨日の米中古住宅販売件数の好結果を受けて米住宅市場に対
 する不透明感が後退する中、GDPの下方修正は米景気回復の足かせとして懸念される個人消費の回
 復にはもう少し時間が必要となりそうな結果となった。また今回のFOMC議事録では、「出口戦略」
 実施のタイミング等を窺い知る要素はなく、「ドルの下落は秩序だったものだ」との発言はドル安
 容認とも取れ今後のドル相場に大きな影響を与えるかもしれない。

 ユーロ円は「ブル」
 欧州は、トリシェECB総裁の「ユーロ高是正」発言を皮切りに昨日も各地で「ユーロ高警戒」の声が
 聞かれ、新鮮味はないものの、ボディーブローのように効き始めており上値を重くしている。しかし、
 参加者は、中長期的にみれば、日米の低金利長期化観測が高まっている一方、ECBは「出口戦略」に
 向けて地ならしに入っており、金融政策面からはユーロ買いに分があるだろうとみて「強気」だ。

 ポンド円は「ブル」
 キングBOE(英中銀総裁)が「資産買入れの増額の可能性は除外出来ない」とコメントしたことで146.
 246円まで下落。参加者は146円台で押し目買いを選択肢「ブル」となったが、英タイムズ紙の「経済
 協力開発機構が英国は他の主要国に比べて経済成長が見劣りしている」と示しており、英国の景気回
 復の遅れや金融緩和長期化観測、財政赤字の深刻化といった悪材料は豊富でファンダメンタルズから
 みれば、バイアスは弱気となり、引き続き警戒感は怠らずに臨みたい。

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